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アクティブ・レンジャー日記 [北海道地区]

北海道地方環境事務所のアクティブ・レンジャーが、活動の様子をお伝えします。

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知床国立公園 羅臼

181件の記事があります。

2018年08月08日知床・羅臼の身近な植物4

知床国立公園 羅臼 宮奈光一郎

 あっつい!7月のはじめ雨が多かった羅臼は、最終週に入りいきなり暑くなりました。せっかく涼しいところに来たのにと愚痴を零す方々を見かけるほどです。(そんなことを思ってこの記事を書いていたら急に涼しさが戻ってきました。8月に入り羅臼らしいひんやりとした夏が戻ってきています。最高気温は高くても25℃ほど。もはや秋とも思えてしまう日々が続いております。)

 そんな暑い夏の日にはあまり出会いたくない植物がいます。

青い空の下、濃い緑色の葉をまとわりつけたハイマツの枝とその後ろに広がるハイマツ帯(2018年7月撮影)

 それがこちらの植物、皆さんご存知ハイマツです。トゲがあるとか刺激物を出すといったことはありません。問題はハイマツの周辺は非常に熱がこもるということです。ハイマツ帯の中に入るととにかく暑いのです。まだ風が冷たい季節はいいのですが、今の時期はどうにも避けたい気持ちが出てしまいます。

 そんな夏には避けたいハイマツですが、他の生きものにとっては住み心地の良い環境を提供しているようです。今回はそんなハイマツの下で見られる植物を少しご紹介します。

ハイマツ帯の下で白い小さな丸い花束の様に花をつけるイソツツジ(2018年7月撮影)

 こちらはイソツツジ。幾つもの白い小さな花を玉の様につける植物です。ハイマツに覆われて少し暗くなった林内でひときわ目立つ植物です。

密に伸びたハイマツの根元でピンク色をした三角形の灯籠の様な形をした2対の花をつけるリンネソウ(2018年7月撮影)

 写真左側に薄ピンク色をした二輪の花が目に付くでしょうか。こちらリンネソウです。「リンネ」はラテン語による二名法の発案者とされる、カール・フォン・リンネ(植物学者・瑞)を記念したものだそうです。ハイマツの下に密生して生え小さなお花畑をつくることもあり、一瞬、ハイマツ帯がオアシスに見えます。

茶色い枯れたハイマツの葉が敷き詰められた地面の上で花を咲かせるミヤマフタバラン(2018年8月撮影)

 最後はこちら。ミヤマフタバランです。少し見えにくいと思いますが、写真右手に三角形に近い形の葉っぱが2枚対になってついている植物です。夏のハイマツ下でひっそりと生えているランの一種です。見付けたときは宝物を見付けたような気持ちになります。

ハイマツに囲われてトンネルの様になった尾根筋(2018年7月撮影)

 ハイマツの下に潜ると吹いていた風をほとんど感じなくなります。そのためかハイマツの中はいつも暖かい(暑い)です。気象が変化しやすい山の上ではハイマツが地面を覆うことで比較的安定した環境が生み出され、様々な動植物が生きていけるのではないでしょうか。

 山に登られた時は是非、ハイマツの有るところと無いところの違いを肌で感じてみてください。

※イソツツジはすでに花期を終えていますが、リンネソウ、ミヤマフタバランは今が花期の盛りです。

-おまけ-

淡い茶色がかかった緑色したミヤマフタバランの花(2018年8月撮影)

ミヤマフタバランの花

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2018年07月06日知床・羅臼の身近?な植物1

知床国立公園 羅臼 宮奈光一郎

 7月、知床・羅臼はこの時期天候が落ち着くことが多いのですが、今年は停滞前線が北海道に伸びてきてしまい、毎日雨が降っております。まるで梅雨の様です。そんな天気の悪い日でも山に登ろうとする人を見かけると、シーズンなのだなと思います。
※羅臼岳等を利用される際は、ヒグマに遭遇することも踏まえ、天候判断は厳しく行っていただけたらと思います。

 さて、先月、シーズンを迎える前に知床岬まで現地状況確認のため歩いて行ってまいりました。今回はその途中で出会った植物を一つご紹介します。身近とは言い難いですがご覧ください。

全体的に淡い緑色をしていて白い5つに裂けた花をつけるカマヤリソウ(2018年6月撮影)

