ACTIVE RANGER

アクティブ・レンジャー日記 [北海道地区]

北海道地方環境事務所のアクティブ・レンジャーが、活動の様子をお伝えします。

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2019年2月

10件の記事があります。

2019年02月21日冬山に挑戦

知床国立公園 羅臼 宮奈光一郎

知床・羅臼に暮らす小学生たち。いつでも元気がありあまっている彼らを連れて、羅臼町の裏山「英嶺山」に行ってきました。

雪に覆われた斜面を苦労しながら登る羅臼町の小学生(2019年2月撮影)

普段からスキーやスノボーなどをして雪には慣れている小学生たちですが、自分の足で山に登ることはあまりないようで、苦労しながら山頂まで2時間の距離をゆっくりと進んでいきました。

山頂に立つ羅臼町の小学生たち。目の前は開け根室海峡、流氷、国後島を眼下に望む。(2019年2月撮影)

山頂からは羅臼町中心街、国後島に流氷、知床の山並みを俯瞰することができます。それを見て「きてよかった」と言ってくれました。

山頂から羅臼町の山並みを望む。幾重にも小高い尾根が重なっている。(2019年2月撮影)

羅臼町周辺の山並み。今回は雲がかかっていましたが、知床連山を見ることもできます(写真は山頂から野付半島方面を向いたものです)。

途中にある凍り付いた四ツ倉沼。雪が堆積し周辺も開けているため、遊び場として最適。(2019年2月撮影)

頂上で昼食を取り元気を取り戻した小学生たち。帰りは文字通り笑い転げながら滑り降りていきました。途中凍りついた沼の上で雪合戦やネイチャーゲームを繰り広げ、やっと体力が減ってきたところで下山となりました(写真右手奥の白い鈍頭が英嶺山です)。

四ツ倉沼の上ではしゃぎ回る小学生たち。(2019年2月撮影)

苦労はありましたが全員登頂、怪我もなく無事終了。大変なこともあったと思いますが、参加してくれた一人一人が自分の足でまだ見ぬ場所に於もむくことの面白さを覚えてくれていればと思います。

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 英嶺山(標高521.3m)
  羅臼山岳会によって道が整備されています(夏期)。
  知床未来中学校の裏手より登山口に続く道があります。
  冬期は目立つ目印がありませんのでご注意ください。

 実施したネイチャーゲーム
 「オスは大変 冬のエゾシカハーレムづくり」
  イ)4から5人程度がオス、他はメス。
  ロ)制限時間内にオスはメスを捕まえ、じゃんけんに勝てばメスを獲得する。
  ハ)メスは捕まったら各オスの陣地に移動する。
  二)オスがオスを捕まえることも可。オスがオスを捕まえた場合、

    各陣地のメスの前に移動し、各オス10秒間自分の強さを体で表現する。
  ホ)各陣地のメスは強いと思った方へ移動。
  へ)獲得したメスの数が多いオスが勝ち。
  ※メスは早くても早歩き程度で移動。オスは走ってよい。
  ※オスの数陣地を設ける。陣地は隣接して作成。
  ※オスは連続して同じメスを捕まえてはいけない。

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2019年02月19日流氷きてます!

知床国立公園 ウトロ 白石海弥

こんにちは。知床国立公園ウトロの白石です。

1/14にウトロで流氷を初確認してからしばらく、、、大海原は見渡す限り真っ白な流氷で覆われました!

雪原のようにみえるオホーツク海

流氷は毎年1月下旬頃から2月上旬にかけて接岸します。実は流氷が近づいている前兆として海が"シーンッ"となることがあげられます。これは、流氷により海に蓋がされたようになり、波が起きなくなる、または起きても伝わりにくくなることで起きる現象です。嵐の前の静けさのようで個人的には少し怖くもあります。

そんなこんなでやって来た流氷は、波によっては沖へ行ったり接岸したりと行ったり来たりをしながら、段々と海を覆っていきます。

さっそく流氷上にはオオワシや、オジロワシが多く見られました。先日の調査では合わせて100羽以上を確認!大人気です。流氷の割れ目から魚を探しているようです。

 

     オジロワシ(まだ若そう)               オオワシ(幼鳥)

 

