ACTIVE RANGER

アクティブ・レンジャー日記 [北海道地区]

北海道地方環境事務所のアクティブ・レンジャーが、活動の様子をお伝えします。

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利尻礼文サロベツ国立公園 稚内

268件の記事があります。

2019年04月16日ペンケ沼は、鳥もいっぱい、ゴミもいっぱい!

利尻礼文サロベツ国立公園 青山留美子

パークボランティアの今年度最初の集まりである「パークボランティア総会」が終わり、新年度が本格的に始まった気がしている、稚内の青山です。

先日、今年度一番最初のパークボランティア活動で、利尻礼文サロベツ国立公園内にある「ペンケ沼」へ行ってきました。

ペンケ沼は道路が通じていないため、気軽に行ける所ではありません。

私も過去に2回しかペンケ沼へは行った事がありません。

過去2回はカヌーで行き、おしりが痛くなるほど漕いでやっと到着した、とても大変だったイメージしかない場所です。

人の出入りがないからこそ、野鳥たちの憩いの場所となっており、

鳥獣保護区やラムサール条約湿地に指定され、守られている場所です。


今回は、特別に牧草地を通らせてもらい、ササを越えて、ペンケ沼を眺めることができました。ハクチョウがいたり、マガンが飛び交ったりしていて、正に、野鳥の楽園でした!


その光景を楽しめたのはつかの間で、この日の目的は足下にたくさんありました。


前日の雪で見えていなくても、歩くとベコベコ音がするのでわかります。

ペットボトルや空き缶、空き瓶がとても多かったです。

道路は通じていませんが、ペンケ沼には川が流れ込んでいます。

この川を通じて運ばれてきたゴミたち。

それらが、大雨や雪解け水などで増水し、ここまで運ばれてきた物と考えられます。

回収できない大きさのタイヤやボンベのようなものまでありました。

雪で大部分は見えていないにもかかわらず、大人31時間足らずで、40リットルのゴミ袋8つ分、50kgを回収しました。


回収したペットボトルをつぶしていれる時にキャップをとる事が大変だったり、ゴミ袋より大きいものを入れる事が大変だったりで、

ゴミ拾いには、強力な切る道具が必要だと知りました。

そして、一番大変だったのは、牧草地を通り運ぶ事でした。

運んだ後、車にのせてもパンパンで、ゴミ拾いをした後の大変さを痛感した、ゴミ清掃でした。

雪が溶けたらどれだけのゴミが見えるのか、とても心配になりましたが、

雪が溶けると寝ていたササが立ち上がり、ただ行くだけでも大変になるため、ゴミの全体を見ることは容易ではありません。


人の手が入っていない地域のハズが、人の影響は及んでいました。

どこかでうっかり落としてしまったゴミが、回り回って、どこかの地域の何かの生き物に影響を与えているかもしれないと、考えさせられました。

皆さんも1度、自分の視界に入る周りだけではなく、そこからつながる森や川、沼、湖、海などがあることを想像してみてください。

そこには、多くの生き物が生きています。

多くの生き物が当たり前に暮らせる環境があり続けるために、

まずはうっかり落としてしまうゴミが減るように意識することなど、自分ができることから始めてみませんか?

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【参考】

ポイ捨てなどにより、回収されずに河川などを通じて海に流れ込む「海洋プラスチックごみ」が日々発生しています。

世界全体で日々大量に発生する「海洋プラスチックごみ」は長期にわたり海に残存し、このままでは2050年までに魚の重量を上回ることが予測されるなど、地球規模での環境汚染が懸念されています。 こうした問題の解決に向けては、個人・企業・団体・行政などのあらゆる主体が、それぞれの立場でできる取組を行い、プラスチックと賢く付き合っていくことが重要です。

環境省では、そうした取組を応援し、さらに広げていくため「プラスチック・スマート」キャンペーンを実施しています。

#プラスチックスマート

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2019年03月28日雪の中で、木道誕生!

