ACTIVE RANGER

アクティブ・レンジャー日記 [北海道地区]

北海道地方環境事務所のアクティブ・レンジャーが、活動の様子をお伝えします。

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2019年03月22日礼文島と皆様に感謝を込めて

利尻礼文サロベツ国立公園 小笠原涼太

皆さまこんにちは!

礼文担当アクティブレンジャーの小笠原です!

日々少しずつ暖かさが増し、雪が姿を消し始めています。。

稚内は一度積雪ゼロを観測し、本州では桜の開花宣言がされた場所もあるそうです。

また礼文の花のシーズンが近づいてきました。

今回は3月の礼文の様子をまずお知らせしようと思います・・・と言いたいところなのですが、

320日に礼文島を訪れたところ・・・。

とても霧が濃い状態でした!ここは北のカナリアパークと呼ばれる礼文町の施設で、

奥には本来利尻島が見えるのですが、ご覧の通り、何も見えませんでした。

残念ながら礼文の様子をお見せするのはまた今度ということになります。

今年も礼文の美しい花々にご期待ください。

さて、3年に渡り皆さまに礼文の様子をお知らせしてきましたが、私、小笠原は今月末を以てアクティブレンジャーを退職いたします。この三年間如何でしたでしょうか?

皆様に少しでも礼文の魅力などを伝えられていたのなら、幸いです。

次回からはまた新しい礼文担当のアクティブレンジャーが更新を担当します。

どうか皆さま楽しみにしていてください。

今まで大変お世話になりました。どうもありがとうございました。

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2019年03月22日パークボランティア研修会を開催しました

釧路湿原国立公園 渡辺欣正

釧路湿原国立公園パークボランティア研修会「標茶町博物館へ行こう」を開催しました。

この博物館は、昨年7月オープンしたばかり。

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標茶町(しべちゃちょう)は、釧路湿原国立公園のおよそ半分を占め、さらに町の北側は阿寒摩周国立公園にもかかっており、自然と歴史の宝庫です。

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そして私が一番驚いたのは、膨大な昆虫標本。どうしてこんなに充実しているのでしょうか?

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標茶町には、「釧路湿原を開発一辺倒でなく、国立公園にして守ろう」と舵を切ったキーマンたちがいました。そのひとりが昆虫博士の飯島一雄さんで、このコレクションはすべて寄贈されたものだそうです。再現された研究部屋の中で、スタッフの金子さんに解説いただきました。

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イイジマルリボシヤンマは、飯島さんが釧路湿原で発見した新種のトンボ。生涯をかけて取り組まれた地道な研究のおかげで、この国立公園があることを実感しました。

つづいて、学芸員の坪岡さんに「文化財」をテーマにした講話を開いていただきました。

有形文化財の出雲大社に平等院、無形文化財の人間国宝、そして天然記念物の釧路湿原。文化財の種類や保護の歴史をご紹介いただきました。

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国立公園でもあり天然記念物でもある釧路湿原も、唯一無二の宝。その価値を再確認する、貴重な機会になりました。どうもありがとうございました。

↓おまけ↓

今回の研修会は、釧路駅からJR釧網本線に乗って行きました。車窓からは特別天然記念物タンチョウ。

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塘路駅を出たら天然記念物オジロワシ&オオワシがお出迎え。お宝いっぱいです。

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2019年03月18日来て!見て!知ろう!ゼニガタアザラシ学習観察会

えりも自然保護官事務所 北海道地方環境事務所

みなさんこんにちは。

最近のえりもは、山道や日陰の場所に雪が残っているものの、3月に入り日差しの眩しい日が増え、一気に春めいてきました。

真冬の暴風ともいえる強い風は少しづつ治まり、アザラシを観察できる日が増えてきています!

そんな中、開催されたのは「来て!見て!知ろう!ゼニガタアザラシ学習観察会」です。

日高振興局主催のイベントで、襟裳岬周辺に生息するゼニガタアザラシを観察するとともに、その生態や近年問題となっている漁業被害等について学習し、人間とゼニガタアザラシの共存について考える、というもの。

当日は、日高管内にお住いの約50名の親子が集まりました。

主催者挨拶の後には、えりも町郷土資料館の中岡館長による、えりも町の歩みのお話。

えりもに生息する生物の紹介の中で、カニの写真がでるとみんな「おぉ~」と感嘆の声が上がりました。その他、かつて砂漠と化していたえりもの地が、地道な植樹の取り組みによって森の姿を取り戻し、砂が舞わなくなったことで海をも豊かに出来たことなど。昆布もそれ以降に良質なものが出来るようになったそうです。

私からは、ゼニガタアザラシとはどんな生きものか、ゼニガタアザラシと漁業との関係、アザラシの食害による被害軽減のための取り組みについてお話させていただきました。

未就学のお子さんもいたので、少し難しかったかな~と思い返しているところですが、業務中に現場で撮影した写真には皆さん思い思いの反応を見せてくれ、良かったです。

その後、展望スペースでのアザラシ観察と昼食が予定されていましたが、この時点で私の心配事はただひとつ...。潮が満ちていて、アザラシが上陸する岩場があまりなかったのです。これでは望遠鏡を覗いてもアザラシは見えません。もう少し潮が引けば、岩場も顔をだし、きっとアザラシが休息しに岩場に上がるはず...!!

