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北海道地方環境事務所

アクティブ・レンジャー日記 [北海道地区]

生命の営み

2011年04月11日
阿寒湖
春です。先日、久々に雪ではなく雨が降りました。
フキノトウも芽を出しています。



そんな陽気の中、エコミュージアムセンターのスタッフから、ボッケ遊歩道に来てほしいとの連絡がありました。

「ボッケ」とは、アイヌ語の「煮え立つ」という言葉から名付けられた泥火山の事です。地底から火山ガスと共に泥が吹き上げられ、沼が煮え立っているような景観を生み出しています。

そのボッケが見られる柵の中で、エゾタヌキが死んでいました。



怪我もなく、やせている風でもありませんでした。暖を求めてやってきて、火山ガスにやられたのでしょうか?
観光スポットで人目にさらされる場所なので、回収し森の中に埋葬しました。

私たちの目に付かない所では、数多くのいきものが土に還り、また新たないきものの糧となって生命の輪を繋げています。
が、やはり冷たい体を抱きかかえると心が痛みます。
実は先日も、野鳥の死亡個体を収容しました。また、最近道路に出てくるエゾシカが増え、車に轢かれるロードキルも見かけるようになってきました。

もちろん、新たないきものを見かける事もあります。
エゾモモンガです。



エゾモモンガは北海道ではそれほど珍しくなく、特に雪の上の痕跡を見つけやすい冬場は発見しやすいのですが、夜行性のためこれまで勤務時間中に姿を見かける事はありませんでした。
かわいいですね。

今日も阿寒湖では、多くの生命の営みが行われている事でしょう。