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アクティブ・レンジャー日記 [北海道地区]

北海道地方環境事務所のアクティブ・レンジャーが、活動の様子をお伝えします。

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知床国立公園 羅臼

181件の記事があります。

2007年09月27日秋の訪れ

知床国立公園 羅臼 佐々木 尚子

ここ数日、羅臼の気温は10℃前後まで下がり、朝晩はストーブが恋しくなる季節となってきました。冷え込みの厳しくなった9月26日、羅臼岳では初冠雪を記録しました。知床峠での巡視中は上着を着ていても風が身に凍み、秋を通り越して冬になるのでは!?と思ってしまいました。

山頂付近には冬が訪れようとしていますが、標高200m付近にある熊越の滝周辺では、これから紅葉が始まろうとしています。木々の葉はまだ緑色ですが、オオカメノキやヒロハツリバナの果実は赤く熟しています。



真っ赤に熟した果実が目立つオオカメノキ




ぶら下がってゆらゆらと揺れるヒロハツリバナの星形果実


27日には、熊越の滝のすぐ近くの国道からヒグマを目撃しました。ヒグマは、川沿いを滝の方へ向かって歩いていたため、1日巡視がずれていたら遭遇していたかもしれません・・・。

この季節、ヒグマは冬支度に夢中になっています。
遊歩道や林道の近くにも、クマの大好きな果実や木の実がたくさんありますので、鈴などを使用して人間の接近を知らせながら歩いたり、クマスプレーを携帯するなど、クマ対策をして入山するようにしてください。

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2007年09月21日入山カウンター (登山者カウンター)

知床国立公園 羅臼 石名坂 豪

 知床国立公園内の各登山口や主要歩道の入口には、利用者の動向を把握するための「入山カウンター」と称する機械が設置されており、羅臼町側では計5台が稼働しています。

 外観はこんな感じです。


 この機械には赤外線センサーがついており、その前を人が通過すると、進行方向、日付、時刻などを記録するようになっています。

 入山カウンターのデータ回収や機械本体の保守・点検は、知床AR(羅臼・ウトロ)の多様な業務の一つです。回収してきたデータは自然保護官事務所のパソコンで読み取り、エクセル上でカチカチと20段階くらい作業をおこなうと、集計表ができあがります。こうして作られた集計表が、知床国立公園の「利用適正化検討会議」などで配布される資料の基となり、国立公園であり世界自然遺産でもある“知床”の現状分析や、今後の方向性に関する議論に活用されています。

 前を通過する人々を毎日黙々と数え続ける入山カウンター。時々へそを曲げることもありますが、おおむねよく働いてくれています。彼らは雪が本格的に降り始める頃までの期間、国立公園内各地の登山道や歩道の入口に立ち続けます。

 さて折角なので、入山カウンターのデータからわかったことの具体例を1つ。
 日本百名山の1つである羅臼岳には登山口が2つありますが、そのうち「羅臼温泉登山口」からの入山者が「岩尾別登山口」のそれより相当少ないことは、以前から感覚的に知られていました。それがカウンターデータから、岩尾別側の15分の1程度しか入山者がいなかったことが判明しました(2006年データ)。登山ルートを覆い隠す大規模な雪渓が真夏まで残り、標高差1600m弱を5-7時間かけて登る厳しいルートが、上級者以外には敬遠されていることをよく物語っている数字でしょう。

 ちなみに羅臼温泉から羅臼岳山頂までを往復するなら、所要10-12時間はみておかないと危険です。

羅臼岳登山道(羅臼温泉ルート)の終盤に待ち受ける「屏風岩」の急登。
今年の7月1日、山開きの日に撮影。

屏風岩を越えた先にも難関あり。「お花畑」の分岐点付近で、正規ルートを完全に覆い尽くす広大な雪渓(7/1撮影)。ルートをよく知っているか、地図読みができる人以外は迷いやすく、今夏も遭難しかけた人がいました。
8月に雪が減った後ならば、コースを教える誘導ロープが雪渓上に張られます(環境省→羅臼山岳会の委託事業)。しかしあたり一面が雪に覆われ、看板も完全に埋もれている7月は、そのような手段でのルート表示は困難です。

登山道の真ん中に落ちていたヒグマの山盛りウンコ。クマも登山道を利用しています。
でもクマはティッシュを山に捨てていかない分、人間よりはマナーが良い?