 こちら、カマヤリソウです。ビャクダン科カナビキソウ属という何とも聞き慣れないグループに分けられている植物です。海岸の風当たりが強い風衝地で確認されています。(今のところ)羅臼で見るには相泊から10km以上海岸を歩いていかなければなりません。

細長く槍先の様な葉身と2枚の苞葉という独特の印象を受ける葉を付けるカマヤリソウ(2018年6月撮影)

 白く小さな花(花弁はなく、白く見えるのはガクです)をぽつぽつと咲かせ、細長く独特の印象を受ける形をした葉っぱをつけています。毎年現地確認の時期(6月中旬)が開花の時期と重なるため、ここ数年連続で花を見ることができております。

他の植物に囲われ、確認が難しいカマヤリソウ(2018年6月撮影)

 背丈は大きくても20cm程度。他の植物に覆われてしまいそうです。見落としやすいこの植物を毎年見付けるのが現地確認の一つの楽しみになりつつあります。

切り立った岩壁をトラバースする職員。足下には深い溝があり、海水で充ち満ちている。(2018年6月撮影)

 知床岬に向かう道のりは、厳しい行程ではありますが海岸特有の植物を沢山見つけることができます。(個人的には2007年に日本新産種として報告されたチシマコゴメグサを一目見たいところです。)自然が生み出した造形美を背後に見る植物の姿は本当に素晴らしいです。この夏、見に行かれては如何でしょうか。

※知床岬を含む知床半島先端部地区は利用を推進している箇所ではありません。

 そのため、登山道等は一切設置されておりませんのでご注意ください。

※カマヤリソウは礼文島やアポイ岳などでも見ることができます。

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 知床先端部地区をご利用の方はこちらをご覧ください。

  シレココ

   →https://www.env.go.jp/park/shiretoko/guide/sirecoco/

  ルサフィールドハウス

   →http://shiretoko-whc.jp/rfh/

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2018年06月07日知床・羅臼の身近な植物3

知床国立公園 羅臼 宮奈光一郎

 「暑い。」と言ったら東京等にお住まいの方々には怒られるかもしれません。初夏を迎えた知床・羅臼ですが最高気温は連日20℃を下回る程度。ですが、冬の寒さを通り抜けた後ではこれでも十分暑く感じてしまうのです。

 さて、今回ご紹介する身近な植物はこちら。

黄色く細長い花弁を5枚付けた花を裏側から撮影したもの。花の付け根に丸いドーム型の出っ張りが目立つ。(2018年6月撮影)

 これは何の花でしょう。花弁は5枚です。やや湿ったところに生えており、渓谷など山中で見かけることが多いと思われます。(微妙な位置から撮影しておりますが、単にわかりにくくするためではありません。)

馬の蹄の様に丸い葉っぱ。葉の付け根が裏側に湾入している。(2018年6月撮影)
 葉の形はこちら。この植物の名前は葉の形が馬の蹄に似ていることに由来しているそうです。

黄色いスミレ、キバナノコマノツメの花。全体的に細長い印象を受ける。(2018年6月撮影)

 正解はこちら!そう、スミレです!これは黄色い花をつけるキバナノコマノツメ(コマは馬の意)と呼ばれるスミレです!

ミズナラの根元に生えるキバナノコマノツメ(2018年6月撮影)

 本州では亜高山から高山で見られることが多い植物ですが、知床では海抜50mに満たない沢沿いでも見ることができます。緯度が高く、全長が短く河口周辺でも渓流のような沢があるからかもしれません。

 他地方で見た植物が意外なところで見つかるのも知床の面白さ。異なる環境に植物がどのように対応しているのか、探して見るのも面白いのではないでしょうか。



 -おまけ-

「スミレを見分けるポイント」

 1.花の色

 2.葉の形

 3.距(花を裏から見るとある出っ張りで蜜の溜まる部分)の色と形

 4.側弁(花の中間にある左右2枚の花弁)の基部に毛があるかないか

 5.地上茎があるかないか(花が先に付いていて茎に見えるのは花柄)

 6.地上茎につく托葉の切れ込みがあるかないかとその形

 この6つの特徴を押さえれば(大方)スミレを見分けることができます(難しい言葉は調べればすぐに分かります)。あとはあるかないか、形、色を見ればいいだけ。是非、身の回りのスミレが何なのか観察してみてください。

