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北海道地方環境事務所

アクティブ・レンジャー日記 [北海道地区]

ひろげよう シマフクロウの環 一歩先へ セミナー報告

2024年07月26日
苫小牧 大久保 智子
こんにちは、大久保です。
先日6月29日にウトナイ湖野生鳥獣保護センターでシマフクロウセミナー「ひろげよう シマフクロウの環 一歩先へ」を開催しました。

シマフクロウのこと、多くの人に知ってもらいたいけれど、知ることによって興味がわき、より会いたい気持ちを高めさせてしまい、生息地などに押し寄せシマフクロウにストレスを与えたらどうしようと、いつももどかしく思っていました。
 
でも生息数も増えつつある今だからこそ、生態とか生息環境などについて正しい情報を知ってもらった方がいいだろうと思って企画したセミナーで、シマフクロウ環境研究会代表の竹中健さんを講師にお招きし、当日は40名近くの参加者にお集まりいただきました。


 
セミナーでは、シマフクロウの生態の話や、研究者始め関係者の努力で生息環境を整えてシマフクロウの生息数が回復してきていることなどをお話し頂きました。中でもシマフクロウの夫婦(つがい)や子どもの話、子どもが親元を離れ新たな生息地を探す話などは、調査研究をしてきたからこそわかる話でそれを分かりやすく面白くお話しいただいて参加者の興味をひきつけました。そして、最近、快適な場所を求めウトナイ湖や札幌の近くを飛んできた個体がいたという話には釘付けになりました。残念ながら周辺での定着までには至らなかったようですが、住みやすい環境さえあれば、もしかしたらもしかするかも・・・、セミナールームの中が期待や希望で輝いているように思えました。
*だからといって勝手に巣箱を設置したりエサをあげたりはしないでください。
 
長年シマフクロウの保護活動にご尽力されている研究者の生の声は、臨場感あふれ参加者の心に響き、保全や保護についても関心が高まったように思います。




 
シマフクロウファンを増やすため、今後も普及啓発に力を入れていく予定です。
みんなで協力し合い、シマフクロウの暮らしを静かに見守り、住みやすい環境を整えて、北海道中にシマフクロウの鳴き声が聞こえるようになればいいなと思っています。



 
森に響き渡る荘厳なシマフクロウの声を聞きながら眠りにつくなんてステキすぎませんか。
そんな暮らしを夢見ています。