知床国立公園 ウトロ
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2007年11月21日本格的な冬が近づいてきています
知床国立公園 ウトロ 高橋 知里
「今日は一段と寒いですね。」
というのが朝のあいさつになる様な季節になりました。
北風が強くなり、ウトロの町では鮭とばや漬物用の大根を干しているのをよく見かけます。

海辺に立っていると頭が痛くなるほど冷たい風が吹いてきます。
波が高く、風の強いこの日はカモメたちも首を縮めてじっとしていました。
サケの定置網漁も11月いっぱいで終わり、漁師さんたちの今年の仕事も終わりです。

オオワシの渡りが見られました。北西の風が知床半島の断崖にあたることで起こる上昇気流などを利用しています。冬の初めに知床半島を通過し国後へと渡りますが、1~2月頃に知床半島へと徐々に戻ってきます。

雪の上にヒグマの足跡がありました。
冬眠に備えて食べ物を探していたのか、うろうろと歩き回っていた様子。
この季節は知床の自然の厳しさをより感じる季節。
人も動物たちも冬支度を始めています。
というのが朝のあいさつになる様な季節になりました。
北風が強くなり、ウトロの町では鮭とばや漬物用の大根を干しているのをよく見かけます。

海辺に立っていると頭が痛くなるほど冷たい風が吹いてきます。
波が高く、風の強いこの日はカモメたちも首を縮めてじっとしていました。
サケの定置網漁も11月いっぱいで終わり、漁師さんたちの今年の仕事も終わりです。

オオワシの渡りが見られました。北西の風が知床半島の断崖にあたることで起こる上昇気流などを利用しています。冬の初めに知床半島を通過し国後へと渡りますが、1~2月頃に知床半島へと徐々に戻ってきます。

雪の上にヒグマの足跡がありました。
冬眠に備えて食べ物を探していたのか、うろうろと歩き回っていた様子。
この季節は知床の自然の厳しさをより感じる季節。
人も動物たちも冬支度を始めています。
2007年11月06日知床横断道路が冬期閉鎖されます
知床国立公園 ウトロ 小長井 崇大
11月に入り、知床でも紅葉が一段落し、木々の葉が落ちていっそう冬が近づいてきた感じがします。知床連山にも毎日のように冠雪が見られ、知床峠や知床五湖でも寒い日には降雪があるようになりました。
今年度も、知床半島ウトロ~羅臼間を横断している知床横断道路(国道334号線)が、平成19年11月7日(水)15:00 から平成20年4月下旬(予定)まで冬期全面通行止めになります。ウトロ~羅臼間を通り抜けることができなくなりますのでご注意ください。
通行止め後、ウトロから羅臼へ行くには、半島の付け根の根北峠を回らなければならず、知床峠を通れる間は近かった羅臼ですが、来年の春までまた遠い存在となります。

11/6 知床峠から望む羅臼岳

同じく11/6に知床峠から撮影した国後島

11/7 閉鎖された斜里町岩尾別の通行止めゲート
今年度も、知床半島ウトロ~羅臼間を横断している知床横断道路(国道334号線)が、平成19年11月7日(水)15:00 から平成20年4月下旬(予定)まで冬期全面通行止めになります。ウトロ~羅臼間を通り抜けることができなくなりますのでご注意ください。
通行止め後、ウトロから羅臼へ行くには、半島の付け根の根北峠を回らなければならず、知床峠を通れる間は近かった羅臼ですが、来年の春までまた遠い存在となります。
11/6 知床峠から望む羅臼岳
同じく11/6に知床峠から撮影した国後島
11/7 閉鎖された斜里町岩尾別の通行止めゲート
2007年10月29日10月25日から狩猟期が始まりました
知床国立公園 ウトロ 高橋 知里
知床ではエゾシカは間近で観察することができ、立派な角を持ったオスジカや子ジカのかわいらしい姿は観光客の方々にも大人気です。しかし、数が増えすぎてしまったため、農作物を食べて被害をもたらしたり、林の草や木の樹皮を食べ過ぎて枯らしてしまうなど生態系のバランスを崩してしまっています。北海道ではこの問題に対してエゾシカを適切に保護する一方で、管理もしていこうという計画が進められてきています。狩猟によってエゾシカの頭数を減らしていこうとすることもその計画の一つです。