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2018年05月31日知床・羅臼の身近な植物2

知床国立公園 宮奈光一郎

 気が付けば桜の季節も終わり、若葉が生い茂る季節が始まっておりました。(とはいったものの北側斜面には遅く開花した桜の花がまだあります・・・。)エゾハルゼミも鳴き始め、初夏の雰囲気が醸し出されてきております。

 さて、今回ご紹介する植物はこちら。

直径5mmほどの淡い黄緑色の花。花弁の先がわずかに凹んでいる花弁が5枚。葉の色と似ているので見逃しやすい。(2018年5月撮影)

黄緑色をしている5mm程の小さなこの花はいったい何の花でしょう。若葉の色に似ているので、新緑のこの時期は葉と区別することなく見過ごしているかもしれません。

薄い黄緑色をしたイタヤカエデの若葉。手のひらの様な5つの突起が目立つ葉はまだ伸びきっておらず、萎れたような姿。(2018年5月撮影)

ヒント、というよりも答えはこちら。葉っぱの形を見ていただければお分かりいただけると思います。そう秋には色鮮やかに紅葉するカエデ(今回紹介しているのはイタヤカエデです。知床ではエゾイタヤとアカイタヤの2亜種が確認されています。)の花です。

薄い黄緑色をしたイタヤカエデの花と葉。日光にかざすと透けて見える。よく見るとアブラムシが枝についている。(2018年5月撮影)

カエデの仲間がプロペラの様な翼のある種を付けることはよく知られていることと思いますが、花をじっくり見たことがある方は意外に少ないのではないでしょうか。(林内よりも林縁や開けた場所に生えているものは、枝を下の方まで伸ばしていることが多いので、観察しやすいと思います。)

 花と聞くと赤やピンクといった華やかなものを想像することが多いかもしれませんが、人の目には目立って映らないものも沢山あります。足下に広がるお花畑もいいですが、こうした身近に咲く何気ない花を探してみるのも面白いのではないでしょうか。

 -おまけ-

直径7mmほどの小さな赤い花が提灯の用に葉の下に垂れ下がって咲くハウチワカエデ(2018年5月撮影)

  赤い花が提灯のように垂れ下がって咲くハウチワカエデ

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2018年04月26日知床・羅臼の身近な植物1

知床国立公園 宮奈光一郎

 東京ではとっくに桜が散っておりますが、知床・羅臼周辺はようやくフクジュソウが咲き終わろうとしているところです。桜が咲くのは早くてもGW終盤ではないでしょうか。

 春。雪解け後真っ先に花を咲かせるSpring ephemeralたちに目を奪われる季節です。そんな植物が身近にあると思わず脚を運んでみたくなるものです。皆さんの周りにはどんな植物が生えているでしょうか。

 知床には大小様々、およそ1000種の植物が確認されています。海岸から高山帯に至る様々な環境が凝縮されたこの半島はまさに植物の宝庫。そんな知床で見られ身近な植物を今回から1年間(予定)紹介していきたいと思います。

 さっそく見ていきましょう!

 まずはこちらから!

雪解けの岩場にて岩陰に生える植物(2018年4月撮影)

雪解けすぐの岩場で大きな葉っぱを見つけました。

 なんでしょう。もう少し近付いてみます。

もうすこし近くで見た岩陰の植物。葉の長さは20cm以上で表面は光沢がある。(2018年4月撮影)

                     

長さ20cm以上の表面に光沢がある葉っぱが3枚。これはいったいなんでしょう?

葉の裏側を除くと茶色ものがついている(2018年4月)

 お、葉っぱの裏側に何かがついている!

葉の裏側の葉脈上につく茶色筋(ソーラス)(2018年4月撮影)

 お気付きでしょうか。そう、こちらはシダ植物の仲間です。茶色の帯は胞子嚢(ほうしのう)と呼ばれる胞子をつくる器官が集まったもの、胞子嚢群(ソーラス)です。シダ植物の特徴の一つで、種類を見分けるときの重要なポイントです。

 これはコタニワタリ(Asplenium scolopendrium)。※見つけた場所:温泉園地遊歩道

 北海道から九州にかけて分布しており、山地の樹林下でよく見られる身近な植物です。一年中葉をつけており、春先のまだ緑が少ない知床を彩ってくれています。見つけたら葉を裏返してきれいに並んだソーラスを観察してみてください。

 今回の様に身近だけどマイナーな植物も含めて紹介していきたいと思います。

紹介する植物は知床だから身近というわけではありません。身の回りにないか是非探してみてください。

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2018年02月02日冬を満喫していますか?

