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北海道地方環境事務所

アクティブ・レンジャー日記 [北海道地区]

火山に咲く花たち

2007年09月13日
洞爺湖
 次回の子どもパークレンジャー事業の下見で有珠外輪山の北屏風山麓へ入りました。この辺りは1977年噴火で豊かだった森は消えました。しかし、今は草本群落としてイタドリやススキ、ヨシの草原となってます。その群落のそばを歩いていると実にかわいらしい小さな花たちを見ることができます。
 ウンラン(海蘭)という花。日本固有の砂地に生える多年草で、8月?9月に白と黄色の花を咲かせます。ランに似た花をつけることで命名されました。海岸に多く、知床半島でも見られるようです。そんな花が地表温度が高く、小さな噴気口から蒸気を出す火山地帯に咲いているのです。他には、ヤマハハコ(山母子)、ゲンノショウコ(現証拠:薬用としてすぐ効果が現れることから名が付いた)、ミヤコグサ(都草)も咲いていました。(和名の漢字表記はその花がどんな花か想像できますね。)
 2000年噴火が起きた西山では、メマツヨイグサ(雌待宵草)が咲いていました。原産地は北アメリカで高いもので1.5mを超える2年草です。道ばたや空き地でよく見られますが黄色が目立ちきれいな花です。実際、洞爺湖の町中にも咲いているのを見ました。畑の中で成長を競うように背がどれも高くのびていましたが、火山の中ではまだあまり競争が激しくないのか背が低いのが目立ちます。
 火山は噴火して森がなくなっても、植物は様々な方法で新たにその土地に根付き、時間をかけて移り変わっていきます。有珠山周辺では97年前、64年前、30年前、7年前の噴火後の植生を見ることの出来る貴重な場所です。

小さな花、海蘭(ウンラン)

現証拠(ゲンノショウコ)

雌待宵草(メマツヨイグサ)