昼食中、お子様たちからの「アザラシどこ~??」コールに「今探すね!」を繰り返しながら、アザラシたちお願いだから上陸してー!と心の中で思うのでした。。

その思いが届いてか?徐々に潮が引き始め、お気に入りの岩場周辺には黒いずんぐりむっくりアザラシが岩場の様子を見に集まり始めました。そして、ついに上陸!水から上がったばかりのアザラシは陽の光を反射しキラキラに光っていました。お子様も大人の方々もみんなで望遠鏡を覗いて観察することが出来ました○

この日はお天気にも恵まれたため、屋外での観察も。双眼鏡を覗くのが難しかったお子さんも、固定した望遠鏡を覗いては「いーたー!!!」「見えたー!今日の運使い果たしたー!!」と興奮気味に元気いっぱい!保護者の方からも、初めて見る!晴れだから見れるの?などの質問も飛び出し、それぞれの形で興味を持ってくれたようでした。

また、私たちのようにアザラシに関わる職業に興味を持ってくれたお子様もいました。嬉しい限り。ぜひ頑張ってほしいです。

さて、そろそろ観察会も終わりという時、聞きなれない鳴き声が。。

一瞬、アザラシかと思いましたが、周囲に響き渡る野太い鳴き声。アザラシとは何かが違う...。

すぐに双眼鏡で周囲を探すと、なんとトド!!大きな声を発しながら泳いでいました!昔はよく見たもんだと漁師さんから聞いたことがあったけれど、見たのは初めて。なんともラッキーでした。

えりものゼニガタアザラシについて、小さなお子様から大人まで多くの方に知ってもらうことが出来、トドが見れたラッキーも相まってなんとも充実の一日となりました。ご参加いただいたみなさん、ありがとうございました!

もう1~2か月もするとゼニガタアザラシは出産シーズンを迎えます。親子の愛らしい姿が見られる機会も増えます。ぜひ、えりものゼニガタアザラシに会いに来てください!

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2019年03月15日瀕死のオジロワシを搬送しました

苫小牧 平 尚恵

皆さん、こんにちは。

冬になると北海道各地で、極東ロシアから越冬のために渡ってきたオオワシやオジロワシを観察することができます。

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流氷に舞うオジロワシ

(羅臼自然保護官事務所)

そんななか、道央でオジロワシを収容しました。

保護してくださっている方から連絡をいただき現地に到着したときには、すでにオジロワシの衰弱が激しく、目をかろうじて開けていられるくらいの状態でした。通常なら人が触れようとすると威嚇して暴れるのですが、この個体は全く抵抗することがなく、呼吸が弱く目を力なく瞬くだけでした。

さらに、オジロワシ特有の白い尾羽に緑色の便が付着していることに気付き、私の不安は一気に増しました。うつろな目、緑色の便、これは十分に鉛中毒の際にみられる症状を現していたからです。

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尾羽に付着した緑便

交通事故などで骨折した状態で保護されたオジロワシでも、移送ケージに移すときなど暴れて力一杯に抵抗するのですが、今回の個体は本当に気力も体力も突きかけているといった様子でした。

個体の体力を少しでも保つために車内をなるべく暖かく保ち、獣医さんとの待ち合わせ場所に向かいました。

駐車場で待っていてくれた獣医さんの車は大きなバンで、車内には診察台が備えられており大抵の処置ができるように設備が整っています。保護状況の説明を聞いた獣医さんが、急いで採血を行い血中の鉛濃度を計測すると、計測できないほど高いレベルでした。普通なら、数値ででるのですが写真のとおりHighと表示され、測定可能な範囲を振り切ってしまっていました。

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血中鉛濃度の計測機器

獣医さんが、オジロワシの両足に補液、ビタミン剤を注射し、鉛を吸着して体外に排出するためのキレート剤を翼角の静脈に注射しました。

酸素が出ている保育器のなかに個体を寝かせ、ここからは獣医さんが釧路湿原野生生物保護センターまで搬送します。私は、この個体の無事を願いながら、未だに無くならない鉛による猛禽類の被害に憤りを感じなら事務所へ戻りました。

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力の無い目をしたオジロワシ   

今回のオジロワシがどのようにして鉛を体内に取り込んだのかはっきりしたことはわかりませんが、1つの可能性として、エゾシカ猟の際に使用された鉛弾を受けて死んだシカを、オジロワシが食べるときに謝って鉛弾の破片も一緒に誤飲したことが考えられます。※鉛弾は使用、所持が禁止されています。

鉛弾で捕殺したシカを適切に処理せずに林内に放置した場合、そのシカの死体はワシを含む野生動物に食べられます。自然界において獲物を奪い合う場合、力のある個体から順に獲物にありつくことができます。つまり、本来生存能力が高く子孫を多く残すであろう個体から、鉛散弾の被害に遭ってしまうのです。

今回のオジロワシも立派に頭部が白くなった、成熟した固体でした。

人の生活に起因する野生動物の死は様々な原因があります。例えば、交通事故、建物や風車への衝突、生息地の破壊など私たちの生活とは切り離せない理由が大半です。ただ、この鉛中毒に関しては鉛を自然界に出さないという、ただそれだけのことで防ぐことができる死因なのです。

遙か極東ロシアからはるばる渡ってきたワシたちが、安心して冬を過ごすことの出来る北海道でありたいと、そう強く願っています。

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保育器に入って釧路へ向かう

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