知床国立公園 羅臼 宮奈光一郎

 新しい年が始まったと思えば早くも2月を迎えておりました。月日の経つ早さに驚く今日、皆様はどのようにお過ごしでしょうか。

 今年は東京など本州でも雪が多いようですが、こちら知床・羅臼は例年にない積雪の少なさで、雪かきをしなくてすむ日が続いております。ただ非常に気温が低く最低気温が-10度を下回る日が多いです。

 さて皆さんは雪とどのように遊んでいますか。スキーやスノボーで楽しむ方が沢山おられるかと思いますが、こんな遊び方は如何でしょうか。

樹林帯をスノーシューを履いてお散歩する羅臼町の小学生(2018年1月撮影)1.スノーシューでお散歩

雪が降り積もれば普段いけないところでも自由に歩き回ることができます。

新たな場所に足を踏み出せば新しい生きものとの出会いがあります。

大型のビニール袋の中に入り斜面を滑る羅臼町の小学生とそれを見て楽しむ引率者(2018年1月撮影)2.どこでもできるソリ滑り

定番ではありまますが、ただソリを使うのではなく、日用品を使うなどして簡単に楽しめます。

最近発見したのは、スピードを求めるならゴミ袋に体を入れて滑るのが良いということです。

真っ白い雪の上に数人で寝そべりながら人絵を描く羅臼町の小学生(2018年1月撮影)3.雪上で人絵

人数が集まれば雪の上に寝そべって絵を描くこともできます。

天然の真っ白なキャンバスに自ら絵を描いて見てはどうでしょう。

(これは何の絵だろう・・・)

※今回は羅臼町の小学生と行ったスノーシュートレッキングにおいて撮影した写真を使用しています。

 「寒くて朝起きられない。」何て言っていると雪のある時期もあっと言う間に過ぎてしまいます。今だからできること、見られる景色を寒さにめげず楽しんでみては如何でしょうか。

おまけ

氷に水生昆虫をたたきつけるカワガラス

氷の上に水生昆虫をたたきつけるカワガラス

バチン、バチンとかなり派手にやっておりました。

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2017年09月26日紅葉がはじまるよ!

知床国立公園 宮奈光一郎

 9月も終盤を迎え、知床の空はすっかり秋模様となりました。山は山頂の方から色づき始め、日に日に鮮やかさを増しております。今回は羅臼湖(9/20)と羅臼岳(9/25、羅臼側登山道)の紅葉状況をお伝えいたします。まずは羅臼湖から。

葉が黄色く色づき始めたダケカンバに包まれる羅臼湖遊歩道(2017年9月撮影) 羅臼湖に向かう遊歩道周辺の様子です。紅葉に包まれるといった印象はまだ受けませんが、秋の深まりを感じます。今年は例年よりも葉の色づきが良い様な・・・。

羅臼岳が逆様に写る3の沼。周辺の湿原はすっかり黄色に覆われていただ。(2017年9月撮影) こちらは逆さ羅臼岳で有名(?)な3の沼です。足下の草本はすっかり秋の色に変わっておりました。

秋の雰囲気に包まれる羅臼湖。目の前に聳える知円別岳は黄色と赤に覆われようとしていた。(2017年9月撮影) そして羅臼湖。展望台の目の前にそびえ立つ知西別岳(チニシベツダケ)は黄色や赤の絨毯に覆われようとしていました。周辺の湿原は黄色に覆われており、秋の清々しさを吹き抜ける風と共に届けてくれます。

 紅葉の見頃は全体的にもう少し先といった印象でした。ですが、1週間以内に見頃へ突入するような雰囲気が漂っております。

 続いて羅臼岳。

紅葉に包まれる屏風岩。眼下に見える樹林帯も濃い黄色と赤に包まれていた。(2017年9月撮影) すでに山頂の方から見頃を迎えておりました。標高1300mを越えたところにある屏風岩は一面が紅葉に覆われており、ため息が出るほどの美しさでした。

紅葉に包まれた登山道。うっすらと霧が立ち込め、幻想的な雰囲気が漂っている。(2017年9月撮影) 屏風岩の眼下にある樹林帯も見頃を迎えており、登山道を歩いていると頭上が美しい紅葉で満たされていきました。

 山頂から標高900mほどまでは見頃を迎えております。標高が低いところでは見頃がもうすぐそこまで来ているという印象でした。

 10月の末には山が雪を被り始める知床。秋はすぐに終わりを迎えてしまいます。厳しい冬に突入する前に美しい知床の植物たちの姿を目に焼き付けてはどうでしょうか。

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2017年08月08日知床岳を知っていますか?