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2007年09月14日来館者の声

知床国立公園 羅臼 佐々木 尚子

今年5月に開館したばかりの羅臼ビジターセンターの来館者数は、8月13日までで19,312人となり、まもなく2万人を超えようとしています!旧ビジターセンターの2006年度の来館者数8,760人は7月中旬にぬりかえ、現在も着々と来館者数を増やしています。
こんなにたくさんの方が訪れている羅臼ビジターセンターで、来館者は何を感じたのか?そして、知床の自然についてどれだけ理解して帰られているのか?それを知るために、8月12日、羅臼自然保護官事務所で受け入れた4名の夏期実習生に頼んで「来館者の声」を聞いてもらいました。
12日の来館者数は326人。その内125人の方から貴重なご意見をお聞かせいただきました。

館内で一番印象に残ったのは?と言う質問では・・・

第3位!「さわれる展示」12%(17人) 
中でも特に箱の中に入っているものを当てる「何だろうBOX」や着ぐるみが人気のようです。



手を入れるのにちょっとドキドキ。何が入っているか当てられるかな?


第2位!!「映像」17%(23人)
知床の四季の移ろいとそこで生活する動物たちの姿を写したハイビジョン映像「知床・羅臼の四季」(約30分)を150インチの大画面で見ることができます。

そして堂々の第1位は!「剥製類」47%(65人)
いくつかある剥製の中でも、泳いでいるようなかたちで展示されているトドやカラフトマスを食べるヒグマの剥製が良い!と言う方が多数いらっしゃいました。




まるで泳いでいるようなトドの剥製



カラフトマスにかぶりつくヒグマの剥製。迫力満点です!


そして、羅臼ビジターセンターを利用した感想は?と言う質問には、「羅臼の奥深さがよく伝わった」、「知床の大自然を大切にする心を持つきっかけとなった」など知床の自然を理解し、大切にしたいという嬉しい反応がたくさんあった反面、「エゾシカやキタキツネなど他の動物の剥製をもっと置いてほしい」、「植物に関する展示がもっとあっても良いのでは?」などのご意見もいただきました。
これらの貴重なご意見は、たくさんの方が知床・羅臼の自然を理解し、また来たい!と思っていただけるようなビジターセンターにしていくため、役立てていきたいと思います。

あなたも迫力あるトドやヒグマに会いに羅臼ビジターセンターを訪れてみてはいかがでしょうか?そして今後のビジターセンターのためにも貴重なご意見・ご感想をお聞かせください!

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2007年09月11日車中泊の問題点

知床国立公園 羅臼 石名坂 豪

9月になってから一般観光客の姿は減りましたが、定年後のセカンドライフを楽しんでおられるキャンピングカーの長期滞在者や、マス釣り客の姿は羅臼町内でまだまだよく見かけます。これらの方々の多くは車中泊です。

キャンプ場に泊まってくれればまだ良いのですが、ゴミ収集をしている羅臼町が徴収している「利用協力金 300円 / 日」の支払いを嫌って(?)、あちこちの駐車場や漁港内などで、車中泊をしている方をよく見かけます。

さらに羅臼町内では、コンビニにゴミ箱がありません。
1枚100円の羅臼町指定「観光客専用ゴミ袋」に入れて取扱店に持ち込む以外、コンビニで買った食べ物から出たゴミであっても、原則として引き取ってもらえません。

たしかに不便だとは思います。しかし、だからといってゴミの不法投棄をしないよう、くれぐれもお願い致します。

昨日も「ヒグマレストラン」(前回投稿参照)から距離80 mの駐車場で、散乱する枝豆や焼き鳥串などの車中泊系ゴミを回収しました・・・

できれば車中泊はやめて、町内の民宿か、せめてキャンプ場に泊まっていただきたいところです。

あなたが車を駐めて、荷物を広げているそこの駐車場!

そこも、「ヒグマレストラン」から200 mしか離れていませんよ! 

昨日そこのヤブにもチェックに入ったら、シカ以外の獣の「ガサガサ、ピタッ。シーン」という音がしましたよ!敢えて近づいて、クマかどうか確認するのはやめておきましたが・・・


ヒグマのレストラン 一例

クマさんの食べ残し

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2007年09月11日ヒグマのレストラン

知床国立公園 羅臼 石名坂 豪

9月10日(月)、天気:雨。
土曜日の台風の影響で、自然保護官事務所近くの沢が増水し、そこにもカラフトマスが遡上していた、との情報を前夜に聞いたため、さっそく現地へ確認に行きました。