 カラスのエサを横取りできたオジロワシの幼鳥    エサを横取りできなかったシロカモメの幼鳥

さて、知床が世界自然遺産に登録された2005年に流氷が初着岸した日が1月30日。この日を北海道は「知床の日」と定めました。ウトロ側ではその「知床の日」に合わせさまざまなイベントを行っています。

 

こちらは1/30~2/28まで開催されている【流氷フェス】。氷のドームや造形物があり、お酒も飲むことが出来ます。去年に比べ今年は規模が大きく作品もかなり手が込んでいますのでぜひお立ち寄りください。

詳しくは☞こちら

知床世界遺産センターでは海ワシ展を開催中です。

 

知床を訪れる皆さんが海ワシを見分けられるよう、生態や特徴などを写真を交えながら解説しています。ちなみに「海ワシ」とは魚を主食とするワシの総称で、この場合はオオワシ・オジロワシ双方を指します。まずは遺産センターに立ち寄って学んでから観察を楽しんでみてはいかがでしょうか。

玄関には流氷が登場です!オオワシのぬいぐるみ2m40㎝とほぼ同じサイズ!厚さは80㎝ほど。これからまだ厚くなっていき、最終的には背丈ほどまでになるそうです。これだけ大きくても極々一部、自然のスケールの大きさにただただ驚くばかりです。

舐めることはお勧めしませんが触ることはできるので、ぜひ流氷を体感してみてください。(上手くいけば4月頃までありますよ!)

流氷が春になり溶けると海水が大きく循環し、流氷にくっついてきた植物プランクトン(アイスアルジー)がそれに伴い爆発的に増えます。このプランクトン達こそが知床の海の豊かさを生み出す縁の下の力持ちであり、とても大切な生き物です。これらを運んできてくれる流氷は世界自然遺産に選ばれた大きな理由の一つとなっています。

溶けてしまうのは寂しいですが春が待ち遠しいですね。流氷は3月頃まで見られます。

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2019年02月19日わくわく楽しい野外学習へ

釧路湿原国立公園 釧路湿原 渡辺欣正

2/7()12()に釧路市内の小学校が、総合学習の時間を使って釧路湿原を訪れてくれました。今日の日記は、その楽しい時間のレポートです。

事前に矢部レンジャーが出前授業をおこなったので、子どもたちは日本最大の湿原に色々な生きものが暮らしていることを予習済み。

まずは、湿原を見渡せる北斗展望地を訪れました。みんな(寒いな...)という表情でしたが、「冬でも生きものは暮らしているのかな?」「対岸の丘までがぜんぶ湿原だよ。今からこの中へ探検しに行こう!」と伝えると、ワクワクした顔に変わっていました。

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その後、温根内ビジターセンターへ移動。矢部レンジャー率いるスノーシュー班と、私が担当する歩くスキー班に分かれて、最後にお互いの発見を報告しあうことにしました。

「いってきまーす!」

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少し歩くだけで、色々な形の足跡を見つけることができました。寒い冬でも、姿は見えなくても、動物たちは元気にたくましく暮らしているようです。

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左)エゾユキウサギと天敵のキタキツネが交差。もしも鉢合わせしていたら...!?

右)大きなエゾシカの隣を小さなネズミが歩いています。童話に出てきそうな世界です。

そして開けたところに出ると、遠くのほうにキタキツネがいました!観察してみると「下を向いている」、「しのび足で歩いている」などの声が。きっと餌となるネズミやウサギを探しているのでしょう。

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その頃、スノーシュー班はというと、ありとあらゆるものが凍りついた湿原に湧く、""を探していました。これが、タンチョウを絶滅から救ったと言われる、冬でも凍らない水なのです。飲み水になるだけでなく、中には小魚やザリガニがたくさんいそうです。

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スキー班の最後は、お楽しみゲーム「ウサギとキツネのかくれんぼ」をしました。真っ白な冬毛のウサギ役は、白いシーツをかぶって林の中へ隠れに。鬼役のおなかをすかせたキツネは、耳を澄まし、足跡をたどり、目をこらしてウサギを探しに行きました。

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パークボランティアの小川さん&藪本さんは、本物のウサギ同様"とめ足"を使って隠れたので、キツネたちは惑わされたようです。

ビジターセンターに戻ってからは、お互いに見つけたことを報告しあいました。目を輝かせて「湿原最高!」、「ここに住みたい!」、「レンジャーになってみたい!」と嬉しい反応がかえってきました。

残りの2月は、鶴居村内の小学校も2校来てくれることになっています。釧路湿原を大好きになってもらえるよう、私もサポートしにいきます!