知床国立公園 羅臼 宮奈光一郎

 8月。夏本番を迎え、知床は賑わいをさらに増しております。ヒグマやエゾシカを道路沿いで見かけれると隣に車両の列が出来ているという、なんだか知床の夏の風物詩の様な状況をよく見かけます。

※車両の中であろうとヒグマに近づくことは非常に危険です。また、人に慣れさせないためにもヒグマの周辺

で車両を停車して観察するようなことは避けてください。

 観光地として非常に有名な知床。もう何回も足を運んだよという方も多いかと思われます。そんな人でも知床岳を知っている、登ったことがあるという人は少ないのではないでしょうか。それもそのはず、知床岳は羅臼の道路が終わる相泊というところから14時間ほど歩いていかないと辿り着けない山なのです。

 今回は知床の中でも秘境の様な知床岳、その道中で見た景観をご紹介します。

森に囲まれた溜まった水が青く見える青沼(2017年7月撮影) まずはこちら、青沼です。沼全体が濃い青色をしており、見たままの名が付けられております。周辺ではコマドリやキビタキなどの鳥たちの声が響き渡っていました。

むき出しの岸壁がそびえ立ち、崩れた岩が堆積した崩壊地(2017年7月撮影) お次はこちら、崩壊地です。むき出しの岸壁がそびえ立ち、少し突けばガラガラと音を立てて崩れて行きそうな危うい岩が堆積しています。岸壁にはアマツバメが巣を作っており、勢いよく頭上を旋回していきました。ここからは国後島を一望することもでき、山と海が同時に見渡せる半島ならではの景観を楽しむことができます。

知床岳から太平洋とオホーツク海を二つに分ける知床半島を望む(2017年7月撮影) 最後はこちら、知床岳山頂周辺から見る知床連山です。知床半島が太平洋とオホーツク海を二つに分けていることがはっきりと見て取れます。後ろを振り向くと知床岬を眺めることができ、ポトピラベツ川を遡上するようにオジロワシが上空へ舞い上がっていく姿も見ることができました。

 その道中で多様な景観を望めることができる知床岳。皆さんにも是非おすすめしたいのですが、残念ながらここには登山道がありません。知床岳は知床半島先端部地区にあり、知床の中でもより原生的な自然が残されている場所の一つだからです。

 知床は自分の足で歩かないと中々その豊かな姿を見せてくれません。この夏に知床を歩き回ってその姿を見に行ってみては如何でしょうか。

※どこでもヒグマが出るので安全なところはありませんが・・・

※巡視状況についてはルサフィールドハウスのHP上に公開しております。

 こちらもご覧ください(ご覧になりたい記事のタイトルをクリックしてください)。

   ↓↓↓

 記事1:「7月25日から27日【知床岳】巡視報告1相泊から知床沼へ

 記事2:「7月25日から27日【知床岳】巡視報告2知床沼から知床岳へ

 記事3:「7月25日から27日【知床岳】巡視報告3知床沼の使い方

-おまけ-

道中で見かけたイワイチョウの花。知床で見られるのはここだけらしい。

白く淵が波打つ花びらを5枚つけたイワイチョウ(2017年7月撮影)

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2017年07月11日北海道の生き物あるある

知床国立公園 羅臼 宮奈光一郎

 7月を迎え、知床にもじんわりと汗をかく季節が訪れました。観光客も次第に多くなり、羅臼ビジターセンターには連日観光バスがやってきます。(7月から9月の夏期期間、羅臼ビジターセンターでは通常休館日である月曜日も開館しております。是非、足を運んでみてください。)

 ヒグマも活発に活動しているようで、沖ではシャチやミンククジラも見られており、野生動物の姿を間近で見ようと来られる方も沢山います。そんな方々からよくこの様な声を聞きます。

 「痩せていて可愛そう。食べ物がないんだね。」

 誰に向けてかけられている声かというと・・・

雪原に立つ毛がふさふさのキタキツネ(2016年2月撮影)

