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アクティブ・レンジャー日記 [北海道地区]

北海道地方環境事務所のアクティブ・レンジャーが、活動の様子をお伝えします。

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知床国立公園 ウトロ

213件の記事があります。

2008年02月01日流氷とワシたち

知床国立公園 ウトロ 高橋 知里

流氷が接岸し、オオワシやオジロワシの飛来数が増えてきています。



オオワシ

 1月29日にウトロ自然保護官事務所で行ったワシの調査では、ウトロの海岸線で約300羽のオオワシ・オジロワシを確認することができました。
流氷が訪れる前に行った同調査でのワシの数が約20羽程だったことを考えると、流氷がワシたちの行動に大きな影響を与えていることがわかります。



流氷の塊に乗り餌を狙うワシたち

 調査を行った日は流氷帯が岸から300mから1kmほど離れ、所々に流氷の塊がぷかぷかと浮いている状況で、流氷帯の際や流氷の塊に乗っているたくさんのワシたちが確認できました。

 知床のウトロ側では流氷の接岸直後の時期にオオワシ・オジロワシが最も多く集まります。海上で魚や弱った海鳥などを捕らえて食べるワシたちにとっては、海が一面流氷で埋め尽くされてしまう状態よりも、大小の流氷が緩く漂い、開水面がところどころに開いている方が餌をとりやすい様です。



2月1日の流氷状況(プユニ岬より)

 29日以降、流氷が徐々にウトロの海を埋め尽くしています。このまま離れることなく海岸を覆い尽くすのでしょうか?それとも風向き次第で沖へ流されてしまうのでしょうか?
 今後のワシの動きとともにとても気になるところです。

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2008年01月25日凍る冬のオホーツク海

知床国立公園 ウトロ 小長井 崇大

今月19日、網走市と紋別市で、今年の冬初めて、流氷が陸から肉眼で確認されました。翌日の20日には、ウトロからも沖合に広がる流氷が見られ、21日には薄いハス葉状の氷が海岸に接岸しました。
港の中を埋め尽くす流氷を初めて見たときは、港が凍っているのか何なのかよくわかりませんでしたが、港を出て海を見渡してみると、一面とまではいかないまでも、「これぞ流氷」というような景色が広がっていました。


接岸した流氷。



流氷はオホーツク海北部のシベリア大陸沿岸でできはじめ、その後徐々に凍る範囲が南へと広がっていきます。流氷にはブラインという重い海水が含まれ、このブラインが沈む代わりに、栄養分を多く含む深層の海水がわき上がってきます。海氷の底や内部では、この栄養分やブラインに含まれる栄養を利用してアイス・アルジーと呼ばれる藻類が繁殖し、豊かな生態系の起点となります。
知床は世界で最も低緯度にある「凍る海」で、海氷に特徴づけられる海洋生態系と、陸上の生態系が連続することによって複合生態系を形成しており、そのことが世界遺産に登録された大きな理由の一つです。


沖を漂う流氷。


そのような流氷ですが、このままどんどん押し寄せてくるのかと思いきや、次の日は全く見あたらなかったりして、安定して見られるようになるのはもう少し先のようです。
これから流氷が接岸し始めると、海岸沿いのウトロの気候も内陸型のものに変わり、一層寒さが厳しくなってきます。


ウトロの入口「亀岩」と流氷。

プユニ岬よりの眺望。帯状の流氷が見えます。

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2008年01月04日あけましておめでとうございます

知床国立公園 ウトロ 高橋 知里

フレペの滝遊歩道の巡視に行ってきました。
この日の天気は曇りから雪。
利用者はあまりいないかと思いましたが、巡視中に9名の方に遭遇しました。




フレペの滝です。上部が凍り、櫛の様な形の氷が折り重なって造形美を生みだしています。氷の下ではちろちろと滝が流れています。


断崖をのぞいていると、「グルルォォ!」「グルルォォ!」という唸るような鳴き声が聞こえてきました。ワタリガラスです。ハシブトガラスなどと比べると体に筋肉があり、尾がくさび形に見えます。




帰り道、歩道上でエゾシカの群れに遭遇しました。写真の中に6頭エゾシカがいるのがわかりますか?
雪を掘ってササを食べ、鼻の頭に雪をつけていました。
一見かわいく見えるエゾシカですが、近づきすぎるのは危険です。遊歩道から林の中へ移動してくれるまでしばらく待っていました。

*フレペの滝遊歩道は冬期間も利用可能です。林内で小鳥を見つけたり、動物の足跡を探したり、晴れた日に知床連山を見渡すこともできます。しかし、天候や雪の状態によって遊歩道の状況が変わりますので、歩道から外れるなど危険な行為は行わないように注意してください。



