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北海道環境局

アクティブ・レンジャー日記 [北海道地区]

環境省アクティブ・レンジャー写真展 ~北の自然の舞台裏~

2026年07月17日
稚内 國見 祐介

利尻礼文サロベツ国立公園

稚内自然保護官事務所 アクティブ・レンジャー 國見 祐介

峻烈の庭


利尻山 7月
 
 山頂直下にそびえ立つローソク岩は、利尻山の険しさを象徴する巨大な岩峰です。その周囲、厳しい環境の山肌に広がるのは、激しい風雪に耐え抜いた高山植物たちが一斉に花開く、束の間の天空の庭園です。 特に、このエゾツツジの鮮烈な紅色は、荒々しい岩肌との対比が非常に美しく、見る人を惹きつけます。日本最北の海にそびえる利尻山は、山の上では標高以上に厳しい環境にあります。強い風に吹き飛ばされないよう、植物たちは地を這うように身を低くし、懸命に命を繋いでいます。
 撮影の際は、カメラを地面に近い花の高さまで下げ、彼らが見上げているであろう景色を切り取りました。登山道の傍らでひたむきに咲く花と同じ目線に立つことで、過酷な場所で誇り高く生きる命の輝きを表現しています。誰に見られるためでもなく、力強く咲き誇るその圧倒的な生命力を、ありのままの姿で伝えたいと願って撮影した一枚です。

白への回帰


利尻山 4月
 
 4月の利尻山は、麓では春の気配が漂い始めますが、山の上は依然として厳しい冬の表情を残しています。この写真を撮影した日、山肌は春の陽光に誘われて雪解けが進み、黒々とした岩肌が少しずつ顔を出し始めていました。しかし、ひとたび厚い雲が山を包み込むと、景色は一変。瞬く間に白い世界が広がり、山は再び純白の姿へと引き戻されました。
 海に囲まれた独立峰である利尻山では、天候は目まぐるしく変化します。しかし、この時目にしたのは単なる天候の変化ではなく、季節が冬へと立ち返ったかのような、静かで厳かな「回帰」の瞬間でした。春を待つ山が、あえてもう一度冬の白い装束を纏い直すかのような、凛として力強い姿。その一瞬の美しさを、その場に立ち会った驚きとともにシャッターに込めました。