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北海道地方環境事務所

アクティブ・レンジャー日記 [北海道地区]

アポイ岳ファンクラブ主催登山道整備会について、報告します。

2026年04月30日
新ひだか
こんにちは、新ひだか自然保護官事務所のアクティブ・レンジャーの城です。
今回初めてのアクティブ・レンジャー日記の投稿となりますが、この度、新たなチャレンジ、ステップアップのため、
アクティブ・レンジャーの職を離れることとなりましたので、最初で最後の日記投稿となります。

 フキノトウが見られ、春の訪れを感じるようになった4月4日(土)、
様似町にあるアポイ岳の登山道整備会に参加しました。
 
アポイ岳は、標高810mと日高山脈の山の中では標高が低く、上級者向けの山が多い日高山脈襟裳十勝国立公園の中では、比較的登りやすい山です。また、アポイ山塊にのみ分布するヒダカソウ、アポイアザミ、サマニオトギリ等の固有の高山植物を楽しむことができるのはもちろんのこと、アイヌに関する伝説が残る場所でもあり、自然と文化の両方に触れられる山域です。

アポイ岳の伝説
↑アポイ岳の伝説
はじめに、アポイ岳ビジターセンター前に集合し、参加者各自が簡単な自己紹介を行いました。この日の参加者は約50名。遠くは釧路、帯広、札幌等から参加されている方もおり、様似町やアポイ岳ファンクラブの取組、活動がしっかりと周知され、活動の輪が広がっている印象を受けました。


↑作業開始前に集合写真を撮影
必要な道具を持ち整備会のスタートです。
五合目までの登山道を3班に分かれ、作業しました。
まずは、作業エリアを目指し移動。


↑移動の様子
登山道に入って間もなくアポイ岳の多目的保安林についての解説標識があります。
見てみるとやけに縁がボロボロな気が…
縁の木材部分が削れていることにお気づきいただけたでしょうか?
そうです、ヒグマの痕跡です。↓


この痕跡からもわかるように、アポイ岳を含む日高山脈は「ヒグマの生息地」です。
入山の際は、クマ鈴やクマスプレーを携帯するなど万全の対策を講じましょう。
再び歩みを進めること45分。各班の持ち場となるエリアへ到着。
登山道脇の溝に堆積している落ち葉などをレーキや手を使って除去し、歩を進めながら作業しました。
↓左から落ち葉除去前、除去作業、落ち葉除去後


この溝は一見登山道沿いのただの窪みに見えますが、埋まってしまうと雨天や雪解けの際、水が登山道を流れ、
削り、登山道が崩壊する原因となります。
落ち葉等を除去し、水の通り道を確保することで、登山道の維持に繋がります。
                                                                    
↓登山道を通る水を逃がすため、管を設置している場所もあります
 (赤矢印は水の通り道)。

 
担当エリアの作業を終えたところで休憩し、その後作業で使用した道具や残置されていた木柵の材を
担ぎ、下山となりました。
   
↑作業道具、木柵の材を持って下山  ↑谷水専門員、たくさん担いでいました。


↑山から降ろされた木柵の材

アポイ岳の貴重な自然、維持されている登山道の陰には、地元のアポイ岳ファンクラブ、様似町役場、
ボランティアの方など様々な方々の尽力、協力があることを知る機会となりました。
自身としては、これまで、日高山脈襟裳十勝国立公園の素晴らしい自然環境を後世に伝えていくために日々業務に
励んで参りました。
アクティブ・レンジャーとして、道内でも屈指の登山スキルが求められる日高山脈襟裳十勝国立公園の中で
様々な経験をさせていただき、とても光栄でした。
この経験を活かし、これからも何かしらの形で自然に関わる活動をできればと思っています。
 
最後になりますが、日高山脈襟裳十勝国立公園の国内最大級の手つかずの自然が今後も保護され、次世代へとしっかりと引き継がれていくことを願っています。