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2007年12月18日凍った川では

知床国立公園 ウトロ 高橋 知里

知床ウトロの本日の気温は-1℃。
外でじっとしていると、たちまち体が冷え切ってしまう寒さです。
こんな寒さの中でもたくましく生きている生き物たちがいました。



オンネベツ川です。
川の水が凍り始めていました。




 川の中をよく見ると、サケが泳いでいました。ヒレの部分が白くなっていますが、産卵のために帰ってきたものです。産卵を終え川の中で力尽き、「ホッチャレ」と呼ばれる姿になったものもいました。




ホッチャレをねらって川沿いの樹上にオオワシやオジロワシが止まっていることもあります。




 「ビッビッ」と元気よく鳴く声が聞こえてきました。
カワガラスです。氷の上で短い尾羽を上げ下げしたり、川の中で泳いだり、2羽で追いかけあっていました。


 ウトロの日没は15時45分頃。14時頃から日がかげり始めます。お越しになる際は、午前中から行動するのがおすすめです。また防寒着はしっかりと(天気が良い日でも寒いです)。



 12月18日15時40分の夕日(プユニ岬より)

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2007年11月21日本格的な冬が近づいてきています

知床国立公園 ウトロ 高橋 知里

「今日は一段と寒いですね。」
というのが朝のあいさつになる様な季節になりました。
北風が強くなり、ウトロの町では鮭とばや漬物用の大根を干しているのをよく見かけます。




海辺に立っていると頭が痛くなるほど冷たい風が吹いてきます。
波が高く、風の強いこの日はカモメたちも首を縮めてじっとしていました。
サケの定置網漁も11月いっぱいで終わり、漁師さんたちの今年の仕事も終わりです。



オオワシの渡りが見られました。北西の風が知床半島の断崖にあたることで起こる上昇気流などを利用しています。冬の初めに知床半島を通過し国後へと渡りますが、1~2月頃に知床半島へと徐々に戻ってきます。



雪の上にヒグマの足跡がありました。
冬眠に備えて食べ物を探していたのか、うろうろと歩き回っていた様子。


この季節は知床の自然の厳しさをより感じる季節。
人も動物たちも冬支度を始めています。


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2007年11月06日知床横断道路が冬期閉鎖されます

知床国立公園 ウトロ 小長井 崇大

11月に入り、知床でも紅葉が一段落し、木々の葉が落ちていっそう冬が近づいてきた感じがします。知床連山にも毎日のように冠雪が見られ、知床峠や知床五湖でも寒い日には降雪があるようになりました。
 
今年度も、知床半島ウトロ~羅臼間を横断している知床横断道路(国道334号線)が、平成19年11月7日(水)15:00 から平成20年4月下旬(予定)まで冬期全面通行止めになります。ウトロ~羅臼間を通り抜けることができなくなりますのでご注意ください。

通行止め後、ウトロから羅臼へ行くには、半島の付け根の根北峠を回らなければならず、知床峠を通れる間は近かった羅臼ですが、来年の春までまた遠い存在となります。


11/6 知床峠から望む羅臼岳

同じく11/6に知床峠から撮影した国後島

11/7 閉鎖された斜里町岩尾別の通行止めゲート

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2007年10月29日10月25日から狩猟期が始まりました

知床国立公園 ウトロ 高橋 知里

 知床ではエゾシカは間近で観察することができ、立派な角を持ったオスジカや子ジカのかわいらしい姿は観光客の方々にも大人気です。しかし、数が増えすぎてしまったため、農作物を食べて被害をもたらしたり、林の草や木の樹皮を食べ過ぎて枯らしてしまうなど生態系のバランスを崩してしまっています。北海道ではこの問題に対してエゾシカを適切に保護する一方で、管理もしていこうという計画が進められてきています。狩猟によってエゾシカの頭数を減らしていこうとすることもその計画の一つです。


のんびりと草を食べるエゾシカ

ふだんは人を気にせず生活している知床のエゾシカたちですが、同じ場所で猟を続けると警戒心が強くなり、ハンターを避けて群れを移動させてしまい思ったように頭数を減らすことができません。そこで今年から、狩猟区域を分けて(ウトロ側で3区域、羅臼側で2区域)、狩猟できる期間をずらしていく輪採制という制度が試験的に導入されました。エゾシカが群れを移動させて油断したところで猟区を入れ替えて、狩猟効率を上げていこうとするのがこの制度のねらいです。



エゾシカ可猟区域の看板(北海道によるもの)

ウトロ側の狩猟区域には国指定鳥獣保護区と隣接している箇所があります。国指定鳥獣保護区ではエゾシカを含むすべての鳥獣の捕獲が禁止されています。
 現地でそれぞれの区域の境界がわかりにくいため、北海道・斜里町の方々と一緒に狩猟区には区域と狩猟できる期間を表す看板、鳥獣保護区には区域を表す看板を設置しました。