<学校の先生方へ>

私たち釧路湿原自然保護官事務所とその関連施設では、総合学習や遠足などの時間を使った環境教育、湿原学習のサポートをしています。ご希望ありましたら、遠慮なくご相談ください(釧路湿原自然保護官事務所 0154-56-2345)

過去の事例→http://www.kushiro-ee.jp/scl/scl.html#aoba

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2019年02月15日冬の夜を彩る「シーニックナイト2019」

支笏洞爺国立公園 洞爺湖 北海道地方環境事務所

皆様こんにちは。

洞爺湖担当の増田です。

観測史上最強の寒波が襲来し、各地で今季最低気温が記録されました。

そんな記録的寒さの中行われた、洞爺湖温泉冬まつりと同時開催されたシーニックナイト2019の様子をお知らせいたします。

洞爺湖温泉冬まつりの本まつりが9日に開催され、北海道開発局 室蘭開発建設部さんと室蘭工業大学Studio催事さんと協力し、支笏洞爺国立公園指定70周年のPRとシーニックバイウェイ北海道 支笏洞爺ニセコルート 洞爺湖エリアのPRをするキャンドル点灯を行いました。

↑キャンドルの準備中

「シーニックナイト」とは冬の夜にキャンドルを灯して楽しむイベントとして1月から2月の期間、シーニックバイウェイ北海道 支笏洞爺ニセコルートで開催されています。

今年のテーマは「寒さ忘れる冬の夜」。まさに大寒波がきていた9日ですが、多くの方がキャンドル前で写真を撮っていました。

さて、このキャンドル何個あるでしょうか?

正解は、洞爺湖にちなんで108(トウヤ)個あります。

白い雪から漏れるキャンドルの灯りは、とても柔らかく暖かい気持ちになれました。

ちなみに...

洞爺湖温泉冬まつりは毎年2月上旬に行われ、期間中は毎晩20時半~花火が打ち上げられます。空気が澄んだ冬の夜空を鮮やかに彩る花火はとても綺麗ですよ☺

本まつりでは洞爺湖赤毛和牛の串焼きや噴火湾ホタテ焼きなど地元食材を味わえる屋台、雪玉ストラックアウト、スノーチューブ、お菓子まき、かき氷早食い競争等の様々なイベントがあります。

来年の洞爺湖温泉冬まつりにぜひ、お越しください。

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2019年02月14日尊さで胸いっぱい

大雪山国立公園 東川 渡邉 あゆみ

 こんにちは、東川 渡邉です。

 2月初旬、日高町国立青少年交流の家にて、パークボランティア冬期研修会を開催しました。

 今回は、今春に完成したパークボランティア自然解説マニュアルを活用し、11月に加わった新規会員と共に

パークボランティア活動に特に必要な内容について知識を深めることを目的に、二日間の室内研修を行い、延べ76名の参加がありました。

 研修では大雪山で見られる高山蝶や昆虫、高山植物について各種の生態や特徴、分布などの詳しい講義を、外来生物の講義では外来種対策や、実際にパークボランティアで駆除活動のある特定外来生物セイヨウオオマルハナバチとウチダザリガニの取り込まれた経緯から現状、防除の仕方について、それぞれパークボランティア、外部の専門家、職員が講師となり講義を行いました。

 外来種ははじめて見聞きする新規会員の方もいらっしゃったようで、同じ日本でも道外から入ってきたものは外来種と呼ぶことや、生態系を守ることの重要性を知って頂けたと思います。

 

 ここでは特別に、研修に来られなかった方のために、私が特に印象に残っている、「大雪山の高山植物」の1コマ「植生分布による分類」について紹介します。

 「冬季には世界一の強風が吹くとされる大雪山。また北は東シベリア・サハリンから、北東はカムチャッカ・千島列島から、南は本州から渡ってきた花々の交差点となり、大雪山は日本の何処の山域よりもお花の種類が多いとされています。