利尻礼文サロベツ国立公園 青山留美子

あっという間に雪が溶けた3月でしたが、彼岸荒れで一面真っ白の冬に逆戻りになりました。

「彼岸荒れがあるかも」と地元の方から聞いていましたが、春にまっしぐらだった景色をここまで戻すのかと、彼岸荒れの威力に驚いている、稚内の青山です。

風と雪が横殴りで吹き荒れる冬の湿原は、見られる生き物も限られ、人も寄りつかず、静けさに包まれています。

そんな中、環境省の施設である幌延ビジターセンターでは、設置されている木道の工事が行われていました。

この時期に行われる理由は、重機などにより湿原植物に影響を与えないよう、雪が積もってから行うためです。

12月、まだまだ雪が少ないため、既存の木道を使ってできる作業が行われていました。

1月、重機が入り、木道も撤去され、工事が本格化していました。

2月、新たな木道が組み立てられていました。

そして、2月末には大体完成していました。

3月に入ってから検査も終わり、先日ついに完成となりました!

少し見に行くだけでも風の強さと寒さに負けそうになる真冬に、作業をしてくれる方々がいるおかげで、

湿原を守りながらも、木道が作られています。

その木道があるおかげで、私達は湿原に落ちたりヤチマナコを気にすることなく、楽しむことができているのです。

作業して下さった皆さん、本当に、ありがとうございます。

まだ、周りには彼岸荒れの雪が残っていますが、

北へ帰る渡り鳥たちがどんどん増えて、新たな季節の予感を届けてくれています。

新しい季節には、新しい木道で、お待ちしています!

サロベツ湿原を体験しに、是非お越し下さい!

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2019年02月12日サロベツ子どもパークレンジャー 冬も元気です!

利尻礼文サロベツ国立公園 青山留美子

インフルエンザの大流行に巻き込まれそうになったサロベツの青山です。

寒い日が続いていますが、しっかり春の気配も近づいてきている気もする、今日この頃です。

数年に1度の寒波が来る前、とても天気の良かった22日は「世界湿地の日」!

それに併せ、サロベツでも子どもパークレンジャーの活動でスノーシュー散策を行いました。

そもそも、子どもパークレンジャー(JPRとは?

環境省レンジャー(自然保護官)と一緒に国立公園などにおいて、自然観察や自然解説による自然環境学習などを小・中学生に体験してもらうプログラムです。

サロベツでは、昨年の6月から小学生を対象として始動し、今までに5回の活動を終えており、今回は、今年度最後の活動となりました。

更にスペシャルな事に、サロベツと同じく日本最北のラムサール条約登録湿地クッチャロ湖で日頃活動している、浜頓別町の「ジュニアガイド」の子どもたちとの交流を兼ねた活動でもありました。

浜頓別から1時間ほど車に揺られてやってきた7人の子どもたちを加え、19名の子どもたちでとても賑やかになった活動の様子を、ご報告します。

まずは、お互いがどんな地域でどんな活動をしているか、それぞれの紹介から始まりました。

左が浜頓別町の子どもたち、右がサロベツのこどもたちです。

その後、地域ごちゃ混ぜの2チーム、野生動物を探す班と植物について調べる班とに分かれました。そして、スノーシューをつけて、いざ森へ出発です!

この森は、湿原のとなりにある森で、雪がある今だからこそ入っていける場所です。

迷子にならないよう、みんな同じ道を辿ります。それぞれの指令を気にしながらも、遅れないようにガシガシ進んでいきます。

雪がのっているだけで、景色はとても変わった物に見え、これは何かと、至る所でみんな覗き込んだり、つついたりしていました。

これは、根っこごと倒れた木を根っこ側から見えている図です。

そして、森の奥では、ミズナラの巨木にも出会いました!

ぱっくりと大きな洞がありますが、悠々とした枝振りをしていて登りたくなるどっしり感があります。

この森では、昔木を切っていたそうなので、そんな時代も生き抜いた、この森の主でしょうか?

そんな巨木のパワーを感じつつ、近くでしばしの休憩タイムをとりました。

飲み物を飲むくらいで終わるのかと思いきや、

子どもたちのリュックからはお菓子がどんどんでてきます。さすがです。

飲み物をあったかくしてくる事しか考えていなかったお菓子ゼロの私にも、あちこちからお裾分けを頂きました。みんなのやさしさと甘さにほっこりしました。ごちそうさまでした。

休憩の後は、今年の湿地の日のテーマ「湿地と気候変動」にちなみ、

今年の積雪量は例年と比べてどうなのか、写真を見比べてみてから、実際に雪を掘ってみました。子どもたちも交代で掘り進め、ササに到達!

