2021年02月17日一歩園の森展望ハイキング
阿寒摩周国立公園 北川 栄司
皆さまお久しぶりです、阿寒湖管理官事務所の北川です。
前回の阿寒湖アクティブレンジャー(AR)日記で鈴木ARが紹介しました、2月14日開催の「一歩園の森展望ハイキング」に参加しましたので、その様子をお伝えします。
阿寒湖の周辺は「前田一歩園財団」の所有地となっている場所が多く、毎年許可を頂いて温泉街の南に広がる森の中をスノーシューで歩くハイキングイベントです。
▲スノーシューで森歩き
▲新雪の上を歩くので、転ぶのも楽しい!
面白いガイドで人気のある阿寒湖畔エコミュージアムセンタースタッフの野竿さんが、リピーターの方でも飽きさせないよう、毎年新たなネタを仕込んでガイドします。
今年は・・・。
▲トドマツの葉っぱを発酵させて・・・
▲葉っぱについている酵母を増やしてトドマツ天然酵母パン作り
トドマツの香りが強く、パン作りに使った炊飯器についたトドマツのにおいが取れないそうです。
▲松ヤニを溶かした石鹸水で作ったシャボン玉
割れにくく、色もついてきれいです。
▲エゾシカのアキレス腱で作った糸
丈夫で、アイヌ楽器のトンコリの弦に使ったりします。
もちろん、自然解説もしてくれていますよ。
▲エゾモモンガの巣穴
▲クマゲラの採餌跡
見晴らしの良い場所でお弁当を食べた後は、阿寒湖を歩いて帰ります。
▲結氷した阿寒湖上を歩いて帰ります
いつもは冷たい北風にさらされて、皆さん黙々と歩くのですが、この日はなんと最高気温がプラスの(!)6.7℃!風も無く暖かな天候で、おしゃべりしながら景色を見たり雪だるまを作ったりと、楽しく帰ることが出来ました。
▲阿寒湖上から見る雄阿寒岳
北海道の真冬の時期、さらに新型コロナウィルス感染症の影響もあり、出歩くことが減っている状況が続いていますが、皆さんも感染対策は十分に実施しつつ、気分転換に自然を楽しんで下さいね。
▲また来年の冬にお会いしましょう
2021年02月12日千歳・支笏湖氷濤まつり~氷の野外美術館~
支笏洞爺国立公園 當山真貴子
千歳市内から支笏湖へ向かうルート(道道16号線)。
2月初旬、朝日に照らされて輝く樹氷たちに出会い、早きは三文の徳だと感じた當山です。
さて、現在、支笏湖では、新型コロナウイルス感染症対策を徹底し(売店・花火・滑り台等を中止)、「氷の野外美術館」というテーマで「千歳・支笏湖氷濤まつり」が開催されています。
入場して最初に目につくのは、巨大な5本のタワー!
例年は2本のタワーが立っていますが、やはり複数のタワーがあると迫力満点です。
他にも、「アイスフォール」や、支笏湖ブルーが際立つ「アイスウォール」、屋根を無くし、森や林の中を登って行くイメージで作られた「展望台」からの眺めも新しい景色で新鮮でした♪
夜も綺麗です♪
ちなみに、展望台から見える景色で、本公園に関する「あるもの」が表現されているので、探してみると楽しいですよ(^^) ※ヒント:「あるもの」を上空から見た形
また、所々に三密を回避するための工夫が施されており、製作スタッフの皆さんのアイディアが結集された内容であるということも感じました。
※詳細情報↓↓
●千歳観光連盟 氷濤まつり情報
http://www.1000sai-chitose.or.jp/icefes.html
●支笏湖氷濤まつり Facebookページ
2021年02月03日今年もやってくる
知床国立公園 高林紗弥香
流氷の到着が待ちきれず、1月初めから昼休みになると海氷情報とにらめっこを続けている羅臼事務所の高林です。
流氷は知床半島の北側(斜里町ウトロ)に接岸し、半島先端部では既に羅臼町側に回り込んでいるとの情報を得て、羅臼市街地付近でも見られる日を楽しみにしています。
さて皆さま、つぶらな瞳、ぽってりとした口、つるつるな肌!
魅力たっぷりなこちらの魚をご存じでしょうか?
ダンゴウオ科ホテイウオ属ホテイウオです。北海道では「ごっこ」と呼ばれています。
北海道の方であれば、ごっこ汁といえば聞いたことがあるでしょうか?
