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北海道地方環境事務所

アクティブ・レンジャー日記 [北海道地区]

出張授業を行っています。

2012年07月24日
羅臼
外来生物っていったいなんだろう。
外来生物の侵入によって生態系にはどのような影響があるのだろう。
身近な自然の中にどんな外来生物いるんだろう。
そして、それらを学ぶことによって、身近な自然の大切さや生物多様性を保全する意識をもってもらえたら。
そんなことから、根室振興局が根室管内の小中学校を対象に、外来生物の出張授業を行っています。

昨年から行っているこの出張授業。
そこで講師として、子どもたちに外来生物についてお話しをしています。

外来生物が生態系に与える影響が、生きものの命の循環システムを崩してしまう一因になっていること。でも私たちの都合で連れてこられた外来生物、人間活動が要因となって急激な環境改変が起きていること。本来の生態系や在来生物を保全していくためにも、これ以上の外来生物の侵入と分布拡大を防がなくてはならないこと。
それらを知ってもらうため、また、子どもたちの身近な自然をより大切に感じてほしい、そんな思いで授業を行っています。


授業では、生態系に影響を及ぼす外来生物・そのしくみについてと、特定外来生物であるセイヨウオオマルハナバチをメインとしたお話。


そして野外観察では、実際にセイヨウオオマルハナバチの捕獲や、ネイチャービンゴなどを通して行う自然観察など。


雨天時には、羅臼事務所考案の
「セイヨウVS日本のマルハナ 勝つのはどっちだ!」ゲームを通して、セイヨウオオマルハナバチの特性や捕獲の効果を体感しました。

授業を通して、子どもたちは普段見慣れた身近な自然の中にも、実は外来生物が存在して生態系に影響を与えていることや、もともとあった生態系を保全していかなければならないことなど、感じてくれたのではないかと思います。

正直、外来生物について教えるというのは、私たち大人がもたらした影響を、未来を担う子どもたちに伝えるもどかしさを感じながらの授業です。
でも、こうした授業を通じて、改めて身近な自然や生きものの大切さや素晴らしさを感じるきっかけになれたら、とても嬉しい。そして、生まれ育った場所の自然を大切に思いながら育ってほしい、そう願い、授業を行っています。