のんびりと草を食べるエゾシカ
ふだんは人を気にせず生活している知床のエゾシカたちですが、同じ場所で猟を続けると警戒心が強くなり、ハンターを避けて群れを移動させてしまい思ったように頭数を減らすことができません。そこで今年から、狩猟区域を分けて(ウトロ側で3区域、羅臼側で2区域)、狩猟できる期間をずらしていく輪採制という制度が試験的に導入されました。エゾシカが群れを移動させて油断したところで猟区を入れ替えて、狩猟効率を上げていこうとするのがこの制度のねらいです。

エゾシカ可猟区域の看板(北海道によるもの)
ウトロ側の狩猟区域には国指定鳥獣保護区と隣接している箇所があります。国指定鳥獣保護区ではエゾシカを含むすべての鳥獣の捕獲が禁止されています。
現地でそれぞれの区域の境界がわかりにくいため、北海道・斜里町の方々と一緒に狩猟区には区域と狩猟できる期間を表す看板、鳥獣保護区には区域を表す看板を設置しました。

鳥獣保護区看板設置作業の様子
狩猟の期間は2月11日まで続きます。狩猟区域周辺に行かれる際はハンターに動物に間違われないように目立つ色の服装を身につけてください。

鳥獣保護区にいたキタキツネの子。暖かそうな冬毛になっていました。
のんびりと草を食べるエゾシカ
ふだんは人を気にせず生活している知床のエゾシカたちですが、同じ場所で猟を続けると警戒心が強くなり、ハンターを避けて群れを移動させてしまい思ったように頭数を減らすことができません。そこで今年から、狩猟区域を分けて(ウトロ側で3区域、羅臼側で2区域)、狩猟できる期間をずらしていく輪採制という制度が試験的に導入されました。エゾシカが群れを移動させて油断したところで猟区を入れ替えて、狩猟効率を上げていこうとするのがこの制度のねらいです。
エゾシカ可猟区域の看板(北海道によるもの)
ウトロ側の狩猟区域には国指定鳥獣保護区と隣接している箇所があります。国指定鳥獣保護区ではエゾシカを含むすべての鳥獣の捕獲が禁止されています。
現地でそれぞれの区域の境界がわかりにくいため、北海道・斜里町の方々と一緒に狩猟区には区域と狩猟できる期間を表す看板、鳥獣保護区には区域を表す看板を設置しました。
鳥獣保護区看板設置作業の様子
狩猟の期間は2月11日まで続きます。狩猟区域周辺に行かれる際はハンターに動物に間違われないように目立つ色の服装を身につけてください。
鳥獣保護区にいたキタキツネの子。暖かそうな冬毛になっていました。
2007年09月27日羅臼岳初冠雪
知床国立公園 ウトロ 小長井 崇大
9月26日、巡視中に岩尾別登山口から下山してきた方から、「仙人坂辺りでみぞれ混じりの雨が降ってきたため引き返してきた。大沢辺りでは雪が降っているようだった。」というお話を伺いました。
「初冠雪があるかもしれない」と思い、26日、27日と巡視箇所を回りながら、度々羅臼岳を見上げてみましたが、なかなか山頂にかかった雲が晴れず、よくわからない。
結局完全に晴れた瞬間を収めることはできず、もどかしい思いも晴れませんでしたが、かろうじてウトロ港から撮影したものに、初冠雪らしい山頂の様子が見られたので、その写真を掲載します。

ウトロ港から望む羅臼岳(9/26)

