アクティブ・レンジャー日記 [北海道地区]
ポン山・姫沼コースの巡視を行ってきました
2024年07月22日
稚内
こんにちは!
稚内自然保護官事務所ARの中村です。姫沼と利尻山のふもとにある標高444mのポン山を結ぶハイキングコースの「ポン山・姫沼コース」があります。今回はこちらのコースを巡視してきました。
この日はポン山コースの分岐から姫沼に向かいました。
歩くのに支障となるササなどを刈りながら歩いて行きます。
作業中には様々な花を見ることができました。
分岐点からすぐに比較的日当たりが良さそうな場所にはシロバナニガナが咲いていました。
シロバナニガナ
林内の少し湿った所にはサイハイランが咲いていました。利尻島では林の中で普通に見ることができますが、本州では絶滅危惧種に指定している県もあります。
サイハイラン
一見すると花には見えないクルマバツクバネソウも咲いていました。ツクバネは漢字で「衝羽」と書くそうでお正月に使う羽子板の羽のことです。確かに中心の花はそっくりな形をしています。
クルマバツクバネソウ
足下をよく見るとコイチヤクソウが咲いていました。最初はマイヅルソウかと思いましたが、よく見ると葉の形と花の付き方が違っていました。
コイチヤクソウ
花をつけている時期のマイヅルソウ(5月頃)
マイヅルソウは花の時期は終わってしまい実をつけていました。実は秋にかけてだんだんと赤く熟していきます。
実をつけたマイヅルソウ
コイチヤクソウの近くにはウメガサソウも咲いていました。
ウメガサソウ
ほかにはギョウジャニンニクも花を咲かせていました。北海道内ではアイヌネギという名称でも呼ばれており、食用として親しまれています。花を見てみるとネギ坊主といわれるネギの花によく似ており、昔の人もこの花を見て、アイヌネギと名付けたのかなと想像してしまいます。
自分も食べたことはありますが、ネギというよりはニラに近い味がします。とても、美味しく、魅力的な山菜ですが、国立公園内なので採取したい気持ちをぐっとこらえて先に進みます。皆さまも綺麗な花や山菜だからといって、国立公園内では動植物を採らない(獲らない)ようにお願いします。
ギョウジャニンニク
最後は姫沼に到着して作業完了しました。
片道おおよそ2時間半、歩きごたえのあるコースになっています。足もとが滑りやすくなっていますので、登山靴など足回りはきちんとした装備で歩くことをおすすめします。
また、途中で涸れ沢を4つ(今は水はありません)越えますが滑りやすいので注意してください。涸れ沢沿いに進んで遭難してしまったという事故も起きています。現在はロープを張っていますので、ロープより先に進まないようにしてください。