なぜごっこが手元にあったかというと、拾ったのです。
流氷が押し寄せると、特に小さな魚は急速に冷やされ仮死状態になることがあります。
まるで「氷締め」されたような魚が流氷の隙間に見つかることがあるのです。
そんな魚を求めて野生動物たちも流氷の上をさまよいます。
オオワシやオジロワシもそのような魚を獲りに氷上にやってくることがあります。
こちらの写真は昨年のものですが、ルサフィールドハウスの前でキタキツネが流氷の上を歩いていました。
個人的には、クリオネに捕食されることで有名!?なミジンウキマイマイ(ミジンウキマイマイ科ミジンウキマイマイ属)の姿を確認することも楽しみにしています。翼足と呼ばれる羽根のような器官を羽ばたかせて泳ぐ姿がなんともいえません。
流氷の海は魅力満点ですが危険も沢山あります。
冷たい海に落ちる危険性はもちろん、滑って転んでしまったり、流されてしまったり、押し寄せる流氷に挟まれてしまったり・・・
危険ですので、絶対に流氷に乗らないで下さい。
流氷に乗ってみたい!という方は、知床にはドライスーツを着用して流氷に乗ることが出来るアクティビティもありますので検索してみて下さい。
温暖化による海水温の上昇も影響し過去100年で流氷勢力は40%減少※していると言われます。
流氷と共にある知床の自然をしっかり観察していきたいと思います。
こんにちは、東川管理官事務所の渡邉です。
3月に入りました。日増しに日が長く、降る雪が重たくなり、春が近いことを感じます。今頃、ヒグマの巣穴では赤ちゃんが誕生し、母グマのお乳を飲みながら本物の春を待っているのでしょう。
さて、2月27日(土)に旭岳ビジターセンターで、「ドングリで草木染め」ワークショップを開催したので、その様子をご報告します。
新型コロナウィルス感染症の拡大防止のため、今回は町民限定とイベントさせていただきました。町外からも参加したいとご反響をいくつかいただきましたが、お応えできず申し訳ありませんでした。
イベントを開催した経緯は、冬季の旭岳ビジターセンター利用促進、そして昨年使い捨てレジ袋が廃止になったので、草木染めで世界で一つだけのエコバッグを作って末永く愛用してもらいたい、と考えついたのがはじまりでした。
染めるバッグは、令和元年度に旭岳ビジターセンター開館記念で作成したノベルティーのトートバッグにしました。
草木染めは「藍染め」が有名。なぜ、今回ドングリかと言うと、秋に採取して冬まで保存が利くもの・・・と考えついた結果がドングリでした。
ちなみに、北海道に藍は自生していません。アイヌの人々は「蝦夷大葉(エゾタイセイ)」を使って、アイヌ衣装を染めていたそうです。
草木染めは日本では縄文時代から、海外では動物の血液や貝殻、昆虫でも染めていた染め文化で、1800年代終わりに合成染料(化学染料)が開発されてから、手間とコストのかかる草木染めは衰退していったそうです。
草木染めの工程をザックリ説明すると・・・ドングリを煮る⇒ドングリ液にバッグを分浸ける⇒媒染する(色落ち止めの作業)⇒またドングリ液にバッグ浸ける⇒水洗い、で終了です。
ドングリを煮出すと、お湯の色がどんどん赤茶色に変わって、良い香りもしてきます。
漬け込んでいる最中は色ムラができないように、よく布をひっくり返し、布全体にドングリ液が染み渡るようにしていきます。
作業の合間には、ビジターセンターを見学してもらったり、草木染めの基礎知識や、ドングリやナラの説明、ナラクイズ、VR鑑賞など・・・順調に作業は進み、できあがったバッグがこちら。
ドングリの深みのある優しい赤茶色が入っています♪
草木染めのおもしろいところが、一つとして同じ色に染まらないこと。同量のドングリで染めたのに、少しずつ色が違ってきます。これから使い込んだり、洗濯していく上でも、風合いが変わってくるでしょう。お楽しみに♪
私自身も、今回草木染めを調べていく中で、普段自分が着ている洋服や持ち物が地球にどんな影響を与えているか、合成染料での染色がどれだけ負荷をかけているかを知るきっかけになりました。
私にできることは、使い捨てじゃないものを選択する。必要なものだけを手に取り、大切に使っていく。作れる物はなるべく作って、壊れたらなおして使う。手作りの物は愛着が持てるので、長く使うことに繋がると思います。
参加者の皆さんの染め終わった後の喜んでくださった顔を見て安心しました。
身近な物で草木染め、またしてみたいと思います。第二弾は何で染めようか考えるとワクワクしてきます。お楽しみに♪
参加された皆さん、旭岳ビジターセンタースタッフの髙橋さん、ありがとうございました。