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アクティブ・レンジャー日記 [北海道地区]
祝! 利尻礼文サロベツ国立公園指定50周年
2024年09月27日
稚内
こんにちは! アクティブ・レンジャーの後澤(ござわ)です。
利尻礼文サロベツ国立公園は,1974年(昭和49年)9月20日に国立公園に指定されました。
それから50年,今年9月20日に指定50周年を迎えました。
まずは,50周年記念式典についてご紹介します。
利尻礼文サロベツ国立公園は,1974年(昭和49年)9月20日に国立公園に指定されました。
それから50年,今年9月20日に指定50周年を迎えました。
まずは,50周年記念式典についてご紹介します。
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上のチラシのように,記念式典は,10月5日(土)に,利尻町沓形の「交流促進施設どんと」で開催されます。
興味のある方はぜひご参加ください。式典の詳しい内容については,稚内市HP(以下)でも紹介されています。
利尻礼文サロベツ国立公園指定50周年 記念式典/稚内観光情報 最北のまち稚内 (city.wakkanai.hokkaido.jp)
利尻礼文サロベツ国立公園は,山岳・お花畑・海食崖・湿原・海岸砂丘など変化に富んだ景観を誇る日本最北の国立公園です。
利尻山は,利尻富士とも呼ばれるコニーデ型の美しい山で,公園のシンボル的な存在です。礼文島では,レブンアツモリソウなどの貴重な植物を含む高山植物のお花畑を低地で見ることができます。 抜海・稚咲内海岸では,帯状に発達した数列の砂丘の間に湖沼が点在し,ミズナラ・トドマツの砂丘林とともに珍しい景観を呈しています。 サロベツ原野は,泥炭地の上に日本最大級の高層湿原が広がっており,またガンやカモなどの野鳥の渡りの重要な中継地にもなっています。
この50年間には様々な出来事がありました。利尻・礼文・サロベツの3地域について代表的なものをご紹介します。
利尻山は,日本百名山にも選ばれている標高1,721mの名峰で,近年の登山者数は年間8千人程度と多くの登山者が訪れています。利尻山の山頂に近い場所には,赤茶色の「スコリア」と呼ばれる火山噴出物が厚く降り積もって地層を構成しています。このスコリアは非常に脆く崩れやすいという特徴を持っており,登山者の踏みつけや流れる雨水などによって侵食され,「3mスリット」と呼ばれる3mもの深さの溝のようになってしまった場所もあります。この侵食を防いだり,侵食によって傷んでしまった植生を回復させたりするための努力が現在も続けられています。
興味のある方はぜひご参加ください。式典の詳しい内容については,稚内市HP(以下)でも紹介されています。
利尻礼文サロベツ国立公園指定50周年 記念式典/稚内観光情報 最北のまち稚内 (city.wakkanai.hokkaido.jp)
利尻礼文サロベツ国立公園は,山岳・お花畑・海食崖・湿原・海岸砂丘など変化に富んだ景観を誇る日本最北の国立公園です。
利尻山は,利尻富士とも呼ばれるコニーデ型の美しい山で,公園のシンボル的な存在です。礼文島では,レブンアツモリソウなどの貴重な植物を含む高山植物のお花畑を低地で見ることができます。 抜海・稚咲内海岸では,帯状に発達した数列の砂丘の間に湖沼が点在し,ミズナラ・トドマツの砂丘林とともに珍しい景観を呈しています。 サロベツ原野は,泥炭地の上に日本最大級の高層湿原が広がっており,またガンやカモなどの野鳥の渡りの重要な中継地にもなっています。
この50年間には様々な出来事がありました。利尻・礼文・サロベツの3地域について代表的なものをご紹介します。
利尻山は,日本百名山にも選ばれている標高1,721mの名峰で,近年の登山者数は年間8千人程度と多くの登山者が訪れています。利尻山の山頂に近い場所には,赤茶色の「スコリア」と呼ばれる火山噴出物が厚く降り積もって地層を構成しています。このスコリアは非常に脆く崩れやすいという特徴を持っており,登山者の踏みつけや流れる雨水などによって侵食され,「3mスリット」と呼ばれる3mもの深さの溝のようになってしまった場所もあります。この侵食を防いだり,侵食によって傷んでしまった植生を回復させたりするための努力が現在も続けられています。
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礼文島には,世界中で礼文島だけにしかない固有亜種レブンアツモリソウについて,その保護活動の長い歴史があります。かつて島内の至る所で普通に見られたというレブンアツモリソウは,1980年代に2,000株を超える盗掘被害に遭い,それに対して柵の設置,監視カメラや監視員による24時間監視,普及啓発活動などの粘り強い盗掘防止活動が行われました。その結果,近年は盗掘が確認されていませんが,今度は温暖化などの環境変化によってササや高茎草本が広がってしまっています。現在もレブンアツモリソウ保護増殖やササ地拡大防止対策などの取り組みが続けられています。
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サロベツ湿原は,低地の高層湿原としては国内最大面積を誇りますが,農地(牧草地)と湿原が隣接している場所では,農地として必要な排水によって湿原の地下水位が下がり,湿原の乾燥化によってササの拡大が進んでしまった経緯があります。そこで20年ほど前に「上サロベツ自然再生協議会」が発足し,湿原と農地の間に緩衝帯を設けることで,湿原側の水位を高く保ちつつ農地側の排水性を高めることができるようになりました。農家が土地を提供してくださるなど,たくさんの地域関係者のご厚意やご協力を得て自然再生を進めています。
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私がアクティブ・レンジャーとして採用されて1年ほどになりますが,以上のような取り組みについて知るにつけ,私たちに課せられた「優れた自然を保護し,後世に伝えていく」という職務を精一杯に頑張っていかなければと感じます。
このような利尻礼文サロベツ国立公園の50年間の歩みや国立公園の魅力などを「50周年記念誌」としてとりまとめ,来る10月5日の記念式典でご披露する予定です。この記念誌もぜひ読んでいただきたいです。
最後に,魅力あふれる6市町からの写真を使った50周年記念のポスター(4種)をごらんください。
このような利尻礼文サロベツ国立公園の50年間の歩みや国立公園の魅力などを「50周年記念誌」としてとりまとめ,来る10月5日の記念式典でご披露する予定です。この記念誌もぜひ読んでいただきたいです。
最後に,魅力あふれる6市町からの写真を使った50周年記念のポスター(4種)をごらんください。
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