アクティブ・レンジャー日記 [北海道地区]
樽前山の外来コマクサ
2023年06月27日
支笏湖
山の中央にぽこんと突き出た溶岩ドームが特徴的な樽前山。
この山では毎年、とある外来植物の除去活動を続けています。
それがコマクサです。
昭和61年に人の手で植えられて以来、樽前山に定着してしまった外来のコマクサ。
在来種であるイワブクロの生育場所を奪ってしまう恐れがあります。
左がコマクサ、右がイワブクロ
イワブクロは、タルマイソウ(樽前草)の別名を持つ樽前山を代表する植物。
コマクサ自体には何の罪もありませんが、樽前山の本来の植生を守るため、
今年も協力者とともに除去活動を行いました。
ところで、この時期、樽前山では野鳥の賑やかなさえずりが楽しめます。
鳴き声が聞こえる中、今回、姿を見つけたのはヒバリでした。
よく見ると、くちばしに何かをくわえています。
どうやら植物の枝(か根)のようです。
巣の材料にするために集めているのでしょう。
植物が少ない頂上付近では、材料集めにも苦労しそうです。
普段は近くで見られない野鳥の暮らしを垣間見ることができました。
話はコマクサへ戻りますが、
樽前山でコマクサを見つけた時は、近づかないようにお願いします。
急斜面であったり高温の噴気が出ていたりするような危険な場所にあることに加え、コマクサ以外の植物が踏み荒らされてしまうためです。
樽前山にお越しの際は、樽前山の景観を楽しみながら、さらに外来植物の問題にも気づいて頂ければと思います。
(支笏湖アクティブ・レンジャー/阿部)