 植生分布は高山風衝地、積雪地、湿原などにあり、その中でも特に過酷な高山風衝地には強風が吹きさらすため積雪もなく、植物の生育には大変厳しい環境となりますが、そこに耐えることができる高山植物があり、それらは3分類にされます。

 ①風衝地の中でも比較的安定した立地で生息しカーペット状に拡がる「高山ヒース」(ミネズオウ、イワウメ等)、②風衝作用が厳しく砂礫が移動する不安定な場所に拡がる「高山風衝草原」(エゾオヤマノエンドウ、キバナシオガマ、ホソバウルップソウ等)、③風衝作用・砂礫の移動が最も厳しく日射による乾燥の激しい場所にある「高山荒原植生」(コマクサ、タカネスミレ等)。

 一口に風衝地といえども、3分類されること、知ってましたか?また、それらは大雪山の何処にあたるか思い当たったでしょうか?

 きっと講義中も、今もなお、逞しく生きている高山植物を想像し胸がキュンとした方は多数いるでしょう!また、「日本一お花の種類が多い山岳地」と聞き、まるで自分自身のことのように誇らしい気持ちにもなったでしょう?尊いです、大雪山・・・。

 研修の最後は、日高町消防署の方に来て頂き、一般救命講習を受講しました。ここでも、救急救命士の方へ登山時に起こりえる怪我の対処の仕方など質問が飛び交い、有意義な講義となりました。

 6月からは本格的に山での活動がはじまります。今回の研修会で習得した知識を活かし、大雪山保全のために活発に活動に参加されてください!一緒に尊い気持ちを共有しましょう。

 皆さんと活動出来る日を楽しみにしています。

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2019年02月12日冬の釧路湿原

釧路湿原国立公園 釧路湿原 佐野 綾音

 みなさまこんにちは。

 釧路湿原自然保護官事務所の佐野です。

 北海道では、大雪が各地で度々降り、公共機関が大幅に乱れるなど生活に影響が出ている地域もあります。

 そんななか、釧路湿原では快晴の日が続き、今年に入り一時は積雪もほとんどなくなり、道路はもちろん、畑などでも地面が顔を覗かせていました。

 昨年も、積雪量が少なく歩くスキーで巡視をする事が出来なかったので、今年こそは!っと張り切っていたのですが、まさかの積雪量が少なく、先月の巡視では秋頃と変わらぬ装備でした。

5W1H 5W1H

1月に巡視した場所の様子(雪がほとんどありません)

 すっかり私の中で、寒さは厳しいものの、雪はもう降らないかもと、2月5日の釧路湿原鳥獣保護区内の巡視もスノーブーツで大丈夫かなと気を抜いていると...

 前日2月4日に珍しくまとまった雪が降り、朝からあせあせと釧路湿原野生生物保護センターの除雪を行い、明日の巡視に向けてスノーシューを準備!(今回は歩くスキーではなくスノーシューをチョイス)

5W1Hスノーシューは深雪でも埋もれず歩ける万能アイテム

 翌日、天候に恵まれ快晴と最高の巡視日和。この日は、釧路自然環境事務所野生生物課の若手のホープ2名と釧路湿原鳥獣保護区内の巡視を行いました。普段は、釧路湿原ボランティアレンジャーの皆さんや先輩アクティブレンジャーと行なっていて、いつも先導してもらっていました。

 今回初めて、自分自身が先導する事となり、極度の不安と緊張を胸に秘めながら、スタートしました。するとスタート早々にアクシデントが発生。スノーシューが、まさかの破損で使用できず、途中膝上まで雪に埋れながら進む事態も...

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巡視の様子

 いつもであれば1時間半もあれば目的地点にたどり着くところ、2時間半近くかかってしまいました。

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登り終えた所で一休憩

 巡視中、普段はあまりオオワシやオジロワシを観ない地点に複数羽おり、なんだろうと思っていると、ほどなくカラスがたくさん群がっている場所を発見しました。双眼鏡で覗くと、エゾシカの死体に集まっていました。

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赤丸:カラスの群れ 黄色丸:オオワシ

上記写真拡大図(赤丸部分)

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 上記写真拡大図(黄色丸部分)

 これに誘引されてワシ達もいつも以上にいるのだと納得しました。動物の行動が変化に気づかせくれました。

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私たちをみつめるオオワシ

 また、丘陵地の根元付近や湿原内には湧水が流れている場所がいくつもありました。この湧き水は一年を通してほぼ同じ水温なため、冬も凍りません。極寒のなか、野生動物達にとってこの湧き水は貴重な生命源!

