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北海道地方環境事務所

アクティブ・レンジャー日記 [北海道地区]

原始ヶ原とヒグマ 2

2025年10月30日
東川 渡邉 あゆみ
こんにちは、東川管理官事務所の渡邉です。
10月9日に初冠雪を観測した旭岳。それ以降、寒々しくどんよりした天気が続いていましたが、一昨日平地にもいきなり冬がやってきて一面雪化粧となりました。
冬好きなので、雪はまだかとヤキモキするよりは良いのですが、まだ体も頭も準備ができていない!
自宅の畑の片づけもまだなので、焦っております。皆さん、冬を迎える準備はできていますか?
 
大雪山では夏山の入山者数を把握するために、6月~10月上旬まで各登山口にカウンターやトレイルカメラを設置しています。
夏山シーズンが終わったら、それらのデータ集計・解析を行うのですが、富良野市原始ヶ原登山口に設置していたトレイルカメラに今年はヒグマが5回写っていました。
 
以前にも、原始ヶ原で撮影されたヒグマを紹介した日記を書いたことがありますが、これまでヒグマがトレイルカメラに写るのは夜のみで、1シーズンに1~2回記録される程度、令和5年、令和6年はヒグマの撮影は0枚だったのですが、今年は朝にも写っており、過去最多数の記録となりました。
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6月2日 17:05 子グマ?
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6月26日 6:14 成獣
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7月2日 19:28 
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9月18日 7:30 子グマ?
ヒグマが写った30分後に登山者が歩いているニアミスな記録もあったので、ヒグマ除けの鈴やスプレーの携行をおススメします。
私も歩き慣れている場所ですが、今回の記録を見て改めて身が引き締まりました。

 
原始ヶ原で撮影されたヒグマは少なくとも2頭の個体識別ができました。
全道的に増えているヒグマですが、大雪山に生息するヒグマの密度も気になります。

 
今年8月の早朝、美瑛富士の登山口でも約5m程の近距離でヒグマに遭遇しました。
ヒグマは笹薮をガサガサと歩いていて私の存在には気づいていないようでした。私もシカかと思い、様子を伺っていましたが、目の前の笹薮の間から丸い耳と額が見えたので、声を出すと、一目散に踵を返して笹薮に逃げ込んでくれる健全な個体だったので一安心。
あの丸い耳と額は今も目に焼き付いています。

私が美瑛富士でヒグマに遭遇した同日のほぼ同時刻に、その個体と思われるヒグマが美瑛富士のトレイルカメラにも写っていました。

どんぐりの凶作と言われる今年。
長い長い冬を越すために、あの大きな体には何個のどんぐりが必要なのでしょうか。
好きな言葉に「どんぐり豊作」が加わりました。

アクティブレンジャー写真展~北の自然の舞台裏~

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