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北海道地方環境事務所

アクティブ・レンジャー日記 [北海道地区]

家庭ゴミの不法投棄

2007年11月12日
羅臼
 11月8日(木)の夕方、羅臼町役場の方から「羅臼温泉の源泉のところに家庭ゴミを不法投棄された」との情報が入りました。国立公園区域内でもあったので、早速状況確認と回収の手伝いに出向きました。

 現地に到着すると、モウモウと上がる水蒸気のそばに町役場の車が2台駐まっており、役場の建設水道課と環境管理課の担当者が集まっていました。大きなゴミ袋で4袋分のゴミが捨てられたようで、既に3袋が回収され、軽トラの荷台に載っていました。町指定ではない半透明のゴミ袋がカラスにつつかれて破れ、残飯や使用済みの紙オムツが穴からこぼれていました・・・・

 残り1袋は川の対岸に流され、カラスにやられて中身が散乱していました。他の人は長靴を履いていなかったため、私が川を渡って回収しに行きました。

 こちらもやはり残飯や汚れた食品の容器、使用済み紙オムツでいっぱい。紙オムツが水を吸ってかなりの重量になり、運ぶのに一苦労でした。今回は幸い発見が早かったため、残飯についたのはカラスだけでした。でも、一晩放置したらヒグマがついていたかもしれません。

 幼児用紙オムツのようだったので、これらを捨てたのはおそらく地元の若い世代でしょう。町指定の有料ゴミ袋を買うのをけちって、まさに「ゴミを山に投げた(北海道方言では捨てることを投げると言う)」といったところでしょうか。年配の人ならともかく、若い世代だとするとちょっとショックです。環境教育の浸透がまだまだ手ぬるい証拠でしょうか?

 国立公園区域の内外を問わず、ゴミの不法投棄はよく目につきます。釣り人や観光客(含、長期キャンパー)が原因の場合もありますが、「これ捨てたのは明らかに地元民でしょう」という場合も多々あります。町外からの来訪者はもちろん、地元の方にも、羅臼の自然や美観にもっと関心や大切にしようという心を持っていただきたいものです。地元の方々全員とは言いませんが、どうも自然があることが当たり前すぎて、それに対する甘えがあるような気がしてなりません。油断は禁物ですよ~