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北海道地方環境事務所

アクティブ・レンジャー日記 [北海道地区]

礼文島の春

2025年04月25日
稚内 後澤 宏文
 こんにちは! 礼文とクッチャロ湖担当アクティブ・レンジャー(AR)の後澤です。

 4月20日(日)に,礼文島北部の久種湖畔で,パークボランティアの皆さんと野鳥モニタリングを行いました。
 また,ゴロタ岬の歩道の巡視も行いました。そのときの様子をご紹介します。

 野鳥モニタリングの開始直前,パークボランティアの方が車を停めて,何かの写真を撮っていました。写真を見せてもらうと,ヤツガシラという鳥でした。数少ない旅鳥で,礼文島や利尻島では毎年早春に見られる鳥だそうですが,私は見たことがありませんでした。それがいたということで,ドキドキしながらモニタリングを開始しました。
 開始早々,前方の路上にヤツガシラを発見。私は思わず「ヤッター!」と叫んでしまいました。記録の1番最初がヤツガシラという,素敵なモニタリングになりました。写真も下のように撮れました。
 他にも,アカエリカイツブリやマヒワなど,22種類の野鳥を記録しました。夏鳥のノビタキも渡って来ていて,春の訪れを実感しました。
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路肩の土を盛んにつついて餌を探していました
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木の枝にとまり一休み
 久種湖畔は,ミズバショウ群生地としても有名です。昨年秋に整備された新しい木道を歩いて,ミズバショウを観察しました。木道上脇に点々と咲くミズバショウを見ながら進むと,ハンノキの林に入ります。ハンノキの林下に咲くミズバショウが見事でした。ミズバショウの中に,同じサトイモ科のザゼンソウも見られました。
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新しくできた木道
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ハンノキの林下に咲くミズバショウ
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ミズバショウとザゼンソウ
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ミズバショウ
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ザゼンソウ
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エゾノリュウキンカも咲き始め
 ゴロタ岬の歩道でも,春の花が見られました。主役はエゾエンゴサクで,空色・青色・紫色など,様々な色の花を一面に咲かせていました。アキタブキの花(ふきのとう)もたくさんありました。雄花と雌花はよく見るとずいぶん違い,雄花の方が華やかで,味もいいそうです。
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群生するエゾエンゴサク
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アキタブキの雄花
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アキタブキの雌花
 キバナノアマナとエゾイチゲも見られました。あいにく雨が降っていたので,花が閉じていました。礼文島ではエゾイチゲ(ヒロハヒメイチゲ)とよく似たヒメイチゲも同じ時期に同じ場所で咲きますが,見分けが難しいです。キジムシロも咲いていました。
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キバナノアマナ
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エゾイチゲ
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キジムシロ
 雪解けを待ち構えていたかのように,礼文島では続々と花が咲き始めます。次はどんな花が見られるか,今年も行く度にワクワクすることになりそうです。