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北海道地方環境事務所

アクティブ・レンジャー日記 [北海道地区]

北海道東トレイル ~ ARトレイル日記④ 滝口線を歩く(時速4kmの阿寒湖セクション) ~

2026年01月16日
阿寒湖 熊野直紀
こんにちは、阿寒摩周国立公園(阿寒湖管理官事務所)アクティブレンジャー(AR)の熊野です。

自転車推奨の阿寒横断セクションですが、

今回はその中から、おすすめのハイキングルートをお届けいたします。

そのルートがこちらです。

  #   #
【‐出典:国土地理院撮影の空中写真(2024年撮影)‐】
「滝口」と名の付く「雄阿寒岳」の麓から、森を抜けて「阿寒湖」を眺めながら歩き、

時折「雄阿寒岳」を見上げつつ阿寒湖温泉街へと続く、阿寒湖畔を満喫するコースになります。

多少アップダウンと距離がありますが、あずましい散歩道です。


「日本最大のカルデラ地形、火山・森・湖が織りなす広大な景観」が物語となる阿寒摩周国立公園、

この区間は「ぎゅっ」とコンテンツが揃っているのでアクティブにお急ぎで楽しみたい方にはいい場所かも。

◆ 森へin!

それでは、
本日の出発地の紹介になります。
ご覧ください。
【 ‐ カツラ ‐ 】
滝口では立派なカツラ(Cercidiphyllum japonicum)の木が最初に迎えてくれます。
ARが全力でその見事さを伝えようとしてくれているのですが、伝わりますでしょうか。
 
この日は夏終わりだったのですが、
もうちょっと秋めいてきたタイミングで再訪したいスポット。

だってたまらなく甘々な香しさに包まれたい。
カツラ様のお膝元では森の中のお菓子工場にいる気分になれます。
 
カツラの名は「香出(かづ)」が由来、「かおりいづる」のカツラの木という説が有名です。
所説あるようですが、この説も間違ってないよなぁと思います。

黄葉落葉が近づくと、綿菓子のようなキャラメルのような匂いを漂わせてくれるので。
 
【 ‐ 今日の出発地 ‐ 】
【 ‐ 阿寒湖@滝口 ‐ 】
そしてこの風景(曇りでも伝われこの空気感!)。

滝口の阿寒湖、表情の豊かさを想像させてくれる景色です。

春夏秋冬、定期的に様子を伺いにきたくなってしまいます。
 
あ、まずい、歩く前に時間を使いすぎている気がする。

それではトレイルハイク、行ってきます!
 
【 ‐ 最初はマツたちに囲まれながら ‐ 】
森をずんずん歩きます。

ずんずんとはいいつつも、

各々がいろいろと見つけては立ち止まり、

気になっては立ち止まりの、

必然的にゆっくりの行程。
 
【 ‐ 蘚苔類がわさわさと ‐ 】
【 ‐ にょきにょき菌類 ‐ 】
【 ‐ ぷくぷく菌類 ‐ 】
【 ‐ 羽、見っけ、アカゲラかなぁ ‐ 】
【 ‐ 樹冠を ‐ 】
【 ‐ 見上げてみたり ‐ 】
連れ立って森を歩くとなお面白いもので、

樹上ばかり見上げていたり、林床をキョロキョロしていたり、樹種や地形を眺めていたり、

鳥目線、虫目線、動物目線、植物目線、菌目線、魚目線、地学目線、etc…、

視線の先の解像度は何が主の人かで異なっていて、

...けれどもすべては繋がっていて。
                         
 
ユクスキュル(Jakob Johann Baron von Uexküll)氏の提示した「環世界」がふと思い出されつつ、

お互いの視点を共有し合えている様子を眺めながら、

「豊かな世界」について思いを巡らす、


そう、豊かな「森」ではいろんな生き物(我々含)が活動している。
●●
 
【 ‐ 調査モードを挟んだり ‐ 】
【 ‐ 埋もれてたトリカブトを覗いたり ‐ 】
【 ‐ 野鳥の痕跡を記録したり ‐ 】
【 ‐ 色と言えばのセンチコガネ ‐ 】
【 ‐ 倒木更新を眺めたり ‐ 】
【 ‐ ヒメオオクワガタ手に乗せて ‐ 】

◆ 湖畔沿いに!


