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北海道地方環境事務所

アクティブ・レンジャー日記 [北海道地区]

阿寒摩周 2025冬

2025年04月16日
川湯 樋熊 夏歩
 こんにちは。阿寒摩周国立公園管理事務所(川湯事務所)の樋熊です。
 雪はまだ残っているものの春の気配を感じる時期になりました。2025年、冬の阿寒摩周国立公園の様子をお届けします。

摩周湖

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2月の摩周湖
 青い空と湖面、そして白い雪と木々の霧氷のコントラストが映えるこの景色は気温や天気の条件により年に1度出会えるかどうか。雪が音を吸収し、より一層静謐さが増した冬の摩周湖は、まさに「神秘の湖」と呼ぶにふさわしい風格を感じることができます。雪を被った山は向かって右手から摩周岳、標津岳、斜里岳、湖面から顔を出しているのがカムイシュ島です。

 また、摩周湖のレストハウス“カムイテラス”の入り口では、大画面で阿寒摩周国立公園の映像を放映しています。この冬に、映像がリニューアルされましたので、ぜひ訪れた際はご覧になってください。登山やハイキング、カヌーに釣りなど、阿寒摩周国立公園の楽しみ方をイメージできるのではないかと思います!
 

屈斜路湖

 秋には屈斜路湖にシベリアからオオハクチョウが渡ってきました。冬の北海道は湖が凍るほど寒く、餌場が氷に閉ざされてしまうため、多くのハクチョウは本州へ渡り越冬します。
 しかし、屈斜路湖は地熱の影響で湖が凍らない場所があるため、冬もそこによく集まって越冬している様子を見ることができます。
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屈斜路湖のオオハクチョウ
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藻琴山と
 ハクチョウを目の前にして、ついつい餌をあげたくなってしまうことがあるかもしれませんが、ハクチョウへの餌付けはしないようにお願いいたします。ハクチョウが密集することで高病原性鳥インフルエンザが一気に蔓延してしまったり、生態系や農林業に被害を与えたりする可能性があります。
​ また、屈斜路湖は冬に全面結氷する湖ですが、今冬は暖かい日や風の強い日が多く、残念ながら全面結氷にいたりませんでした。この日は一度凍ったものの割れてしまった薄い氷が岸に寄ってきて、からからと音を立てていました。
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和琴半島より

川湯

 川湯温泉のそばにあるアカエゾマツの森は雪化粧。あちらこちらに足跡があり、森ではいろいろな生き物が行き交っていることを実感します。
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アカエゾマツの森散策路
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木から木へ移動するリスの足跡
 アカエゾマツの森は雪がたくさん積もると散策路が分かりにくくなるため、今年はパークボランティアさんとともに道迷い防止の道標を作成して設置しました。
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積雪で道が無くなっています…
 実際に大雪の日に森を歩いてみると、毎月歩いているのに道が分かりにくく…ボランティアの皆さんと設置した道標に助けられました。引き続きボランティアさんとも協力しながら、冬でも安全に歩きやすい散策路にしていきたいと思います!
 冬ならではの阿寒摩周国立公園の魅力や体験が少しでも伝わったら嬉しいです。夏に訪れたことがある方も、また違った表情が見られる冬にいらしてみてはいかがでしょうか?
 
以上、冬の川湯事務所からお届けしました!