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北海道地方環境事務所

アクティブ・レンジャー日記 [北海道地区]

通行止め散策路の調査

2023年12月11日
支笏湖 阿部万純
こんにちは。
支笏洞爺国立公園管理事務所のアクティブ・レンジャー阿部です。
支笏湖周辺では11月中旬から気温の低い日が続き、山々はすっかり雪化粧をしました。

そんな折、休暇村支笏湖からモラップキャンプ場の間を繋いでいる自然散策路(現在は土砂崩れにより通行止め)の調査を行いました。
この散策路は「自然研究路」と「野鳥の森」で構成されています。
国立公園の自然とふれあえる貴重なルートのため、雪が降る前に当所と管理者で状況調査をすることになりました。
今回はその際の様子を紹介しようと思います。

支笏湖から吹き付ける強風で寒さが一段と身に染みる中、モラップキャンプ場から出発。
 
                          恵庭岳に見守られ出発

落ち葉に埋もれた道の痕跡をたどり、森の中を進みます。
土砂崩れだけでなく、落石や倒木もあり、散策路はかなり自然に還りつつある状況です。


険しい道のりに心が折れそうになってきたところで、足もとに「ナニワズ」を発見。


枯れ色の森の中で青青とした葉がよく目立ちます。
黄色い実のようなものは花芽で、この状態で冬を越し春に花を咲かせます。
もう来年の春の準備をしているのかと感心する内に、先へ進む元気がわいてきました。
 
道はいよいよ険しくなり、岩盤ごと崩れたと思われる崖のわずかな隙間を進みます。
どうやら支笏湖周辺の岩盤は、場所によって崩れやすいようです。


おそるおそる道脇の崖下をのぞくと支笏湖ブルーの美しい水面が見えます。


水の青さに感動したのも束の間、色が変化して見えるところは急激に深くなっていることを思い出し、かえって緊張してしまいました。
 
その後大きな障害は無く、無事休暇村支笏湖へたどり着くことが出来ました。
 
                    心なしか出発時よりも穏やかに見えた恵庭岳

実際に歩くことで、再整備が難しそうな部分があることが分かったほか、自然観察などに使えそうな森や施設があることを確認出来ました。
前よりもさらに支笏湖の自然を気軽に散策できるルートになるよう、様々な利用方法を考えていきたいと思います。

(支笏洞爺国立公園管理事務所/阿部万純)