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北海道地方環境事務所

アクティブ・レンジャー日記 [北海道地区]

秋終盤~秋色色

2009年10月13日
洞爺湖
 羊蹄山はもう初冠雪を終え、山頂付近の谷筋はうっすら白く化粧されています。洞爺湖湖畔沿いや有珠山山麓の木々は色づき、気温もぐっと下がり冬へ着々と向かっているようです。日は短くなって仕事帰りのバスからは、満月が洞爺湖を照らし、湖面に光の帯が映る様子を見ることもできます。
 四十三山の巡視に入りました。すっかり落ち葉ロードになり、赤い実をつけたカンボクやガマズミ、ノイバラがすでに終盤です。歩道入り口にあるクリの木も実をぼたぼたっと落ち、歩道を歩けばカツラの葉からはキャラメルのこがした様なにおいも漂います。四十三山には多いオオウバユリも、実から種子がはじける寸前です。その種子は「キツネの小判」といわれているそうで、この時期、小判が何枚も入っているのを見ることができます。もう時期、実がはじけて風に飛ばされるのでしょう。


狐の小判。オオウバユリ。
オオウバユリは「大姥百合」と書き、種子から開花するまでに10年以上かかるそうです。白い花の咲く頃に、葉が枯れてなくなることから、姥の歯が抜けることをたとえたようです。またノブドウを初めて見ました。ほぼ全国で見ることの出来る、つる性の落葉木で水色や紫色と濃淡もあり宝石のような実を付けます。この実の色を見たときなんて自然から生み出される色はすごいのだろうと感動しました。


色鮮やかなノブドウ。

しかし帰って調べてみたところ、ノブドウの本当の色は赤紫で、ブドウタマバエやブドウトガリバチといったハエやハチの幼虫が寄生することで紫や水色になるのだそうです。自然は共存していることも改めて実感です。これからは紫色の小さな実をつけるムラサキシキブも四十三山を彩るでしょう。
 自然界にはたくさんの秋色で色づいています。オレンジもあれば水色もそして赤もあれば紫も。みなさんぜひ自分の秋色を色々探して下さい。


洞爺湖ビジターセンターから望む夕暮れ間近の有珠山。