さて、滝口線は「森」寄りと「湖畔」寄りを行ったり来たりするトレイルになっています。

トレイルが最初の湖畔側に出ると、たまたま観光汽船が滝口方面へ向かっていくところでした。

「お!」っとすかさずカメラを向けて写真を撮ります。

青空の日には聳える雄阿寒岳も拝めるのですが、今日は裾しか見えない感じ…。
 
【 ‐ 雄阿寒岳...今日は曇っている ‐ 】
【 ‐ カメラを置いて…しばし休憩 ‐ 】
その場で小休止していると、

それほど間を置かずに、滝口からUターンする観光汽船が姿をあらわしました。

手を振ってみる東トレイルAR勢。

船上から手を振り返してくれているのが見えて嬉しい。
 
【 ‐ Interactive communication ‐ 】
そして湖畔のトレイルを進む。
【 ‐ 木道と湖畔 ‐ 】
【 ‐ 森と湖畔を行ったり来たり ‐ 】
そうこうしているうちに、温泉を感じるエリアまで来ていました。

こちらのスポット、どうやら釣り人には有名らしく、

触ってみればの熱湯です。

ここまで来たら温泉街まであと少し!
 
【 ‐ 温泉湧きだしスポット ‐ 】
【 ‐ 触れられないくらい熱っつい ‐ 】
そして長かった滝口線のエンド。

歩き切るとなかなか達成感のあるハイクでした。
 
【 ‐ 滝口線を抜けました ‐ 】
滝口線を抜けきって、

阿寒湖と言えばのボッケ(泥火山)まで到着。

ここでしばしボッケの癒し音に聴き入ります。

ずっと聞いていられる音なんですよね、ボッケ。

「ここにPCを持ってこようか」なんて会話も生まれたりします。
 
【 ‐ ボッケに到着 ‐ 】
【 ‐ 阿寒湖を眺める ‐ 】
【 ‐ ビジターセンターに続く遊歩道 ‐ 】

◆ 阿寒湖温泉街

ボッケ遊歩道を経て、

ようやく阿寒湖温泉街まで辿り着きます。

「マリモ」のそばで歴史を重ねてきた阿寒湖温泉。

街は「まりも」に溢れています。
 
【 ‐ 見上げてもまりも ‐ 】
【 ‐ 観光案内所も備える「まりむ館」 ‐ 】
【 ‐ まりも足湯 ‐ 】
木彫りのお土産でも有名な阿寒湖温泉ですが、

商店街の風景も独特な空気があります。

こんなにも空間が木彫りで満たされる環境はちょっと類を見ない気がします。


そしてなんと、、、

本日のメンバーには子どもの頃からお気に入りの店があるというARがいました!

何度も利用しているというだけあって、こなれた雰囲気が滲み出ています。
 
【 ‐ 商店街を歩く ‐ 】
【 ‐ 玄人感! ‐ 】
【 ‐ びっしり店先まで ‐ 】
商店街の終点まで来て本日の予定は達成、

これにて阿寒湖畔ビジターセンターにもどります。

もちろんビジターセンターを訪れた際には、

ぜひ「マリモ」を見学しにいってください。

!「マリモと阿寒湖はセットです」!
 
【 ‐ 阿寒湖畔ビジターセンター ‐ 】
【 ‐ 特別天然記念物のマリモ ‐ 】
それでは本日の東トレイル日記はここまで。

これから実際にトレイルを歩かれる方、ぜひ阿寒湖温泉にもひたって体を労わってくださいね。

したっけまた。

 
阿寒湖管理官事務所 熊野

<北海道東トレイル憲章>
この道は 道東の多彩で多様な風景と風土を楽しむ道
この道は 人と自然のあるべき関係を考える学びの道
この道は この土地の自然・歴史・文化を敬い尊ぶ道
この道は たぐいまれな道東の豊かさを未来へ繋ぐ道
この道は 地域の人々とハイカーがこころを重ねる道
この道は ここに関わるすべての仲間が共に育てる道


 
(※本日記は2025年8月29日にハイクした際の記事です。冬季閉鎖等をはじめ、最新情報をご確認の上でお出かけください。)