森の中での積雪量は80㎝ほどだとわかりました。積雪量としては、昨年度の22日の豊富町の積雪量とほぼ同等です。昨年よりも雪が少なく感じていましたが、最近の吹雪などで盛り返してきているのでしょうか?

更に、冬山経験のある有山首席自然保護官が、雪の断面をきれいにして見せてくれました。

そこには線のようなものがあり、雨が降った跡など、天気の状態を雪から読み取れることを教わりました。

雪の様子もわかったところで、あとは来た道を辿って戻ります。

お昼もチームで食べ、午後からは指令の総仕上げとして、森で見てきた物を体で表現してもらいます。

何を、どう表現するか、机を離れてみんなで考えていました。

一つだけ紹介すると、

植物班が森で見つけたものを体で表現したこちら↓は、何を表現したものでしょうか?

正解は、

「幹にからみついた蔓」を表現したそうです。

力作ですよね。しかも楽しそうです♪

子どもたちの印象に残ったものや、気になったもの、表現の仕方など、私達の想像を超える時があり、毎回とても驚かされます。

みんなの中で、何か一つでも持ち帰ってもらえるものがある活動になっていれば嬉しい限りです。

そんな感想を期待して、新聞記事形式に個人の感想や見た物などをまとめて書いてもらい、終了しています。今回も無事に、みんな任務完了となりました!

お疲れ様でした。

一見静かな森ですが、よく観察すると、とても賑やかな気がしてきます。

そして、更に、

カラフルな子どもたちに彩られて、白一色の景色が一気に鮮やかに華やぎました。

ワイワイ言いながらも、子どもたちは、様々な物を見つけ、記憶して戻ってきていました。

ガシガシ歩きながらも、浜頓別町の子どもたちとサロベツの子どもたちは交流していました。

歩き疲れ、お昼を食べて、午後は疲れ切ったかと思いきや、自分達の力で発表内容や方法を考えていました。

子どもたちはすごいです!

そして、冬の森は楽しいです!

サロベツでのJPRは今回で、今年度の活動すべてが終了しました。計6回で延べ77名の小学生にご参加頂きました。ご参加頂いたみなさん、ありがとうございました。

また、機会があれば、国立公園や鳥獣保護区で一緒に楽しみましょう♪

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2018年11月02日サロベツで、冬期営業始まりました!

利尻礼文サロベツ国立公園 青山留美子

早々に初冠雪した利尻山や雪虫が飛び交う姿に冬の足音を感じつつも、まだストーブをつけずに過ごせているサロベツの青山です。

季節にあわせ、11月より、サロベツにある環境省施設は冬期営業になりました。

まず、豊富町にある「サロベツ湿原センター」は、開館時間の変更と毎週月曜日が休館日となります。

また、夏の間は24時間使用できたトイレも、冬期間は開館時間内だけの利用となりますので、ご注意下さい。

<11月1日~4月30日まで>

○開館時間 10時~16時まで

○休館日 毎週月曜日、12/29~1/3

○トイレの利用時間 上記内容と同じ


続きまして、幌延町にある「幌延ビジターセンター」は、111日~430日まで、冬期閉館となります。

併せまして、パンケ沼園地にある建物やトイレも閉鎖しましたので、幌延ビジターセンターやパンケ沼方面へお越しの際は、使用できるトイレがありませんので、ご注意下さい。




サロベツ湿原センターも幌延ビジターセンターも、そしてパンケ沼園地も、

施設は冬期営業になりましたが、木道は通年変わらず営業中です。

花が無い湿原も、よくよく見るととてもきれいです。


特に夕暮れ時の湿原はとても素敵だと思います。


夏鳥がいなくても、渡り鳥たちがにぎやかですし、1年中いる鳥たちもいます。


雨の切れ間に、湿原に虹がかかるのを見られるのも、今だからこそです。


今の時期だからこその出会いがある湿原、これからの季節もおすすめです!

