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北海道地方環境事務所

アクティブ・レンジャー日記 [北海道地区]

環境省アクティブ・レンジャー写真展 ~北の自然の舞台裏~

2024年06月01日
帯広自然保護官事務所 谷水亨

帯広自然保護官事務所 アクティブ・レンジャー 谷水 亨

貴重(蝶)

  代替えテキスト# アポイ岳 5月
アポイ岳にて 5月

ヒメチャマダラセセリは、焦げ茶に白いまだら模様がある3センチほどの蝶です。幼虫の食草であるバラ科のキンロバイに卵を産み、日本では、アポイ岳周辺に限って生息している貴重な蝶です。
この蝶は、1973年にアポイ岳で発見され、その2年後には、国の天然記念物に指定されて、生態の研究と同時に手厚い保護の歴史が続いてきました。
成虫が発生する5月から6月のお天気が良い日に、この蝶に出会えるかも知れません。
最終氷河期の後でアポイ岳にのみ残ったこの蝶が、今でもこうしてお花畑で優美に舞う姿を見ると、保護活動を続けられた方々の苦労が詰まった、生きている宝石だと感じました。

ビーナスベルト

  
浦幌町シーニックカフェ忠類にて 11月

十勝平野から眺める日高山脈は格別です。十勝平野から日高山脈の南北100km近く一望できる場所があり、初冬の朝、吐く息が白くなり始める季節になると、澄んだ空気はピリッと張り詰め、日高山脈を映し出します。そんなときに現れたのが「ビーナスベルト」と言われる自然現象です。
日の出直前、太陽とは反対側の空に現れるピンク色の帯状は日高山脈を覆いつくすかのように包み込みました。ピンク色の帯と山稜線の間にかすかな藍色の陰が見えますが、「地球影」と言われるもので、地球の影になっていてまだ太陽光が届かない場所で、やがてピンク色へと変わっていきます。
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