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北海道地方環境事務所

アクティブ・レンジャー日記 [北海道地区]

利尻山鴛泊コースの巡視を行ないました

2024年07月29日
稚内 中村一貴
こんにちは!
稚内自然保護官事務所ARの中村です。
 
先日、沓形コースの巡視を行いましたが、今回は鴛泊コースを登ってきましたのでその様子を皆様にお伝えします。難所の多い沓形コースに比べて鴛泊コースは登りやすく初めて利尻山に登る人はこちらのコースがおすすめです。
ただ、どちらもコースタイムは往復1 0時間程度なので、一便のフェリーが到着してからの登山や、十分な計画を立てずにスニーカーなど軽装での登山は控えるようにお願いします。特に夏場は、熱中症の危険もありますので、十分な飲料を持って登山するようにしてください(私はいつも水を4L持って登ります)。
 
7月になり山の様子も前回登った時から大分変わってきました。登り始めるとすぐにミヤマアキノキリンソウが咲いていました。利尻山では6合目あたりから山頂付近まで広い範囲で見ることができます。
 

ミヤマアキノキリンソウ

足下にはコケモモが可愛らしい花を咲かせていました。
 

コケモモ

8.5合目の避難小屋付近ではエゾノマルバシモツケが咲いていました。小さくて目立ちづらいですが近づくといい匂いがします。
 

エゾノマルバシモツケ

ピンク色の猫じゃらしのようなイブキトラノオも咲いていました。特に9合目はまとまって生えているのを見ることができます。


イブキトラノオ

更に山頂に向かうと今年もリシリヒナゲシが花を咲かせていました。リシリヒナゲシは名前の通り利尻山でしか見ることかできない固有種になります。


リシリヒナゲシ

山頂近くの岩場にはエゾツツジやイワヒゲ、チシマイワブキが咲いていました。


エゾツツジ


イワヒゲ


チシマイワブキ

夏になり、花だけでなく昆虫も活気付いていました。
登山道の入り口から6合目付近まではオバボタルを良く見かけました。ホタルと言えば光る昆虫として有名ですが、残念ながらオバボタルはほとんど発光することがないそうです。
 

オバボタル

セリ科の花の上には白い模様が綺麗なカミキリムシがいました。おそらくシロトラカミキリだと思われます。


シロトラカミキリ

山頂付近には金属光沢がある緑色のハナウドゾウムシがいました。美しい体色もさることながら目がクリッとしていてとても可愛らしいです。基本的には灰色の個体を良く見かけますが利尻山の標高の高い箇所では緑色の強い個体が多い気がします。


ハナウドゾウムシ

今後も定期的に利尻山の様子をお伝えできればと思います。引き続きどうぞよろしくお願いします!