北海道のアイコン

北海道地方環境事務所

アクティブ・レンジャー日記 [北海道地区]

年をかえて、季節をかえて

2023年12月27日
釧路湿原国立公園 石下亜衣紗
こんにちは!釧路湿原自然保護官事務所です。
あんなに暑い暑いと言っていたのに、あっという間に氷が張り、一面白い雪景色になりました。
 
釧路湿原国立公園では、湿原や景色の変化を記録する「定点撮影」を行なっています。
国立公園に指定された後の昭和63年から春夏秋冬の年に4回、23箇所で毎年行なっています。
撮影ポイントは日頃皆さんが訪れる湿原の名所から、こんな所あったんだ!と思うような隠れスポットまで様々です。
代替テキスト
一人で行くには心細い場所は
代替テキスト
パークボランティアの皆さんと歩いて行きます。
30年以上活躍されているボランティアさんもいるので、皆さんの方が道に詳しいこともあります。
 
定点撮影を始めてから実に35年。細岡展望台を例に湿原の変化を少しだけご紹介いたします。
代替テキスト
昭和63年(1988年)夏の細岡展望台
代替テキスト
平成10年(1998年)夏の細岡展望台。大雨が降った後のようです。
代替テキスト
平成26年(2014年)夏の細岡展望台
代替テキスト
令和5年(2023年)夏の細岡展望台
令和5年は手前の木に阻まれていますが、35年の間に河川沿いの樹木が広がり、
大きくなっている事が分かります。
 
あの時この景色を見たんだ!と懐かしく思う方もいるかもしれません。
 
年が変わればもちろんですが、季節の違いだけでも雰囲気が変わります。
細岡展望台でも
代替テキスト
令和5年(2023年)2月
代替テキスト
令和5年(2023年)5月
代替テキスト
令和5年(2023年)8月
代替テキスト
令和5年(2023年)10月
1年でこんなにも表情の違いを楽しむ事ができます。
 
細岡展望台では夏~秋の間に見通しを良くするための伐採が行なわれ、眺望が開けました。
大規模に伐採したわけではなく、最小規模の整備でしたが、国立公園指定時の写真のように
迫力ある風景を見ることが出来ます。
 
同じ場所でも、違う年、違う季節で趣が変わっています。
いつも見ている景色でも、実は毎日違って変わっていっています。1枚の風景写真でも、
あの頃はどうだったのかを知ること、本当に変化しているのかを確認するためにも、
今では手に入らない貴重な記録です。
その時、一瞬の記録をしっかりと長く残して、伝えていきたいですね。
 
みなさんも一度行ったことのある場所でも、ぜひ何度も足を運んでみてください。
新しい発見や感動があるかもしれません。