アクティブ・レンジャー日記 [北海道地区]
えりもの乗船調査
2023年06月29日
えりも自然保護官事務所
こんにちは。えりも自然保護官事務所 アクティブ・レンジャーの竹村風力です。
ここでは、5・6月に行われるサケ・マス春定置網漁への乗船調査を行っております。襟裳岬に定住するゼニガタアザラシが漁業へもたらす被害についての調査です。
漁は早朝に行われるため、毎朝4時台に事務所で支度を始める必要があります。そのため、漁期が始まり生活のリズムが大きく変わりました。2ヶ月ほどたった今でも、時間感覚の乱れを覚えます。漁期が始まった5月の頭はまだ夜と言って良いほどの暗さでした。上の写真は海中を撮影するカメラや、調査用紙などの乗船調査に必要な物を車に乗せた所です。
乗船調査中に撮影したこの写真は定置網を引き上げているところで、網の中にはサケ・マスだけでなくスケトウダラやソウハチガレイなどといった他の魚が入っています。
ここではアザラシは、トッカリと呼ばれています。かれらがもたらす漁業被害のことを「トッカリ食い」と呼びます。写真のように、頭だけが食われている、または体に引っ掻き傷があるものです。私達は被害の状況把握のために、獲れた全体のサケ・マスの数と、トッカリ食いのサケ・マスの数とを記録しています。また、ゼニガタアザラシが来遊したときに網などに施した被害対策がうまくいっているかどうか調べるため、海中にカメラを仕掛けて確認しています。
この写真は、網にからまった魚で、「目掛かり(めがかり)」と呼ばれます。網を引き上げるときには弱っているので、ほとんど死んでしまっています。
私はまだまだ分からないことや覚えなければならないことが多いので、日々新しいことを吸収していきたいです。