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湿原へ流れる涌き水

 巡視終了目前、一羽のカラスが私たちの横を通過し、通り過ぎた後、鳴きました。

 全員立ち止まり、なんだ、あの鳴き声は!と耳を傾けました。それは、鳴き声が特徴的なワタリガラスでした。ワタリガラスはカラス類の中では最大の大きさですが、単体を一瞬見ただけでは、馴染み深いハシブトガラス・ハシボソガラスとほぼ変わらない鳥です(ハシボソガラスとワタリガラスが一緒にいると一目瞭然です!)。このワタリガラスはユーラシア大陸全域や北米大陸に生息しているのですが、北海道では主に道東を中心に冬鳥として渡ってきています。

 今年もワタリガラスの声を聞くことができ、嬉しい気持ちになりました。

 巡視は無事?終了し、鳥獣保護区内での異常は特にありませんでした。

 今回は、天候も荒れず怪我も無く終える事ができましたが、道具の不備などは、怪我や事故に繋がる危険があり、日頃より道具の確認、メンテナンスをしなければと深く反省しました。

 みなさまも冬山に限らず、自然界に遊びに行く際は、油断せず、道具や装備、服装など万全に、大自然を満喫しましょう!

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2019年02月12日サロベツ子どもパークレンジャー 冬も元気です!

利尻礼文サロベツ国立公園 青山留美子

インフルエンザの大流行に巻き込まれそうになったサロベツの青山です。

寒い日が続いていますが、しっかり春の気配も近づいてきている気もする、今日この頃です。

数年に1度の寒波が来る前、とても天気の良かった22日は「世界湿地の日」!

それに併せ、サロベツでも子どもパークレンジャーの活動でスノーシュー散策を行いました。

そもそも、子どもパークレンジャー(JPRとは?

環境省レンジャー(自然保護官)と一緒に国立公園などにおいて、自然観察や自然解説による自然環境学習などを小・中学生に体験してもらうプログラムです。

サロベツでは、昨年の6月から小学生を対象として始動し、今までに5回の活動を終えており、今回は、今年度最後の活動となりました。

更にスペシャルな事に、サロベツと同じく日本最北のラムサール条約登録湿地クッチャロ湖で日頃活動している、浜頓別町の「ジュニアガイド」の子どもたちとの交流を兼ねた活動でもありました。

浜頓別から1時間ほど車に揺られてやってきた7人の子どもたちを加え、19名の子どもたちでとても賑やかになった活動の様子を、ご報告します。

まずは、お互いがどんな地域でどんな活動をしているか、それぞれの紹介から始まりました。

左が浜頓別町の子どもたち、右がサロベツのこどもたちです。

その後、地域ごちゃ混ぜの2チーム、野生動物を探す班と植物について調べる班とに分かれました。そして、スノーシューをつけて、いざ森へ出発です!

この森は、湿原のとなりにある森で、雪がある今だからこそ入っていける場所です。

迷子にならないよう、みんな同じ道を辿ります。それぞれの指令を気にしながらも、遅れないようにガシガシ進んでいきます。

雪がのっているだけで、景色はとても変わった物に見え、これは何かと、至る所でみんな覗き込んだり、つついたりしていました。

これは、根っこごと倒れた木を根っこ側から見えている図です。

そして、森の奥では、ミズナラの巨木にも出会いました!

ぱっくりと大きな洞がありますが、悠々とした枝振りをしていて登りたくなるどっしり感があります。

この森では、昔木を切っていたそうなので、そんな時代も生き抜いた、この森の主でしょうか?

そんな巨木のパワーを感じつつ、近くでしばしの休憩タイムをとりました。

飲み物を飲むくらいで終わるのかと思いきや、

子どもたちのリュックからはお菓子がどんどんでてきます。さすがです。

飲み物をあったかくしてくる事しか考えていなかったお菓子ゼロの私にも、あちこちからお裾分けを頂きました。みんなのやさしさと甘さにほっこりしました。ごちそうさまでした。

休憩の後は、今年の湿地の日のテーマ「湿地と気候変動」にちなみ、

今年の積雪量は例年と比べてどうなのか、写真を見比べてみてから、実際に雪を掘ってみました。子どもたちも交代で掘り進め、ササに到達!

