
アクティブ・レンジャー日記 [北海道地区]
「 雨の森のガイド ~ 空の滴ふるふる阿寒湖 ~ 」
2025年08月31日
阿寒湖
アメノモリ
長い陽が去ってしまった。
なんだか雨天の目立つ夏だったように思う。
週間・月間の天気予報を眺めながら、
" 傘マークの方が多いんだけどさ,," と日々事務所で呟いていた気がする。
だがしかし、これは暗い日記ではなく、
阿寒湖はそんな青傘印だらけでも、貴重で魅力的な場所だと記録しておきたく書いている。
「 雨の森 をご存じですか?」
仕事や研究で森に関わる人や、多分にアウトドア活動が好きな人でもない限り、あまり経験したことのない世界かもしれません。
気が進みませんね…、雨の日の外出となると。
でもですね、
実は大雨でもない森の中では、
不思議と逆に明るく感じることもあったり、
晴れの森よりも森の住民たちがとても鮮やかだったりで、
適切な装備で歩く場合には一寸新鮮な側面もあり、
そこでは雨の時にだけ出会える世界が広がっています。
仕事や研究で森に関わる人や、多分にアウトドア活動が好きな人でもない限り、あまり経験したことのない世界かもしれません。
気が進みませんね…、雨の日の外出となると。
でもですね、
実は大雨でもない森の中では、
不思議と逆に明るく感じることもあったり、
晴れの森よりも森の住民たちがとても鮮やかだったりで、
適切な装備で歩く場合には一寸新鮮な側面もあり、
そこでは雨の時にだけ出会える世界が広がっています。
では、一緒に森に入ってみましょうか。
阿寒湖の魅力の一つとして、登山までせずとも豊かな「森」に触れることができる恵まれた環境が挙げられると思います。
(*当然ながら雨の「山」については私も極力入りません、安全が確保しづらいので…)
阿寒湖の魅力の一つとして、登山までせずとも豊かな「森」に触れることができる恵まれた環境が挙げられると思います。
(*当然ながら雨の「山」については私も極力入りません、安全が確保しづらいので…)
なんと言っても阿寒湖畔ですが、
平地移動で森と湖が満喫できますし(ボッケ遊歩道・湖のこみち)←【ポイントです】、
拠点となるビジターセンターにも退避しやすく←【嬉大事!】、
満喫したのちは温泉に入ることもできます←【これは魅力?】。
平地移動で森と湖が満喫できますし(ボッケ遊歩道・湖のこみち)←【ポイントです】、
拠点となるビジターセンターにも退避しやすく←【嬉大事!】、
満喫したのちは温泉に入ることもできます←【これは魅力?】。
リンナイウ
「林内雨」。
耳慣れないと思われますが、こんな単語があります。
周辺のコムズカシイ用語たち(樹冠通過雨とか、樹冠滴下雨とか、~とか)はとりあえず置いておいて、
字面のとおり森の中で落ちてくる雨のこと、と思ってもらえれば充分です。
いまここで打たれている雨、これがまさに林内雨です。
ここでちょっとイメージしてみてもらえますか?
「空からの雨粒になったつもりで、枝葉へキャッチされてみましょう。」
〇
〇 〇 〇
〇 〇
〇
〇 〇
〇
樹木も含め生物の形態はよくできていて、
木々はその体の総てを駆使して水を集めています。
視点を移しますね、
「空からの雨粒になったつもりで、枝葉へキャッチされてみましょう。」
〇
〇 〇 〇
〇 〇
〇
〇 〇
〇
樹木も含め生物の形態はよくできていて、
木々はその体の総てを駆使して水を集めています。
葉で受け止めた雨滴は ワンクッション置いて足元へ回収し(土壌をえぐらせず)、
枝梢で受け止めた雨滴は 幹へつたわせ我が根本へと運び(樹下へ流し込み)、
霧の水滴を付着させ 時間をかけて地面に降ろしていきます。
そういう眼で眺めると、その姿に惚れ惚れしてきませんか?
枝梢で受け止めた雨滴は 幹へつたわせ我が根本へと運び(樹下へ流し込み)、
霧の水滴を付着させ 時間をかけて地面に降ろしていきます。
そういう眼で眺めると、その姿に惚れ惚れしてきませんか?
さて、この林内雨ですけれど、雨が止んでも降っていたりします。
「?」と思いました?
いえいえ、木々は滴を全身でキャッチしたままですから、つまりはそういうことなのです。
森の 外 では雨が止んでいるのに、
森の 中 だけ雨が降っているという現象がここでは起きています。
なんだか不思議な感じがしますね。
「?」と思いました?
いえいえ、木々は滴を全身でキャッチしたままですから、つまりはそういうことなのです。
森の 外 では雨が止んでいるのに、
森の 中 だけ雨が降っているという現象がここでは起きています。
なんだか不思議な感じがしますね。
ちなみに雨が降っているとき、、、
みなさんには普段どんな音が聞こえているでしょう?
雨音というと、日本で育った方なら “パラパラ” や “ザーザー” が身近でしょうか。
“シトシト” なんて擬音もあったりしますよね。
屋内にいるときは “ペチペチ” 聞こえたりする気もします。
一方で、
雨後の林内雨になると 包み込まれる音も 幾分異なる感触で、
個人的には “バラバラ” や “ボタボタ” という印象に近い気がしています。
雨粒の大きさ等も影響していますが、
そのリズム感も 拍 が変わって独特なものです。
みなさんには普段どんな音が聞こえているでしょう?
雨音というと、日本で育った方なら “パラパラ” や “ザーザー” が身近でしょうか。
“シトシト” なんて擬音もあったりしますよね。
屋内にいるときは “ペチペチ” 聞こえたりする気もします。
一方で、
雨後の林内雨になると 包み込まれる音も 幾分異なる感触で、
個人的には “バラバラ” や “ボタボタ” という印象に近い気がしています。
雨粒の大きさ等も影響していますが、
そのリズム感も 拍 が変わって独特なものです。
ヒカリトシズク
そして、、、なのですが、
この瞬間的に晴れ上がった直後の、光と滴の森 が最高に綺麗だったりします。
反転の空 に 鮮やぐ濡葉
きらめき 止まぬ 雨雫 とともに 音の滴 は 降り続き
この燦爛と きらきら ふるふる 森の一瞬
偶然でもいいので あなたに出会ってみてほしい 瞬間 です
きらめき 止まぬ 雨雫 とともに 音の滴 は 降り続き
この燦爛と きらきら ふるふる 森の一瞬
偶然でもいいので あなたに出会ってみてほしい 瞬間 です
雨の中なので ちょっと歩き疲れましたね。
キラキラ な 森の最後 に、
ふと思い出してしまう 有名な詩の冒頭だけご紹介して、
今日のガイドはここまでにします。
温かいお風呂が待っています。
阿寒湖管理官事務所 熊野
キラキラ な 森の最後 に、
ふと思い出してしまう 有名な詩の冒頭だけご紹介して、
今日のガイドはここまでにします。
温かいお風呂が待っています。
阿寒湖管理官事務所 熊野
“Shirokanipe ranran pishkan, Konkanipe ranran pishkan.”
“シロカニペ ランラン ピシカン、コンカニペ ランラン ピシカン。”
“銀の滴降る降るまわりに、金の滴降る降るまわりに。”
“シロカニペ ランラン ピシカン、コンカニペ ランラン ピシカン。”
“銀の滴降る降るまわりに、金の滴降る降るまわりに。”
~『知里幸恵 編訳 アイヌ神謡集』より~