するとたしかに、水深が15cmもないような浅く細い沢の中に、カラフトマスが入り込んでいました。

よく見ると、明らかに体に厚みがある大きな魚も、1尾混ざっていました。おお、もうこんな上流まで遡上してたんだなあ。シロザケです。

沢が浅すぎて、完全に背中が水面上に出ていました。

しかしこんな浅い沢に、大きな魚がたくさん入り込んでいるとなると、ヒグマにとって良い漁場になりそうです。この沢は道路の下を土管でくぐって、反対側にいくとヤブの中を流れています。

そこで、大きな声を出し、腰のクマ撃退スプレーのホルダーに手をかけながら、20mほど沢の中を歩いて進むと・・・・

予感的中。

食いちぎられたマスの死体が散乱していました。

周囲のフキをなぎ倒して、「大きな生き物」が座ってマスを食べたように見える場所も、何ヵ所か発見しました。

明瞭な足跡や糞は発見できませんでしたが、キツネやシマフクロウの仕業にしては、マスの食いちぎり方やフキのなぎ倒し方が豪快すぎます。どうやら予想通り、ここのヤブの中はクマさんのレストランになっていたようです。

ヒグマのレストランから道路までの距離は、近いところでは10-15 mくらい。

レストランからは、道路を走る乗用車やバスが見えます。

ヒグマが食べ残したマスと・・・

振り返ると見える、道路を走る観光バス。いやあー、やっぱ近いなあ(苦笑)。

この道路は私も毎日、通勤その他で車を走らせている道です。鈍感な人間が気付かないだけで、ヒグマは人間のすぐ近くでヤブに姿を隠して行動していることを改めて実感しました。さすが知床!ですね。

※ 知床は市街地周辺を含む全域が、ヒグマの生息地です。
危険な餌付けグマを作り出さないよう、いつでも、どこでも、ゴミや食べ物の管理は厳重にお願いします。
駐車場でテント張ってバーベキューして、酔っぱらって残飯が朝までそのまま・・・なんていうのは最低最悪です。

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2007年09月03日知床岬への道のり

知床国立公園 羅臼 佐々木 尚子

8月29日、知床半島の観音岩・ウナキベツ川に設置してあるカウンターデータの回収(このカウンターは知床岬方面の知床岳と知床岬への利用者数を調べる目的で設置してあります。)と巡視を行ってきました。
知床半島の羅臼側は相泊までは車で行けますが、そこから知床岬までの約20kmは道がありません。観音岩・ウナキベツ川は道が無くなる相泊から知床岬方面へ約4km。距離的にはたいしたことないなぁ?と思うかもしれませんが、その道のりはなかなか大変です!

まず、第一の難関は「昆布」です。
羅臼昆布の漁期にあたるこの時期は、海岸線に立ち並ぶ昆布番屋で、昆布干しをしています。昆布はならした石の上に干されているのですが、土がついたり、少しでも形が崩れたり、傷が付くと等級が下がり、値段がかなり下がるとか・・・。昆布干場に極力迷惑がかからないよう、緊張しながら干し場の最も海岸沿いを通りました。

そして、第二の難関は「石浜」です。
番屋を過ぎると、大小様々な大きさの石が海岸線を埋め尽くし、石から石へと飛び移って行かなければなりません。ここを歩くとかなりバランス感覚が鍛えられます(笑)。

最後の難関は「岩壁」です。
観音岩には、ほぼ垂直に近い約20mの岩壁がそびえ立っています。これを超えなければ、先へ進むことはできません。足場を確認しながら慎重に登っていきます。息を切らして岩壁を超えると、ウナキベツ川の清流の音が聞こえてきます。河畔林の木陰はとても涼しく、岩壁越えの緊張感もほぐれていきました。

この先、知床岬まではさらに厳しい難所がいくつも待ちかまえている上、ヒグマとの遭遇など危険度はさらに増しています。知床岬を目指す人は、十分な計画、気力、体力、判断力、そしてかなりの“勇気”が必要かもしれません。



海岸線に続く石浜

観音岩の岩壁
下から見上げるとほぼ垂直

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2007年08月28日カラフトマスの遡上

知床国立公園 羅臼 石名坂 豪

 8月上旬以降、羅臼の河川ではカラフトマスの遡上が始まっています。羅臼市街から相泊までの間にある河川のうち、車を停めやすいところにある7本ほどについて、河口部付近の最新マス遡上状況を巡視時にチェックしてみました。

