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北海道地方環境事務所

アクティブ・レンジャー日記 [北海道地区]

赤岳の紅葉とパークボランティア活動

2025年11月21日
上川 坂井まお
こんにちは、大雪山国立公園管理事務所の坂井です。

大雪山国立公園では遠目からも山の冠雪が確認できる季節となりました。
さて、今回は9月13日(土)~21日(日)にかけて行われた赤岳のマイカー規制期間中のパークボランティア活動と紅葉の様子をご紹介します。

マイカー規制とは

国立公園内では、休日などの特定の日に駐車場の許容量を超える車が殺到したり、排気ガスに対して脆弱な特性を持つ自然地域への影響などの問題対応として、各地域の協議会等において、自動車利用適正化対策等(マイカー規制)として、地域と期間を限定して車の乗入れを規制しています。
大雪山国立公園の紅葉は「日本で一番早い」と言われています。山肌が赤や黄色に染まるこの季節には、その美しさをひと目見ようとたくさんの方が訪れます。しかし、場所によっては、登山口までの車道は道幅が狭く駐車場も限られているため、紅葉期には渋滞が発生してしまうこともあります。
大雪山国立公園内の赤岳においても、銀泉台登山口に至る道路では、紅葉の見頃の時期にマイカーの通行を規制し、シャトルバスを運行するマイカー規制を実施しています。交通の混雑を緩和するとともに、排気ガスの削減にも繋がる取り組みです。

紅葉期のパークボランティア活動について

マイカー規制期間は登山者だけでなく、紅葉を見に来た一般の観光客の方も多く訪れます。シャトルバスの最終便の時刻が決まっているため、帰りのバスに間に合うよう声をかけたり、登山道で利用マナーを呼びかけたりといった活動も大切になります。そのため大雪山国立公園管理事務所では、この時期にパークボランティア活動としてパークボランティアの皆さんと一緒にパトロールを行い、利用者への案内やマナー啓発などを行っています。
 
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パトロールの様子

今年の赤岳の紅葉について

赤岳ではナナカマドやダケカンバ、ミネカエデなどが色づき、山肌を赤や黄色に染め上げていました。初めて見る大雪山の紅葉は、雄大な景色の中に広がる天然の絨毯のようで、その鮮やかさに思わず足を止めて見入ってしまいます。
 
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奥の平からの眺め
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見晴台からの眺め
パークボランティアの方によると、夏の暑さのせいか今年は紅葉する前に枯れてしまう葉が多いとのこと。たしかに、本来真っ赤に紅葉するはずのウラシマツツジの葉が今年はいたるところで茶色く枯れていました。これが一面真っ赤に紅葉している様子を想像するとどんなに綺麗なのか、、、来年に期待です!
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左手前のウラシマツツジが本来の紅葉した姿。右側は茶色く枯れてしまっている。
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紅葉したウラシマツツジ
そして、活動中しばしば見られたのがシマリスです。下の写真はお日さまで温められた岩の上で日向ぼっこ中の様子。普段動きが俊敏なシマリスですが、岩の上が気持ちよかったのか、5秒ほど佇んでいまいた。
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シマリス
11月に入り層雲峡など赤岳の麓も銀世界になりつつありますが、今年赤岳の紅葉を見られなかったという方、大雪山では多くの紅葉の名所が人々の努力により守られていますので、御都合の良いときにお気に入りのスポットを見つけに来てください。お待ちしております!

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