上の写真の拡大。見えにくいですが、雲の切れ間に白いものが見えます。

ウトロ港から望む羅臼岳(9/27)。26日のものよりはわかりやすいと思います。

羅臼岳のとなりの三ッ峰にも冠雪が見られました。

知床峠周辺の様子です。茶色く色づいていますが、まだきれいには紅葉していません。

ウトロ港。ウミネコなど。
羅臼岳(に限らず、知床全体でですが)は気温も低くなり、登山道も上の方は凍り付いて滑りやすくなっています。登山者の方は十分お気を付けください。
「初冠雪があるかもしれない」と思い、26日、27日と巡視箇所を回りながら、度々羅臼岳を見上げてみましたが、なかなか山頂にかかった雲が晴れず、よくわからない。
結局完全に晴れた瞬間を収めることはできず、もどかしい思いも晴れませんでしたが、かろうじてウトロ港から撮影したものに、初冠雪らしい山頂の様子が見られたので、その写真を掲載します。
ウトロ港から望む羅臼岳(9/26)
上の写真の拡大。見えにくいですが、雲の切れ間に白いものが見えます。
ウトロ港から望む羅臼岳(9/27)。26日のものよりはわかりやすいと思います。
羅臼岳のとなりの三ッ峰にも冠雪が見られました。
知床峠周辺の様子です。茶色く色づいていますが、まだきれいには紅葉していません。
ウトロ港。ウミネコなど。
羅臼岳(に限らず、知床全体でですが)は気温も低くなり、登山道も上の方は凍り付いて滑りやすくなっています。登山者の方は十分お気を付けください。
2007年09月19日ほんのり色づいてきました
知床国立公園 ウトロ 高橋 知里
9月17日、羅臼岳登山道巡視を行いました。3連休最終日のこの日は、約100人の方の利用がありました。
イワヒゲ。細いヒゲも立派な枝です。冬の寒さに備えて冬芽ができています。

ハイマツの実を食べるホシガラス。実は写真右にエゾシマリスもいます。ホシガラスがシマリスの食べていたハイマツを横取りしていました。
頬袋いっぱいにしたエゾシマリス。ホシガラスはハイマツをくちばしでつついて箸のようにつまんで食べますが、シマリスは鋭い歯でかじって食べます。
大沢。登山道から外れる利用者が多く、植生が破壊されてしまいました。新しくロープを張り直し、植生が回復することを願っています。

羅臼岳の紅葉はまだ2割程度。日に日に色づいて行くでしょう。
山頂付近では天候が崩れるとかなりの寒さになりますので防寒着はお忘れ無く。
マナーを守って無理のない登山を楽しみましょう。
2007年09月12日エゾシカから感じる秋の装い
知床国立公園 ウトロ 小長井 崇大
朝晩の気温が低くなり、山肌には早くも赤や黄色に色付いてきた木々の葉が、ちらほらと目につくようになってきました。
エゾシカたちも繁殖期に向けて、雄はビロード状の皮膚で包まれた袋角から表皮が脱落し、硬い枯れ角へと変わる時期です。表皮が脱落中で角から血が出ているシカや、木の幹などで角をこすっているシカを見かけます。

まだ袋角です

脱落した表皮が角から垂れ下がっています

木で角をこすっていました
そうした体の変化が現れると共に、繁殖期になるとエゾシカの活動が活発になってきます。それに伴いシカと遭遇する機会も増え、より身近にエゾシカの存在を感じられるようになると思います。と同時に、道路に出てきたシカとの衝突事故の危険も高まります。
エゾシカには当然ながら道路という認識はありません。道路を渡るときも割とゆっくりですし、一頭やりすごしてもその後に数頭続くこともあります。エゾシカはそんな風なので、やはり人間の方で飛び出しに備えることが事故防止に繋がります。エゾシカと車との交通事故は、エゾシカだけでなく人間の生命にも関わることなので、十分注意が必要です。

