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北海道地方環境事務所

アクティブ・レンジャー日記 [北海道地区]

礼文島環境フォーラム 2010

2010年09月14日
稚内
9月11日(土)礼文町町民活動総合センター(ピスカ21)において礼文島環境フォーラム2010が開催されました。当フォーラムは環境NPO礼文島自然情報センターが主催し、環境省、林野庁、礼文町、北海道大学などが共催となり島内外から多くの個人や団体が参加して礼文島の自然環境について話し合う毎年恒例のイベントです。今年のテーマは「自然歩道の未来」でした。
午前中はこれからの歩道管理のありかたを各自考えるため実際に香深(かふか)~礼文林道~香深の周回コースを歩きました。午後は歩道管理の現状をテーマにした岩手大学農学部准教授柴崎先生による講演、礼文高生2名による活動発表、北大農学研究院生熊谷さんによる礼文島の歩道調査報告と続き、最後に今後の自然歩道のあり方についてグループディスカッションを行いました。まず、歩道管理についての意見の傾向別にグループ分けし、グループごとに歩道整備の必要性や具体的な方策、歩道が抱える問題点を解決するための対策などを話し合いました。




岩手大学農学部 柴崎准教授の講演
(演題:世界遺産や国立公園に指定されると何かが変わるのか?)

このフォーラムは一つの決まった方針を打ち出すのではなく、多様な意見を歓迎し、その中からよりよいものを作っていくことが目的であり、最後に結論を出すことはしませんでした。自然歩道に求めるものは一人一人違っていて、よく整備された歩きやすい道を好む人がいる一方で、人の手が加わっていない自然度の高い道を好む人もいます。このフォーラムでの講演や議論を通じて歩道を管理していくにはその地域の特徴を考慮に入れた目標を定め、整備や対策はそれに沿ったものが求められるということを学びました。
アクティブレンジャーは歩道に関わる業務が多くあるため今回のフォーラムへの参加はとても有意義な時間でした。しかし、それと同時に今回学んだことを生かし礼文島の歩道をよりよくしていくためには、礼文島の歩道についてより深く知る必要があると感じました。




グループディスカッションの模様