 そう、北海道では野良猫よりも見かける生き物、ご存知キタキツネです。多くの方が思い浮かべるキタキツネは、この写真の様な毛がふさふさした状態ではないでしょうか。しかし、これは冬の姿。今の時期はというと・・・

毛が抜け落ちてほっそりとした夏毛のキタキツネ(2017年6月撮影)

 こんな感じです。確かに冬の姿と比べると毛が抜け落ち、尻尾もほっそりとしているため、飢えに苦しんでいるように見えてしまいます。ですが、キツネは犬の仲間。夏になれば毛が抜け落ちるのです。見た目は可愛そうに見えてしまうかもしれませんが、じっくり観察していると、彼らはとても快適に過ごしておりますよ。

気持ちよらそうに毛繕いをするキタキツネ(2017年6月撮影)

 この時期になると食べ物欲しさに近づいてくる「おねだりキツネ」をいつもより見かけるようになります。キタキツネは警戒心が強い生き物ですが、一度安全だと分かると大胆な行動に出るものもおります。人に慣れてしまうと車にも近づくようになり、思わぬ事故につながる恐れがありますので、不用意に食べ物を与えて事故の危険性を高めることがないよう、ご配慮ください。

※もちろん、ヒグマには絶対に食べ物を与えないでください。

 ーおまけ-

枯れ草の上で気持ちよくなり眠そうなキタキツネ(2016年10月撮影)眠そうなキタキツネ(秋)

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2017年06月01日今年初の羅臼岳登頂!

知床国立公園 羅臼 宮奈光一郎

 6月に入り、知床・羅臼も新緑の季節を迎えております。駆け足で春が過ぎていき、気がつけば初夏の陽気が漂っておりました。思わず山に足を運んでしまう季節です。

 少し前になりますが、5月18日(木)に今年初の羅臼岳巡視を行ってきました。今回は山頂からの景色をご紹介させていただきます。この日は雲が空を覆うことなく、風もほどよく吹いており、まさに山に登るための一日でした。山頂で待っていた景色は・・・

でん!(画像をクリックすると迫力のある写真がご覧いただけます。)

羅臼岳山頂より快晴の青の雪の白のまだら模様に包まれる知床連山を望む(2017年5月撮影)羅臼岳山頂より岬側を望む

ででん!

羅臼岳山頂より半島基部方面を望む(2017年5月撮影)羅臼岳山頂より半島基部側を望む

 太平洋とオホーツク海を分ける半島ならではの景観を、今までで一番鮮明に見ることができました。国後島も島全体を肉眼ではっきりと捉えることができ、島が海に映る姿もじっくりと眺められました。7時間かけて登った疲れが吹き飛ぶほどです。

(羅臼岳はウトロ側は4から5時間、羅臼側は7から8時間と登頂に要する時間が異なります。各登山道で見られる景観も異なり、それぞれで知床の多様な姿を垣間見ることができます。)

羅臼岳山頂直下にて雪の残る急傾斜を登る職員(2017年5月撮影)山頂まで後少し!

 山頂に立つと半島のほぼ真ん中に立っていることがよく分かります。山にも海にも囲まれた景色はまさに知床ならでは!今年の山シーズンには是非、羅臼岳登頂を試みては如何でしょうか。

ーおまけー

山頂直下で見つけた猫の頭部の形をした岩(2017年5月撮影)山頂直下で見つけた猫岩(勝手に命名。知床だから熊岩かな?)

注意1) 6月に入り雪解けが進んでおりますが、登山道にはまだかなりの雪が残る箇所があります。

    開けた場所(羅臼側では泊場、屏風岩、お花畑周辺)では目印となるものがなく、霧が濃く

    立ちこめた場合は方向を見失う可能性が高く危険です。雪山装備はもちろん、天候、雪渓 

    状況等の情報収集をきちんとしていただき、安全第一でご利用ください。 

注意2)ヒグマ対策も忘れずに!

参考1)羅臼ビジターセンター:http://rausu-vc.jp/mt_rausu/2017/05/518.php

雪渓が広がる屏風岩周辺。霧が濃いと遭難の危険あり。(2017年5月撮影)雪が残るお花畑周辺。目印となるものが全くありません。

(写真は5月18日の状況ですが、現在もかなりの残雪が見られます。)

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