またエゾシカと車の衝突事故だけでなく、エゾシカを見るために駐停車している車へ、別の車が追突するおそれもあります。急な停車や、見通しの悪い場所等での駐停車は大変危険ですので、ご注意ください。
エゾシカは知床で最も簡単に出会える野生動物です。私自身も初めて見た時は、あまりに普通にいるので驚きました。ただし、身近にいるとはいえエゾシカも野生動物なので、接近しすぎることは(角をもつ雄は特に)危険です。また餌を与えることも、エゾシカを人慣れさせ、それがエスカレートして人を威嚇するようになるおそれがあります。
エゾシカに限ったことではありませんが、野生動物には決して餌を与えず、接近しすぎずに、じっくりその姿を観察してみてください。

川を渡るエゾシカ
エゾシカたちも繁殖期に向けて、雄はビロード状の皮膚で包まれた袋角から表皮が脱落し、硬い枯れ角へと変わる時期です。表皮が脱落中で角から血が出ているシカや、木の幹などで角をこすっているシカを見かけます。
まだ袋角です
脱落した表皮が角から垂れ下がっています
木で角をこすっていました
そうした体の変化が現れると共に、繁殖期になるとエゾシカの活動が活発になってきます。それに伴いシカと遭遇する機会も増え、より身近にエゾシカの存在を感じられるようになると思います。と同時に、道路に出てきたシカとの衝突事故の危険も高まります。
エゾシカには当然ながら道路という認識はありません。道路を渡るときも割とゆっくりですし、一頭やりすごしてもその後に数頭続くこともあります。エゾシカはそんな風なので、やはり人間の方で飛び出しに備えることが事故防止に繋がります。エゾシカと車との交通事故は、エゾシカだけでなく人間の生命にも関わることなので、十分注意が必要です。
またエゾシカと車の衝突事故だけでなく、エゾシカを見るために駐停車している車へ、別の車が追突するおそれもあります。急な停車や、見通しの悪い場所等での駐停車は大変危険ですので、ご注意ください。
エゾシカは知床で最も簡単に出会える野生動物です。私自身も初めて見た時は、あまりに普通にいるので驚きました。ただし、身近にいるとはいえエゾシカも野生動物なので、接近しすぎることは(角をもつ雄は特に)危険です。また餌を与えることも、エゾシカを人慣れさせ、それがエスカレートして人を威嚇するようになるおそれがあります。
エゾシカに限ったことではありませんが、野生動物には決して餌を与えず、接近しすぎずに、じっくりその姿を観察してみてください。
川を渡るエゾシカ
2007年09月02日カラフトマスの遡上・ウトロ編
知床国立公園 ウトロ 高橋 知里
今回は知床半島ウトロ側のカラフトマスの遡上状況をお伝えします。
2005年7月に世界自然遺産に登録された知床ですが、その際にIUCNよりサケ・マスが自由に遡上できるように河川工作物を見直し、改修できるところから改修する様に求められました。それを受けて2006年10月に知床半島先端部のルシャ地区に流れるルシャ川の治山ダムに切り込みを入れ、サケ・マスが遡上できる様にする工事が行われました。

(盛り上がった背中が特徴のカラフトマスのオス)
今年8月にルシャ川の巡視に行ったところ、カラフトマスが切り込みからダムを飛び越え、上流へ遡上している姿を確認することができました。
サケ・マスが自由な移動ができることは、河川が本来の機能を取り戻すことにつながります。

(ルシャ川の様子)
ルシャ地区は一般の方の立入りが禁止されていますが、ウトロ?斜里間の河川でもカラフトマスの遡上を観察することができます。
中でもおすすめなのは遠音別(オンネベツ)川です。国道334号線沿いに駐車場があり、川岸に降りられる堤防も整備され、ゆっくりと観察することができます。
8月28日に巡視した際には、川一面にびっしりとカラフトマスが遡上し、水面から背びれをのぞかせていました。ピンク色の婚姻色に染まった体や、オスならではの盛り上がった背中、メスを巡って争う姿などを見ていると、野生の営みを感じることができます。