鳥獣保護区看板設置作業の様子

狩猟の期間は2月11日まで続きます。狩猟区域周辺に行かれる際はハンターに動物に間違われないように目立つ色の服装を身につけてください。




鳥獣保護区にいたキタキツネの子。暖かそうな冬毛になっていました。

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2007年09月27日羅臼岳初冠雪

知床国立公園 ウトロ 小長井 崇大

9月26日、巡視中に岩尾別登山口から下山してきた方から、「仙人坂辺りでみぞれ混じりの雨が降ってきたため引き返してきた。大沢辺りでは雪が降っているようだった。」というお話を伺いました。
「初冠雪があるかもしれない」と思い、26日、27日と巡視箇所を回りながら、度々羅臼岳を見上げてみましたが、なかなか山頂にかかった雲が晴れず、よくわからない。

結局完全に晴れた瞬間を収めることはできず、もどかしい思いも晴れませんでしたが、かろうじてウトロ港から撮影したものに、初冠雪らしい山頂の様子が見られたので、その写真を掲載します。


ウトロ港から望む羅臼岳(9/26)

上の写真の拡大。見えにくいですが、雲の切れ間に白いものが見えます。

ウトロ港から望む羅臼岳(9/27)。26日のものよりはわかりやすいと思います。

羅臼岳のとなりの三ッ峰にも冠雪が見られました。





知床峠周辺の様子です。茶色く色づいていますが、まだきれいには紅葉していません。

ウトロ港。ウミネコなど。



羅臼岳(に限らず、知床全体でですが)は気温も低くなり、登山道も上の方は凍り付いて滑りやすくなっています。登山者の方は十分お気を付けください。

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2007年09月19日ほんのり色づいてきました

知床国立公園 ウトロ 高橋 知里



9月17日、羅臼岳登山道巡視を行いました。3連休最終日のこの日は、約100人の方の利用がありました。




イワヒゲ。細いヒゲも立派な枝です。冬の寒さに備えて冬芽ができています。




ハイマツの実を食べるホシガラス。実は写真右にエゾシマリスもいます。ホシガラスがシマリスの食べていたハイマツを横取りしていました。




頬袋いっぱいにしたエゾシマリス。ホシガラスはハイマツをくちばしでつついて箸のようにつまんで食べますが、シマリスは鋭い歯でかじって食べます。




大沢。登山道から外れる利用者が多く、植生が破壊されてしまいました。新しくロープを張り直し、植生が回復することを願っています。




羅臼岳の紅葉はまだ2割程度。日に日に色づいて行くでしょう。
山頂付近では天候が崩れるとかなりの寒さになりますので防寒着はお忘れ無く。
マナーを守って無理のない登山を楽しみましょう。

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2007年09月12日エゾシカから感じる秋の装い

知床国立公園 ウトロ 小長井 崇大

朝晩の気温が低くなり、山肌には早くも赤や黄色に色付いてきた木々の葉が、ちらほらと目につくようになってきました。

 エゾシカたちも繁殖期に向けて、雄はビロード状の皮膚で包まれた袋角から表皮が脱落し、硬い枯れ角へと変わる時期です。表皮が脱落中で角から血が出ているシカや、木の幹などで角をこすっているシカを見かけます。


まだ袋角です

脱落した表皮が角から垂れ下がっています

木で角をこすっていました


そうした体の変化が現れると共に、繁殖期になるとエゾシカの活動が活発になってきます。それに伴いシカと遭遇する機会も増え、より身近にエゾシカの存在を感じられるようになると思います。と同時に、道路に出てきたシカとの衝突事故の危険も高まります。
エゾシカには当然ながら道路という認識はありません。道路を渡るときも割とゆっくりですし、一頭やりすごしてもその後に数頭続くこともあります。エゾシカはそんな風なので、やはり人間の方で飛び出しに備えることが事故防止に繋がります。エゾシカと車との交通事故は、エゾシカだけでなく人間の生命にも関わることなので、十分注意が必要です。



またエゾシカと車の衝突事故だけでなく、エゾシカを見るために駐停車している車へ、別の車が追突するおそれもあります。急な停車や、見通しの悪い場所等での駐停車は大変危険ですので、ご注意ください。


エゾシカは知床で最も簡単に出会える野生動物です。私自身も初めて見た時は、あまりに普通にいるので驚きました。ただし、身近にいるとはいえエゾシカも野生動物なので、接近しすぎることは(角をもつ雄は特に)危険です。また餌を与えることも、エゾシカを人慣れさせ、それがエスカレートして人を威嚇するようになるおそれがあります。
エゾシカに限ったことではありませんが、野生動物には決して餌を与えず、接近しすぎずに、じっくりその姿を観察してみてください。


川を渡るエゾシカ

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