 残念ながら、河川に入っているマスの数はまだ少ないようで、遡上中のマスを橋の上から確認できた河川は3本だけでした。サケ科魚類専門家のお話では、「今年はカラフトマスの回帰が早い」とのことですが、知床の羅臼側(根室海峡側)において、小さい河川もマスで真っ黒になるのは、まだ少し先なのかもしれません。

なお、川に入ったカラフトマスやシロザケ(鮭)を釣ったり捕まえたりするのは、水産資源保護のための法律や条例(水産資源保護法・北海道内水面漁業調整規則)で禁止されています。昨年、アイドマリ川でカラフトマスのつかみ取りを楽しんでいる観光客の方を見かけましたが・・・密漁行為になりますので、くれぐれもご注意ください!
(詳しく知りたい方は、北海道庁の水産林務部ホームページをご覧ください。)

 川に大量に遡上するカラフトマスやシロザケは、ヒグマやシマフクロウの重要な餌でもあります。彼らのためにも、川に入ったマスやサケは捕らないようにお願いします。河口や海で釣るときにも、数はほどほどに・・・・


河口付近で群れるカラフトマス

カラフトマスの雄

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2007年08月16日早朝おさんぽ観察会

知床国立公園 羅臼 佐々木 尚子

8月14日(火)から、羅臼ビジターセンターで、早朝おさんぽ観察会が始まりました。8月に入ってから、羅臼では珍しく30℃近くまで気温が上がる日もあり、涼しい早朝は観察会にぴったりです。
環境省で受け入れている実習生が来ていたので、学生を連れて参加することにしました。完全な夜型人間の私は、早起きは大の苦手・・・。朝、目覚まし時計と30分格闘し、何とか起き出して観察会へ向かいました。

観察会のコースは、有名な無料露天風呂「熊の湯」の駐車場を出発し、まず、知床横断道路(国道334号線)沿いを熊越の滝遊歩道入り口まで歩きます。そして、遊歩道を散策しながら熊越の滝を目指します。
出発前に、コース周辺で見られる花や鳥などの写真が載っている手作りパネルを配布し、パネルをヒントにみんなで周りを探しながら歩きました。
熊越の滝遊歩道の途中には、温泉が湧いていて、触れるところがあります。湧き出す温泉に、おそるおそる手を入れた参加者が「おっ!ぬるい・・・。」と一言。ボコボコと音をたてて湧き出ているのを見て、かなり熱いと思っていたようです(笑)。


ヨツバヒヨドリ、ミミコウモリ、ウツボグサなどの花やオトシブミの揺りかご、アワフキムシの泡を観察しながら歩くこと約50分、熊越の滝展望台に到着しました。滝のよく見える川の近くまで下りると、勢いよく流れ落ちた水が辺りに漂い、ひんやりとしています。川には、白い花を咲かせたバイカモが流れに漂い、オショロコマの泳ぐ姿も見ることができました。ここでは森の外の暑さも忘れ、ゆったりと過ごすことができます。


観察会は8月19日まで開催されています。皆さん是非参加してみてはいかがですか?きっと爽やかな空気の中で羅臼の自然を感じることができるはずです!

ボコボコと激しく湧き出す温泉

熊越の滝
運が良ければ、カワガラスの採餌風景が見られるかも!?

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2007年08月10日外来種とのたたかい

知床国立公園 羅臼 石名坂 豪

 8月1日(水)。ひさしぶりによく晴れて、羅臼も暑くなりました。昼休みにチェックした海岸線の気温は、22度(笑)。ただ陽射しが強いため、冷たい海から少し離れた羅臼温泉(湯ノ沢)付近の気温は、もう少し高かったはずです。
 そんな暑い中、「熊越の滝」下流付近の河原に出かけました。目的は、河原一面に広がる外来植物の駆除です。ここは知床国立公園の第2種特別地域で、世界遺産区域でもあります。
 さて河原に下りると、強力なトゲと生命力をもつアメリカオニアザミ(セイヨウオニアザミ)をはじめ、フランスギク、セイヨウノコギリソウ、メマツヨイグサなど、外来植物の花畑になっていました。かろうじて頑張っていた在来種は、ヨツバヒヨドリとコウゾリナくらい。この日は3人で計1000株近くのオニアザミを、長い剪定バサミを用いた手作業で駆除しましたが、あと1、2回は同じ場所で作業しないといけなそうです。オニアザミの固いトゲは、ふくらはぎや指に容赦なく刺さってくるためとても痛く、なかなかしんどい作業です。ちなみに、同じ場所でのオニアザミ駆除はもう4年目になります。昨年は私も参加し、かなり頑張って刈り取ったつもりだったのですが、どうやら目立たない1年目の株(ロゼット)を中心に、まだまだ多数の見落としがあったようです。

