アクティブ・レンジャー日記 [北海道地区]
オロフレ山
2024年06月21日
洞爺湖
オロフレ山パトロール
パークボランティア活動の一環で、オロフレ山のパトロールに行ってきました。
オロフレ山は、室蘭登別地区の代表的な山のひとつで、作家・田中澄江のエッセイ、「新・花の百名山」でも紹介され、花の山として有名です。
なかでも、シラネアオイの群落が有名ですが、過去に盗掘被害がたびたびあったそうです。パトロールでは、盗掘の跡などは確認できず安心したものの、別の問題も見えてきました。
オロフレ山は、室蘭登別地区の代表的な山のひとつで、作家・田中澄江のエッセイ、「新・花の百名山」でも紹介され、花の山として有名です。
なかでも、シラネアオイの群落が有名ですが、過去に盗掘被害がたびたびあったそうです。パトロールでは、盗掘の跡などは確認できず安心したものの、別の問題も見えてきました。
今回はまず、パトロールと同時に、植生の調査をする中で出会ったお花たちを、紹介したいと思います。
出会ったお花たち
イワカガミ(イワウメ科) 色が濃いタイプ
イワカガミの白花もありました
スミレは3種見つけることができました。
ミヤマスミレ(スミレ科)鮮やかな紫紅色が特徴
オオタチツボスミレ(スミレ科)距(後ろの袋状のもの)の色が白く葉が円心形
ツボスミレ(スミレ科)唇弁に細かい紫のすじ 葉の先がとがった心形か腎形
ウコンウツギ(スイカズラ科)登山口近くに多かったです
フデリンドウ(リンドウ科)先が反り返ってかわいい
チシマフウロ(フウロソウ科)岩場に少しだけ
ハクサンチドリ(ラン科)数は多くないが目立ちますね
ヒメイチゲ(キンポウゲ科)特徴のある葉(3全裂)
ミツバオウレン(キンポウゲ科)葉が三つ葉ですね
シラネアオイ(キンポウゲ科)
ミツバオウレン(キンポウゲ科)葉が三つ葉ですね
シラネアオイ(キンポウゲ科)
別の問題
シラネアオイの群落が有名なオロフレ山ですが、この日は毎年登っている方も、花の数が少なく感じたようです。よく目を凝らしてみると、至るところにシカの踏み跡(シカ道)ができていて、シカによる食痕が多数確認できました。シカは、シラネアオイを好んで食べているようです。道内の他の山でも、高山植物のシカによる食害が深刻だと聞きます。シラネアオイが少ない原因がわかって納得できた反面、オロフレ山のシラネアオイが今後どうなっていくのか、不安になるところです。今後も、観察していこうと思います。
シカ道があちこちに
よく見るとシカによる食痕が
シカの食痕は切断面がきれいで繊維が出ません
ちなみにクマの食痕は引きちぎったように切断面に繊維が飛び出ます
それでも良い山
オロフレ山は標高1230.8mでありながら、登山口が標高930mにあり、頂上までの標高差がわずか300mしかなく、片道2.5km、標準コースタイム登り1時間半、下り1時間という手頃な山です。
この短い行程の中で、多様な高山植物を見ることができ、羊蹄山や洞爺湖・倶多楽湖といった景色のバリエーションも楽しむことができます。一度訪れたらまた訪れたくなる、素晴らしい山だと思います。最近では、雲海の名所としても認知されてきています。
ぜひ、花の名山オロフレ山に、足を運んでいただきたいと思います。
※安全な登山には、十分な準備が必要です。
入山する際には、
○複数人で登る
○クマ鈴やクマスプレーなどの対策
○防寒・雨などの対策
○熱中症対策
など万全を期して登っていただきたいと思います。
この短い行程の中で、多様な高山植物を見ることができ、羊蹄山や洞爺湖・倶多楽湖といった景色のバリエーションも楽しむことができます。一度訪れたらまた訪れたくなる、素晴らしい山だと思います。最近では、雲海の名所としても認知されてきています。
ぜひ、花の名山オロフレ山に、足を運んでいただきたいと思います。
※安全な登山には、十分な準備が必要です。
入山する際には、
○複数人で登る
○クマ鈴やクマスプレーなどの対策
○防寒・雨などの対策
○熱中症対策
など万全を期して登っていただきたいと思います。