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北海道地方環境事務所

アクティブ・レンジャー日記 [北海道地区]

「阿寒の森を彩る植物」

2024年06月18日
阿寒湖 森竹祐
こんにちは!阿寒湖管理官事務所の森竹です。
 
5月以降一気に緑が芽吹いた阿寒の森では、草花が見頃を迎えています!
今回は、ここ1か月で確認した植物をご紹介します!

カキドオシ

紫の小さな花と波上の鋸歯がある円形の葉が特徴です。
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クルマバソウ

車輪のように見える輪生した葉が特徴で、漢字では「車葉草」と書きます。
十字の白い小さな花を咲かせます。
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ズダヤクシュ

カエデのような形の葉と、例えるなら線香花火のような小さな白い花が特徴です。
喘息の薬として利用されていたそうで、漢字では「喘息薬種」と書きます。
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ツマトリソウ

長い楕円の葉と6~7枚の花びらが特徴です。
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エゾオオサクラソウ(オオサクラソウの変種)

ピンクの花と長い茎、ハウチワカエデのような形の葉が特徴です。
国内では北海道にのみ、特に道東に多く分布しています。
道内と本州に分布しているオオサクラソウとの違いは、茎・葉柄・葉の裏に毛があることです(右写真)。
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クリンソウ

地上から上向きに伸びる鮮やかな楕円形の葉と輪生するピンクの花が特徴です。 
葉が芽吹いてから開花までには時間がかかるので、私はその間に開花前の葉(右写真)をいくつか探しておき、撮影条件が良い(他の植物に遮られたりして見えにくくない)ポイントをあらかじめ把握しておきます。
そうすることで開花時期にあちこち探し回らずに済み、開花したての綺麗な花を撮影できます。
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クシロワチガイソウ

シュッとした細い葉に小さな白い花が特徴です。
道内では主に道東を中心に分布しているようです。
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ミミコウモリ

その名の通り、葉の形がコウモリの形をしているのが特徴です。
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以上、今回は8種類の草花について紹介させていただきました。阿寒の森を訪れた際には、ぜひ探してみてください!

そのほかの見どころ~「樹木の芽吹き」

森の中を歩くと、大きな木や草花に目が行きがちですが、芽吹いたばかりの稚樹も見ることができます。
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「ミズナラ」
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「オヒョウ」
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「エゾイタヤ(イタヤカエデ)」
左から、ドングリでお馴染みの「ミズナラ」、葉が亀の手足の形に似ている「オヒョウ」、葉が対生(※)している「エゾイタヤ(イタヤカエデ)」です。
(※)対生→茎の1箇所から葉が向かい合って出ること。
 
時間をかけて大きくなった木も、最初はこんなに小さな姿からスタートしています。
初めて見たときはすごく感動しました!これも森歩きの魅力の1つだと思うので、興味がある方はぜひ探してみてください!
 
これからさらに様々な種類の植物が観察できるようになる阿寒の森。
今年も緑が深まる夏がやってきます。

散策される際のお願い

・安全のためクマ鈴・クマスプレー等を携行してください。
・植生保護のため遊歩道からはずれて歩くことはやめてください。※ササ等の植物にはマダニも潜んでいるため危険です!
・動物への餌付けや植物の採取は絶対にやめてください。