 オニアザミに限らず、ひとたび侵入・定着を許してしまった外来種を生態系から除去するためには、大変な労力を必要とします。かといって事前レクチャーが不十分なまま多数のボランティア等を動員すると、在来種を間違って刈り取るようなことが起こるかもしれません。

 とはいえ、早くしないと彼らはドンドン種子をつけてしまう。相泊方面のアメリカオニアザミやジギタリスも、早く刈り取りに行かないと・・・シカ道に沿って、どんどん山奥の方へ侵入しているんです。元を断つためには道路沿いも何とかしないと・・・国立公園区域内でも、道路の法面(のりめん)は外来植物の宝庫になってしまっています。

 一方、外来動物では、アメリカミンクが羅臼の河川沿いにたくさん生息しています。ミンクとシマフクロウとの間にエサの競合が起きていないのか、とても気になっています。

 日本人が目覚めるのが遅すぎた感のある外来種問題、あきらめて放置するわけにも行きません。しかし生態系への影響が大きそうな種に駆除対象を絞ったとしても、知床世界遺産エリアからの外来種除去は、先が見えない、はるかに遠い道のりとなりそうです。


写真1. 外来種主体の花畑。アメリカオニアザミ、フランスギク、シロツメクサ、ムラサキツメクサ・・・唯一写っている在来種の花は、ヨツバヒヨドリのみ。

写真2. アメリカオニアザミ(セイヨウオニアザミ)の花。花はキレイですが、トゲがやる気満々です。2年目に開花・結実すると言われています。

写真3. アメリカオニアザミの1年目株(ロゼット)。一丁前にトゲがあります。若いくせに、そのトゲは在来アザミ類のそれよりも痛いように感じます。根ごと引き抜こうとしても途中で切れたりして、なかなか上手に抜けません。そんな根から、来年また復活する?

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2007年06月25日ヒグマが見えるビジターセンター

知床国立公園 羅臼 石名坂 豪

 6月1日(金)の朝、出勤してメールチェックをしていると、なにやら建物(自然保護官事務所が同居している羅臼ビジターセンター)の外からワイワイ言う声が聞こえてきました。となりの事務所に詰めている知床財団スタッフがプロミナ(野鳥観察用望遠鏡)を借りに来たので聞いてみると、「またクマが見えてます」とのこと。
 私も早速館外に出て、いつもの斜面を探してみると・・・いました!
肉眼でもなんとか見える距離、ビジターセンターからの距離約700mの急な斜面(標高250-300m付近)でヒグマが1頭、地面の草をモシャモシャ食べているのが見えました。首周りの金色の毛と、体の黒い毛とのコントラストがきれいな個体でした。
 ちょっと遠くて望遠鏡でもはっきり見えませんでしたが、だいぶ伸びたフキノトウを食べていたようです。時々草を口にくわえたまま、顔を上げる様子が愛嬌満点でした。

 5/24に新築・移転オープンした羅臼ビジターセンターからは、同じ斜面で何回かヒグマを観察できています(観察日:5/25、5/30、6/1、6/21)。移転前には冗談半分で話題にしていた、「ヒグマが見えるビジターセンター」は、どうやら現実になりました。でも、「見える」だけならまだ良いですが、「近くで遭える」、あるいは「周囲をうろつく」ビジターセンターにはならないよう、ヒグマの動向やゴミの管理には、今後も注意していきたいと思います。お客さんや私たち自身の安全のためにも・・・・

<おしらせ>
 知床の自然を紹介する環境省の施設である、「羅臼ビジターセンター」が5月24日に移転オープンしました。是非お越しください。
羅臼ビジターセンターのホームページはコチラ →  http://rausu-vc.jp/


写真1. デジスコで撮影したヒグマ(6/1 羅臼ビジターセンター駐車場より)。望遠鏡で「見る」だけなら、もっとクリアーに見えました

写真2. 羅臼ビジターセンターの駐車場から見た、ヒグマが観察ができる斜面。実は有名な無料露天風呂「熊の湯」の裏山にあたる。中央の黒い点がクマ

おまけ写真:5/30に、6/1とほぼ同じ斜面で観察された親子グマ。当歳(今春生まれ)の子グマ2頭連れ。子グマが急斜面や雪渓でこけてズリ落ちる、ほほえましい姿が遠くから長時間観察できました

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