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北海道地方環境事務所

アクティブ・レンジャー日記 [北海道地区]

礼文島の外来植物除去活動をおこないました

2023年09月12日
稚内 後澤 宏文
【礼文島 外来植物を除去しました!】 

 こんにちは! 礼文島担当のAR後澤です。

 8月16日に,礼文島ARに着任して初めて外来植物を除去する活動をしました。
 花の浮島礼文島にも,たくさんの外来植物が見られます。それらは分布を広げる力が強く,広がることによって,元々島にあった植物の生育地を奪ったり,島の生態系を変えてしまったりすると考えられます。そうなる前に除去を行い,島の生物多様性を維持していこうと,礼文町やボランティアによる努力が続けられています。

 今回は,パークボランティアの活動として,希少種レブンアツモリソウの自生地に侵入する恐れのあるノラニンジンやアメリカオニアザミを除去しました。天気予報では曇りでしたが,朝から雨が降り続き,開始時刻になっても激しい雨。でもせっかく集合したのだからということで,雨の中カッパを着て活動を開始しました。
 
 雨は辛かったですが,始めてしまえばそれほど苦にもならず,約1時間,予定区域のノラニンジンとアメリカオニアザミを全て除去することができました。除去した植物が大量なので,花や実の部分だけを切って焼却することになりました。その部分だけでも4~5㎏になりました。

 大きく成長したアメリカオニアザミの根元には,島在来のキタノコギリソウが埋もれるようにひっそりと花を咲かせていました 。除去後は広い空間が開けて,何だか喜んでいるようにも感じました。
 
 外来植物といえども野草の仲間,美しい花を咲かせるものも多く,除去することは心が痛みます。作業後に,別の場所に外来種のオオハンゴンソウが1株発見されたとのことから,帰路途中で除去をしましたが,その区域で1本だけと思われるオオハンゴンソウを抜く時,少しかわいそうな気がしました。しかし,お隣の利尻島では推定で300万本にも増えたオオハンゴンソウが大きな問題となっています。湿原を覆い尽くしてしまったオオハンゴンソウの群落や,先ほど見かけたアメリカオニアザミの根元のキタノコギリソウのことを思い,除去を行いました。もともとは人間の都合で持ち込まれた外来植物も多いのです。まずは,「持ち込まない」ことの重要性を痛感しました。