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北海道地方環境事務所

アクティブ・レンジャー日記 [北海道地区]

花咲く礼文島 ~7月下旬~

2024年08月06日
稚内 後澤 宏文
 こんにちは! 礼文島担当ARの後澤です。
 7月下旬,礼文島の花の景色も大きく変わってきました。
 まずは,レブンウスユキソウの様子から…。
 つぼみから現在までを振り返ってみました。
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①6月23日
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②7月6日
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③7月18日
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④7月28日
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⑤7月6日,②の右上の花
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⑥7月18日,③の右下の花
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⑦7月28日,④の右上の花
 ①~⑦は,ウスユキソウ群生地の同じ場所で撮ったものです。
 ①つぼみの状態で,まだ包葉(白い花びらのように見える葉)も開いていません。
 ②⑤開花の第1段階,中央の頭花(小さな花の集まり)のみが開花し,包葉は星形に広がり始めました。
  黄色く見えているのが雌花です。
  よく見ると,雌花は頭花の周辺部にあります。
  中央部は両性花で結実しないそうです。 
 ③⑥開花の第2段階,周囲の頭花が開花し,包葉も広がりました。
  中央の頭花は咲き終わり,茶色く目立たなくなっています。
 ④⑦開花の第3段階,更に外側の頭花が開花し,包葉も更に広がりました。
  咲き終わった頭花が茶色く目立ち,包葉も広がることで白色が薄れ,開花期の終わりを感じます。
 このようにウスユキソウは外側に向かって順に開花していくことにより,約3週間にわたって咲き続けました。

 他に見られた植物もご紹介します。
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⑧リシリソウ
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⑨リシリソウの花のアップ
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⑩リシリソウとレブンウスユキソウ
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⑪ウメガサソウ
 ⑧⑨リシリソウは,日本国内では利尻島と礼文島の2島だけに咲く花です。
  利尻島では希だそうですが,礼文島では歩道沿いにたくさん見られました。
 ⑩リシリソウとレブンウスユキソウが隣り合って咲いていました。
  利尻と礼文のツーショットが撮れて嬉しかったです。
 ⑪ウメガサソウは,うす暗い林内で梅の花に似た花を下向きに咲かせていました。
  梅の下向き=梅笠(ウメガサ)と覚えます。
  ちなみに梅の上向き=梅鉢(ウメバチ)で,⑭に写真を載せています。

 
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⑫シオガマギク
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⑬エゾアカバナ
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⑭ウメバチソウ
 ⑫シオガマギクは,上から見ると花が渦を巻くように咲くので面白いです。
 ⑬アカバナの仲間は区別が難しいですが,このエゾアカバナは写真のように
  雌しべの柱頭が4つに分裂しているので見分けやすいです。
 ⑭ウメバチソウが咲き始めました。
  花の中が面白いのでアップで載せました。
 
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⑮ダイモンジソウ
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⑯エゾノコギリソウ
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⑰キタノコギリソウ
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⑱アキカラマツ
 ⑮5枚の白い花弁が「大」の字に見えることから,ダイモンジソウという名前がつきました。
 ⑯礼文島の遊歩道沿いや草原で2種類のノコギリソウが咲き始めました。
  白い花をつけるのはエゾノコギリソウです。
  葉の鋸歯(ギザギザ)が細かく,遠目には鋸歯がないように見えるのが特徴です。
 ⑰キタノコギリソウは,うすピンク~濃いピンクになるものが多く,また,葉の鋸歯が粗くはっきりしているのが特徴です。
  なので私は「切ったノコギリソウ」と覚えました。
 ⑱アキカラマツは,黄色く細かい花火のような花(花弁はありません)をたくさんつけて,草原を飾っていました。
  秋が近いことを教えてくれているようです。
 
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⑲ハイオトギリ
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⑳トウゲブキ
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㉑カセンソウ
 ⑲ハイオトギリは名前の通り,礼文島の砂礫地で地面を這うように咲いていました。
 ⑳トウゲブキが花盛りになり,礼文島の草原を黄色く彩っています。
 ㉑カセンソウが海岸近くの草原に群生していました。
 
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㉒ツリガネニンジン
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㉓カラフトマンテマ
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㉔チシマワレモコウ
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㉕チシマワレモコウの花
 ㉒ツリガネニンジンが島のあちこちで咲き始めました。
  8月の主役になる花です。
 ㉓砂礫地に咲くカラフトマンテマ(別名チシママンテマ)を見つけることができました。
 ㉔㉕チシマワレモコウも8月の主役になる花です。
  穂のような花序をアップで見ると,白い小さな美しい花がぎっしり並んでいるのが分かります。
 
 以上ご紹介したのは,礼文島で7月下旬に見られた植物です。
 盛夏を迎え,「花の浮島」の花盛りはまだまだ続きます。
 秋に向けての変化を楽しんでいきたいと思います。