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北海道地方環境事務所

アクティブ・レンジャー日記 [北海道地区]

紹介します!【その①】

2009年02月25日
羅臼
↓↓↓

「がおぉ~!!!」
とばかりの迫力!まるで恐竜のよう。
大きな口に並ぶするどい歯、5本の指がある大きな前肢。
さて、この動物は???

学名をOrcinus orcaといい、
英名ではKiller whale、
アイヌ語では「レブン・カムイ」(沖をつかさどる神という意味)、
漢字では「鯱」と書き、
和名では「サカマタ」などとも呼ばれます。

そう…実はシャチなんです。


約4年前の平成17年2月7日。
羅臼町の相泊で11~12頭のシャチの群れが発見されました。海岸に打ち寄せていた流氷に挟まれ座礁してしまったのです。
羅臼町の協力もあり、当時この群れの中で最も大きかったオスの1頭を骨格標本にすることとなりました。肉片を落とすために3年間斜里町博物館の敷地内に埋められていたシャチは、掘り起こされたあと約1年京都にある標本作製業者に預けられ、ふたたび羅臼に戻ってきた、というわけです。

というわけで、今日は羅臼ビジターセンターに仲間入りした新顔くんをご紹介します。




体長7.65m、体重6.6㎏、34歳のオスのシャチです。
その骨格は頭部を下に背骨、尾びれと組み立てられ天井からつり下げられています。今月の24日から一般公開が始まり、常設展示されています。

まず、その大きさに驚くことでしょう。
後方に写っているのはメスのトドですが、約2.5mあります。今まで見上げるほど大きいと感じていたトドが小さく見えるほど。
(展示室の主役?を奪われちょっと恨めしそうにシャチを見つめているよう)
また、祖先が海中生活をし始めたときに前ひれに変わった前肢や、退化した骨盤、イカや小魚からアザラシなど様々なものをエサとする牙状の歯、など、シャチの進化の過程や生態、体のつくりを間近で見ることができます。

ぜひ、羅臼のシャチに会いにきてください!



羅臼沖で撮影したオスのシャチ 2008年6月28日撮影

【羅臼ビジターセンター】
開館時間:11~4月 10:00~16:00 (5月~10月 9:00~17:00)
休館日:月曜日および年末年始
入館料:無料
http://rausu-vc.jp/

【参考文献】
・クジラ・イルカ大図鑑 A.マーティン 平凡社 1991年12月6日
・クジラの超能力 水口博也 講談社 2006年6月1日