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2018年06月06日自然再生事業地で、ヒメシャクナゲに包まれる

利尻礼文サロベツ国立公園 青山留美子

薄着になる前に、顔と手だけが日に焼けてきて困っている、稚内の青山です。

531日、パークボランティアさんと共に、自然再生事業地へモニタリングを兼ねて巡視に行ってきました。

サロベツで環境省が行っている自然再生事業地は3箇所ありますが、どれも普段は立ち入ることができない場所となっています。調査等で入るための木道はつけられていますが、一人が通れる幅しかなく、バランスを崩すとすぐ湿原に落ちてしまうため、バランス感覚が求められる場所です。


そんな木道の状態を確認することと、自然再生事業地の現状を見ること、そしてその道中では、初夏を迎えつつあるサロベツ湿原を楽しむことを目的に行ってきました。

だだっ広い中を延々と木道が続きます。この木道の先では、2000年始めまでの30数年間、泥炭の採掘をしていました。当時、採掘に使われていた浚渫船(しゅんせつせん)という船が、サロベツ湿原センター横に展示されています。

掘った跡地には、製品として使われなかった残りが戻されました。戻されたあと、順調に植生が回復している所もあれば、回復せず何十年も植物が生えていない裸地の場所もあります。

環境省では、その裸地の場所に植生が定着するお手伝いをしています。

写真の中央あたりが、裸地の場所にネットを敷いている様子です。


少しずつですが、着実に植生が増えています。最初はミカヅキグサ(上の写真で灰色に見える所は全てこの植物の枯れた状態です)ばかりですが、その間から様々な種類が出てきています。

また、掘った跡がそのまま残り、開水面として残っている場所も多くあります。

遠くでカモ類やアオサギ、近くではツメナガセキレイが舞い降りる姿が確認できたり、水際を好む植物などを確認したり、自然に活用されている様子を垣間見ることができました。


泥炭採掘跡地の自然再生事業地は、大きく手を加えていくのではなく、これからも変遷を見守っていきたいと思う場所です。

更にこの周辺は、ミズゴケを中心とした高層湿原の植生を楽しめる場所でもあります。

この日は、ヒメシャクナゲが見頃でした。


小さな花が、あちらこちらに咲いていてピンクの絨毯になっている様は圧巻です。

ミズゴケの中に、ツルコケモモの実が残っているのも見つけました。

細い木道でバランスを保ちながら頑張って歩いた、ご褒美をもらえた気分になりました。


高層湿原だけではなく、中間湿原部分も見応えがあります。この日は、咲く一歩手前のエゾカンゾウを見つけたり、ワタスゲの穂や、行きでは閉じていたタチヤマリンドウが帰りには開いている所を見ることができたりと、道中は楽しい発見がいっぱいです。


普段入れない調査用木道は、サロベツ湿原の歴史、課題、取り組み、湿原植物、鳥などなど、様々な要素を見る、知る、感じることができる素敵な場所です。

行ってみたくなった方、いませんか?

普段入れない場所だからと、がっかりする必要はありません!

10月まで毎週1度、ガイドの案内で行く「バックヤードツアー」が開催中だからです。

私たちが今回行った、泥炭採掘跡地を見に行けます。

詳しくは、下記をご覧下さい。

http://sarobetsu.or.jp/swc/topics/950/

サロベツを満喫できること、間違いなしです。

少数定員ですので、要確認と要予約でお願いします。

湿原では、次の主役たちがスタンバイ中です。皆様のお越しをお待ちしております!


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2018年05月25日春爛漫な礼文島にて

利尻礼文サロベツ国立公園 小笠原涼太

こんにちは!

礼文島担当アクティブレンジャーの小笠原です。

今年度も礼文の様子をしっかり伝えていけるように頑張ります!!

さて、暖かい日が続いた4月、逆にちょっと肌寒く感じる5月が過ぎていく中、礼文島はすっかり花の季節を迎えています。春の花の代表格「エゾエンゴサク」や「キバナノアマナ」、そして桃岩展望台では初夏に咲く「エゾノハクサンイチゲ」が一面に花を咲かせています。


※霧が立ちこめた桃岩展望台より。白いエゾノハクサンイチゲがあちこちに見えます。春から初夏に掛けてよく見られる、礼文島の風物詩とも言えますね。

これから夏に向けて少しずつ暖かくなっていく礼文島。

今はまだ芽だけですが、もう間もなく礼文を代表する「レブンアツモリソウ」が咲く季節もやって来ます。礼文の花のシーズンは盛り上がりを見せています。


※写真中央に生えているのがアツモリソウの芽です。ここの株はそれなりの大きさですが、アツモリソウ群生地の株はまだサイズが小さいです。最近の気温の変化が生育に影響を及ぼしているのでしょうか。

そんな春と夏の間を行き来する日々が続く中、先日、礼文町で「みどりの日」自然環境功労者大臣表彰伝達式が行われました。

本来は東京で執り行われる本式典ですが、諸事情により礼文町にて北海道地方環境事務所の所長が代行する形で、表彰状伝達式が行われることとなりました。

表彰されたのは、礼文島在住の杣田美野里さん。昔から礼文の自然を愛し、環境保全に精力的に活動してきた方です。環境省も大変お世話になりました。これからも宜しくお願いします!!


