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北海道地方環境事務所

アクティブ・レンジャー日記 [北海道地区]

返り咲き…

2023年09月13日
稚内 後澤 宏文
【返り咲き…】
 
 こんにちは! 礼文島担当のAR後澤です。
 
 9月の礼文島を歩いていて,本来は春に咲くはずの花々に出会いました。秋口になると,草原を埋め尽くしていた背の高い夏の花々が枯れ始め,再び地面に日光が届いて,ちょうど春先のような環境が戻ってきます。そんなときに,春が来たと勘違いしてか,あるいは花を咲かせるチャンスを逃すまいとしてか,季節違いの花を咲かせることがあります。これを「返り咲き」とか「返り花」などと呼んでいます。出会った返り花を4つご紹介します。
 
《ミヤマキンポウゲ》
 草丈は10㎝ほどで,春と比べるとずいぶん低いです。大急ぎで花を咲かせたようです。
 
《カラフトハナシノブ》
 北海道にのみ咲くハナシノブで,8月に北海道に来た私にとっては初めての出会いでした。1株だけでしたが嬉しかったです。花序が詰まるものはレブンハナシノブという品種に区別されています。6月~7月の最盛期に花を沢山つけた姿を見たいです。
 
《チシマフウロ》
 北海道~東北に見られる花で,以前に鳥海山で出会った記憶があります。これも1株だけ見つけました。7月~8月の最盛期には,一面に咲くそうです。
 
《キジムシロ》
 地面にはり付くように咲いていました。本州でも秋に返り咲きを見かけます。再び葉を広げられて喜んでいるようです。
 
 「返り咲き」には「一度衰えたもの,一度その地位を失った者などが,再びもとの状態に戻って勢いを得ること」という意味もあります。私もこの花たちのように,二度目の人生,美しく返り咲けるよう頑張っていきたいと思います!
 ところで,「返り咲き」には,「狂い咲き」という別の言い方があります。「狂い咲き」にだけはならないように気をつけたいです(笑)。