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北海道地方環境事務所

アクティブ・レンジャー日記 [北海道地区]

えりもの夏の風物詩!!

2024年08月06日
えりも自然保護官事務所 吉沢 一美
こんにちは、えりも自然保護官事務所の吉沢です。
 
7月から9月頃は、昆布漁で町が活気づきます。
えりも町全域の沿岸で採れる昆布は「日高昆布」です。えりも漁協によると日高地方で水揚げされる6割がえりもで採れる昆布とのこと。出汁だけじゃなく、出汁を取った後も柔らかく、佃煮を作ったりできます。昆布巻きにも最適です。
今回は、昆布漁を実施する1日の様子をお伝えします。

「旗元(はたもと)」と呼ばれる漁師さんが当日の朝、1日の天気を予測し、海で安全に操業ができるかを判断し昆布漁の決断をします。朝4時半頃、昆布漁が実施される合図としてサイレンが鳴り、漁師さん達は一斉に出航します。(昆布漁がない日は放送が流れます) 女性陣は、忙しくなるのを見込み浜で食べるご飯を作り、洗濯を干し、ぐっすり寝ている子供を起こし、昆布を干す浜へ向かいます。
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サイレンがなり採る場所へと向かいます。船外機を操作する後ろ姿かっこいい!まさしく海の男
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昆布を採る道具は、たった1つ。3m弱の棒で先端がL字になっている「カギ棹」。L字のところに昆布をかけて引き上げます。
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引き上げた昆布は腕にかけて引き抜きます。

 
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風向きによって干し方を決め品質が下がらないために極力重ならないよう、捻れないように干します。
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乾くのを待ちます。風が吹けばロープをかけたり、くっついた昆布を離したり大忙しです。
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乾いた昆布は、束にして集めます。夏休みは子供達に助けられます。
昆布は、出荷するまでにとても手間がかかります。集められた昆布はその後、決められた長さに切り、色つや、重さ、幅、ゴミなど基準に沿って1本ずつ選別し10種類以上に分けます。昆布漁がない時、少しでも時間があるときは、自宅とは別の小屋でせっせと選別に励んでいます。
私も昆布のお手伝いをしています。ダイエットするつもりが、作ってくれるご飯がおいしく逆に…

町の多くの人が昆布漁で忙しく過ごしています。これぞ “えりもの夏の風物詩”

風の町で知られているえりも町でも近年、無風で気温が高くなってきています。炎天下での作業なので熱中症対策をしながら頑張っています。みなさんも暑さが厳しくなってきているので気をつけてください。