※杣田さん(右)と北海道地方環境事務所長(左)。杣田さんはエッセイストでもあり、自然について色んな本を執筆なさっています。是非読んでみてください。

めでたい出来事も重なって礼文島はどんどん活気付いています。

礼文島は今年も賑やかになりそうです!

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2018年02月23日ワシゴマセンサス2018

利尻礼文サロベツ国立公園 今泉潤

こんにちは。北海道最北、国境離島である利尻島の今泉ARです。


オオワシ・オジロワシは環境省レッドブックの絶滅危惧種に指定される希少野生動物です。それらの動物が増えているのか減っているのか長期にわたって固定された条件の元で調べることは重要な活動です。

オオワシ: http://www.env.go.jp/nature/kisho/hogozoushoku/owashi.html

オジロワシ: https://www.env.go.jp/nature/kisho/hogozoushoku/ojirowashi.html

毎年2月の第三日曜日は北海道全体で一斉にオオワシ・オジロワシを観察し、その数を調査しています。

利尻島にも精悍なオオワシ・オジロワシが冬になるとシベリアより渡ってきます。同時期にゴマフアザラシもやってきます。これらの数をカウントして記録するのが「ワシゴマセンサス」です。

今年から利尻礼文サロベツ国立公園パークボランティアの皆さんにも参加を募り一緒に調査を行いました。

前日はフェリーが欠航するほどの荒れた天気でしたが当日は雪ときどき晴れの好天に恵まれ、観察日和でした。利尻町立博物館の学芸員、地元在住の方々に混じって稚内パークボランティアも参加し総勢7人でマイクロバスにのって出発!観察に適した天候エリアを優先的に訪れるために時計反対回りで島を一周しました。

車内で誰かが見つけると他の人が確認します。遠くなのでカラスと間違えてしまうこともしばしば。
安全に停車できる場所で下車し双眼鏡やフィールドスコープで観察。その美しさ・精悍さに驚きやため息が聞こえてきます。

今年は残念ながらオオワシを発見することはできませんでしたが、オジロワシが8羽、ゴマフアザラシを2頭確認できました。

緑あふれる夏の利尻島も良いのですが、厳冬期2月の利尻島もその時期ならではの大自然に出会えます。天候次第ですが毎日飛行機もフェリーも運行しています。冬も営業している宿もあります。来冬はワシゴマセンサスに参加してみませんか? 誰でも参加できますので事前申し込みをお願いします。


マイクロバスから真剣に探す



ワシの観察



オジロワシ発見!(フィールドスコープにデジカメを合わせて撮影)



まとめ---観察種別と数の確認



当日は見えませんでしたが月に1~2回利尻山山頂までの素晴らしい景色に出会えます

201822日の仙法志御崎園地からの写真)

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2018年02月07日冬のカモ観察会を開催しました!

利尻礼文サロベツ国立公園 青山留美子

今日はとても寒いな~と思っていたら、稚内の事務所からも流氷が見えました!

寒さに震えながらも、流氷に胸弾ませている、稚内の青山です。

事務所のある建物内より撮影(奥のぼやっとした山並は、サハリンです)

流氷もやってくるほど寒い毎日ですが、2月3日(土)に、稚内の港を舞台に「冬のカモ観察会」を開催しました。


寒い中、わざわざ港に出かける訳ですが、その甲斐があると思えるほど、冬にしか見られない海鳥たちに出会える場所です。

当日は、パークボランティアさんの協力を得ながら、会場設営や資料準備などを行いました。

そして、港で見られるカモしれない鳥たちをまずは写真で紹介し、双眼鏡の練習もして、港に行ってからの準備を万全に整えます。

港に移動したら、いよいよ観察&調査の開始です。

調査は、稚内の代表的な3種類であるコオリガモ、シノリガモ、クロガモを4年前からカウントしてもらっています。

今回はそれらを見つける前に、オジロワシが止まっていたり、オオワシが旋回していたり、更にはゴマフアザラシが顔を出していたりと、とてもラッキーな出会いが沢山ありました。

移動する度に風が強くなり、寒さが増していきましたが、約1時間、港での観察を皆さん楽しまれていたようでした。


皆さんがカウントした今年の結果は以下の通りです。

コオリガモ 1315

クロガモ 21+

シノリガモ 40+

今までのカウント数と比べると、数は少ないのですが、

近くで見ることができたり、大群でいるところが見えたりなど、満足感が得られました。

サービス精神旺盛な子ばかりいてくれたのでしょうか?