(遠音別川に遡上するカラフトマス)
カラフトマスの遡上はまだまだ楽しめます。知床・ウトロ方面へお越しの際は是非お立ち寄り下さい。
*注意*
知床はヒグマの生息地のため、河川にサケ・マスを捕らえに来ることもあります。ヒグマとの遭遇に注意し、ヒグマへの接近は避けるようにしましょう。
2005年7月に世界自然遺産に登録された知床ですが、その際にIUCNよりサケ・マスが自由に遡上できるように河川工作物を見直し、改修できるところから改修する様に求められました。それを受けて2006年10月に知床半島先端部のルシャ地区に流れるルシャ川の治山ダムに切り込みを入れ、サケ・マスが遡上できる様にする工事が行われました。
(盛り上がった背中が特徴のカラフトマスのオス)
今年8月にルシャ川の巡視に行ったところ、カラフトマスが切り込みからダムを飛び越え、上流へ遡上している姿を確認することができました。
サケ・マスが自由な移動ができることは、河川が本来の機能を取り戻すことにつながります。

(ルシャ川の様子)
ルシャ地区は一般の方の立入りが禁止されていますが、ウトロ?斜里間の河川でもカラフトマスの遡上を観察することができます。
中でもおすすめなのは遠音別(オンネベツ)川です。国道334号線沿いに駐車場があり、川岸に降りられる堤防も整備され、ゆっくりと観察することができます。
8月28日に巡視した際には、川一面にびっしりとカラフトマスが遡上し、水面から背びれをのぞかせていました。ピンク色の婚姻色に染まった体や、オスならではの盛り上がった背中、メスを巡って争う姿などを見ていると、野生の営みを感じることができます。
(遠音別川に遡上するカラフトマス)
カラフトマスの遡上はまだまだ楽しめます。知床・ウトロ方面へお越しの際は是非お立ち寄り下さい。
*注意*
知床はヒグマの生息地のため、河川にサケ・マスを捕らえに来ることもあります。ヒグマとの遭遇に注意し、ヒグマへの接近は避けるようにしましょう。
2007年08月17日知床五湖の高架木道を知っていますか?
知床国立公園 ウトロ 高橋 知里
原生林の中の神秘的な湖として知床国立公園の中でも人気のある知床五湖ですが、地上歩道とは別に高架木道があるのをご存じでしょうか?
この木道は、全長247m、所要時間約15分です。晴れた日には知床岳から知床連山、遠音別岳、山裾に広がる原生林、知床五湖のうちの1湖、オホーツクと、見応えある景色を360度見渡すことができます。幅約2mで階段のない構造は車いすの方も利用して頂くことができます。また、ヒグマ対策として、地上より高さ約2mを確保するとともに約8000ボルトの電圧の電気柵を併設しています(危険ですので、電気柵にはさわらないで下さい)。
ゆっくり散策すると、木道上から季節ごとの動物や植物も楽しむことができます。
お盆を過ぎ、気温が18度と一気に下がった知床。コエゾゼミの鳴き声から、トンボの飛び交う姿がよく見かけられるようになってきました。これから徐々に秋に向かって変化していく季節を感じに来てみませんか?

