北海道のアイコン

北海道地方環境事務所

アクティブ・レンジャー日記 [北海道地区]

環境省アクティブレンジャー写真展~北の自然の舞台裏~

2023年06月01日
稚内 中村一貴

利尻礼文サロベツ国立公園(利尻)

稚内自然保護官事務所 アクティブレンジャー 前任者 福田 蒔太(現任:中村 一貴)

たどり着いた先に


利尻山9合目上部にて 8月
 
 利尻山山頂へ向かう巡視中、利尻島の固有種であるリシリヒナゲシに出会いました。リシリヒナゲシは、日本に分布する唯一のケシ科ケシ属のヒナゲシで、その個体数は400個体程度しかなく、環境省レッドリストの絶滅危惧IB類(EN)に指定されています。リシリヒナゲシの花は利尻山9合目以上の礫地で7月中旬から8月上旬に見ることができる、利尻島を象徴する大変貴重な種です。リシリヒナゲシに出会うためには、利尻山の急な登山道を5時間かけて登る必要があり、大変ハードな道のりとなります。しかし、たどり着いた先で待つ、可憐なその美しい姿を見ると、これまでの疲れも吹き飛ぶような大きな達成感を得ることができます。

島旅


利尻・彩くるロードにて 9月
 

 利尻島一周は60kmでそのうち、24.9kmのサイクリングロードが整備されています。利尻山を中心として様々な景色を楽しみながらサイクリングをすることができます。この写真は、サイクリングロードを走っているときに出会った景色です。まっすぐ伸びるこの一本道を走ると、その先に続く利尻山の雄大さを実感することができました。
サイクリングロードの景色はとても変化に富んでおり、トドマツやエゾマツからなる針葉樹林や開けた草原、礼文島を横目に磯の香り漂う海岸沿いなどを通るため、利尻島をまるごと体感できます。利尻島を訪れた際は、サイクリングでの島旅を楽しんでみてはいかがでしょうか。