寒い毎日ですが、今しか見られない鳥たちが、私たちの日常の近くにいます。

あなたの町の港にもきているカモしれません。

是非、会いにいってみて下さい。

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2017年08月01日利尻山登山道整備協働作業

利尻礼文サロベツ国立公園 今泉潤

こんにちは。北海道最北の街である稚内の60km沖に浮かぶ利尻島ARの今泉です。

8/1現在、山に残雪はまだあるものの、登山道上の雪は完全に消失し本格的なシーズンとなりました。

毎年恒例の沓形コース登山道整備を7/18に利尻町職員・林野庁職員・登山道整備専門家・ARと協働で行いました(鴛泊コースは7/27 に利尻富士町職員を中心に実施済)。

当日は好天に恵まれ効率的に作業ができたものの、日差しが強く暑く体力を消耗しました。

作業内容は、標識設置・矢印マーキング塗装 歩道維持のための草刈り ③登山道上にある木材防腐  ④山頂付近の登山道崩壊予防のためのテンサー設置を行いました。

<鉄筋等の資材荷上げ (急勾配箇所では特に集中力を要する)>


<写真左=地名板の設置>             <写真右= 草刈り前は道が見えないほど>


<写真左=木部防腐塗装>              <写真右=テンサーを用いた土留設置>


<花畑・残雪・沖に浮かぶ礼文島>


<参加者集合写真>


楽しい登山のために以下のことを念頭に置いてぜひ百名山利尻へどうぞお越し下さい。

◯ 悪天候時は登山を延期する。または早めに途中下山を決断する。

◯ 水を最低2リットル (今泉は3.5㍑持参しています)

◯ スタートは日出をふまえできるだけ早い時刻に(8/15=日出時刻は4:36)

◯ 下山も早い時刻に(例:15時頃)

◯ 携帯トイレ持参とトイレブースの位置確認

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2017年06月28日上サロベツ自然再生協議会が開催されました!

利尻礼文サロベツ国立公園 青山留美子

6月は寒い日が多く、もうすぐ7月になるとは思えない稚内の青山です。

そんな623日(金)、上サロベツ自然再生協議会が豊富町で開催されました。

環境省も協議会メンバーの一員であり、自然再生事業実施者として自然保護官からの報告などもあるため、同行しました。

豊富町と幌延町にまたがっているサロベツ湿原の中で、豊富町側を上サロベツ湿原と称しています。この上サロベツ地域では、湿原のとなりに町の基幹産業である酪農地帯が広がっています。湿原と農地がとなりあう環境で、生じている様々な課題を解消し、湿原と農業の共生を目指した「上サロベツ自然再生協議会」が、平成17年に発足しました。

現在、自然再生事業を行っているのは、環境省北海道地方環境事務所、稚内開発建設部、北海道森林管理局の行政機関だけですが、構成員には他に、地域住民、関係団体、研究者など幅広く参加しています。自然再生事業は、多方面からの意見をふまえ、承認を受けて進められています。

協議会は年に一度で、日頃お会いする機会が無い方々が集結するため、私にはとても新鮮な場です。

研究者の方からの指摘や意見は目の付け所が違い、とても勉強になります。

札幌などから宿泊を伴って参加される皆さんからは、改めてサロベツ湿原の魅力や凄さを教えていただいています。

協議会員の2年の任期が満了し、新たなスタートとなったこの日の協議会では、会長や各部会の座長などが滞りなく決まり、また1年後の協議会へ向け、それぞれの活動が始まりました。

サロベツ湿原には、きれいな花が咲いている奥で、密かに行われている湿原を守る取り組みがあります。

更に奥には、それを支えている多くの方々の協力と、強い想いのある方々が集まっている協議会があるのです。

その支えがあるからこそ、時間のかかる自然再生の取り組みが、ここ上サロベツ湿原で行われているのだと、強く思った一日でした。

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