高架木道より望む知床連山

木道脇の小さな沼に咲くネムロコウホネ。アオサギが休んでいることもあります。

ハンゴンソウやキオンのお花畑の中のエゾシカ
この木道は、全長247m、所要時間約15分です。晴れた日には知床岳から知床連山、遠音別岳、山裾に広がる原生林、知床五湖のうちの1湖、オホーツクと、見応えある景色を360度見渡すことができます。幅約2mで階段のない構造は車いすの方も利用して頂くことができます。また、ヒグマ対策として、地上より高さ約2mを確保するとともに約8000ボルトの電圧の電気柵を併設しています(危険ですので、電気柵にはさわらないで下さい)。
ゆっくり散策すると、木道上から季節ごとの動物や植物も楽しむことができます。
お盆を過ぎ、気温が18度と一気に下がった知床。コエゾゼミの鳴き声から、トンボの飛び交う姿がよく見かけられるようになってきました。これから徐々に秋に向かって変化していく季節を感じに来てみませんか?
高架木道より望む知床連山
木道脇の小さな沼に咲くネムロコウホネ。アオサギが休んでいることもあります。
ハンゴンソウやキオンのお花畑の中のエゾシカ
2006年08月31日知床五湖の夏
知床国立公園 ウトロ 千葉 利郎
知床の夏は、半島の中心に並ぶ知床連山を挟んで大きく違います。根室海峡から広がってくる霧に覆われて冷涼な気候の羅臼側とは対照的に、連山を乗り越えた風はフェーン現象によって暖められ、ウトロ側は本州と変わらないほどの暑い日が続くこととなります。特に今年は雨が少ないこともあり30℃を超える夏日がずいぶん続きました。
夏休みを迎えた知床はたくさんの家族連れが訪れ、知床五湖は子供たちの歓声に溢れかえっていました。そんな中を日焼けした汗まみれの顔で歩き回るアクティブレンジャーは観光客の方々にどのように映っていたのでしょうか?
お盆もすぎて少し落ち着きが戻った知床は、秋に向かって少しずつ風景を変えていきます。暑さに弱い僕としては待ち遠しいばかりです。
知床五湖では春から夏にかけてヒグマの大好物のミズバショウが大きく葉を茂らせます。例年、歩道の周りに群生するミズバショウを求めてヒグマが集まってくるため、三湖から五湖を巡る遊歩道は閉鎖されるのですが、先日やっとヒグマの出没が少なくなり遊歩道がすべて開放となりました。久しぶりに歩く三湖から五湖の遊歩道ではクマに荒らされたミズバショウの群落があちこちで見られ、後ろをたびたび振り返りながらの巡視となりました。

三湖湖畔から望む夏の羅臼岳
夏休みを迎えた知床はたくさんの家族連れが訪れ、知床五湖は子供たちの歓声に溢れかえっていました。そんな中を日焼けした汗まみれの顔で歩き回るアクティブレンジャーは観光客の方々にどのように映っていたのでしょうか?
お盆もすぎて少し落ち着きが戻った知床は、秋に向かって少しずつ風景を変えていきます。暑さに弱い僕としては待ち遠しいばかりです。
知床五湖では春から夏にかけてヒグマの大好物のミズバショウが大きく葉を茂らせます。例年、歩道の周りに群生するミズバショウを求めてヒグマが集まってくるため、三湖から五湖を巡る遊歩道は閉鎖されるのですが、先日やっとヒグマの出没が少なくなり遊歩道がすべて開放となりました。久しぶりに歩く三湖から五湖の遊歩道ではクマに荒らされたミズバショウの群落があちこちで見られ、後ろをたびたび振り返りながらの巡視となりました。

三湖湖畔から望む夏の羅臼岳
外でじっとしていると、たちまち体が冷え切ってしまう寒さです。
こんな寒さの中でもたくましく生きている生き物たちがいました。
オンネベツ川です。
川の水が凍り始めていました。
川の中をよく見ると、サケが泳いでいました。ヒレの部分が白くなっていますが、産卵のために帰ってきたものです。産卵を終え川の中で力尽き、「ホッチャレ」と呼ばれる姿になったものもいました。
ホッチャレをねらって川沿いの樹上にオオワシやオジロワシが止まっていることもあります。
「ビッビッ」と元気よく鳴く声が聞こえてきました。
カワガラスです。氷の上で短い尾羽を上げ下げしたり、川の中で泳いだり、2羽で追いかけあっていました。
ウトロの日没は15時45分頃。14時頃から日がかげり始めます。お越しになる際は、午前中から行動するのがおすすめです。また防寒着はしっかりと(天気が良い日でも寒いです)。
12月18日15時40分の夕日(プユニ岬より)