森の中での積雪量は80㎝ほどだとわかりました。積雪量としては、昨年度の22日の豊富町の積雪量とほぼ同等です。昨年よりも雪が少なく感じていましたが、最近の吹雪などで盛り返してきているのでしょうか?

更に、冬山経験のある有山首席自然保護官が、雪の断面をきれいにして見せてくれました。

そこには線のようなものがあり、雨が降った跡など、天気の状態を雪から読み取れることを教わりました。

雪の様子もわかったところで、あとは来た道を辿って戻ります。

お昼もチームで食べ、午後からは指令の総仕上げとして、森で見てきた物を体で表現してもらいます。

何を、どう表現するか、机を離れてみんなで考えていました。

一つだけ紹介すると、

植物班が森で見つけたものを体で表現したこちら↓は、何を表現したものでしょうか?

正解は、

「幹にからみついた蔓」を表現したそうです。

力作ですよね。しかも楽しそうです♪

子どもたちの印象に残ったものや、気になったもの、表現の仕方など、私達の想像を超える時があり、毎回とても驚かされます。

みんなの中で、何か一つでも持ち帰ってもらえるものがある活動になっていれば嬉しい限りです。

そんな感想を期待して、新聞記事形式に個人の感想や見た物などをまとめて書いてもらい、終了しています。今回も無事に、みんな任務完了となりました!

お疲れ様でした。

一見静かな森ですが、よく観察すると、とても賑やかな気がしてきます。

そして、更に、

カラフルな子どもたちに彩られて、白一色の景色が一気に鮮やかに華やぎました。

ワイワイ言いながらも、子どもたちは、様々な物を見つけ、記憶して戻ってきていました。

ガシガシ歩きながらも、浜頓別町の子どもたちとサロベツの子どもたちは交流していました。

歩き疲れ、お昼を食べて、午後は疲れ切ったかと思いきや、自分達の力で発表内容や方法を考えていました。

子どもたちはすごいです!

そして、冬の森は楽しいです!

サロベツでのJPRは今回で、今年度の活動すべてが終了しました。計6回で延べ77名の小学生にご参加頂きました。ご参加頂いたみなさん、ありがとうございました。

また、機会があれば、国立公園や鳥獣保護区で一緒に楽しみましょう♪

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2019年02月08日自然が作り出した氷のオブジェin七条大滝

支笏洞爺国立公園 當山真貴子

仕事を始める前に、事務所入口の除雪をする日が多くなっている當山です。

 

さて、先日(2/3)に千歳市役所さんとの共催行事「冬の七条大滝自然観察会」を開催しました。

※参加者:14名(小学生:5名、40代~70代:9名)

子供達がエゾリスの足跡を発見!北海道には、エゾリスとシマリスが生息していますが、シマリスは冬眠しているため、この冬の時期に活動しているのは「エゾリス」です。

エゾリスは、秋に餌の少ない冬に備えて、地面に木の実を埋める習性があります。

足跡を通して、寒さが厳しい冬の間も蓄えた木の実を探し出し、冬芽や樹皮等も食べ、イキイキと走り回るエゾリスのイメージが沸きました(^^)

エゾリスの足跡

 

今回の目玉の七条大滝を見る予定でしたが、滝壺まで続く階段が雪で埋まり、滑りやすくなっていたため、安全面を考慮し、上から眺める方法となりました。

七条大滝を上から眺める

 

もし、降りることができた場合は、下のような景色が眺められます(^^)

しかし、滝壺へ降りる階段は急坂で非常に滑りやすく、登りもキツいため、無理をなさらず、ゆっくり降りるようにご注意下さい。私も滑りました・・・(^^;)

七条大滝は見られませんでしたが、エゾユキウサギの足跡、自然のドライフラワーのようなツルアジサイ、上空ではオジロワシが優雅に飛翔しており、参加者の皆さんは、スノーシューの履き心地を楽しみながら、冬にしか見られない景色を満喫していました。

☆おまけ☆

1/25()から「千歳・支笏湖氷濤まつり」(ひょうとう)が開催中です!(2/17()まで)

11年連続水質日本一の支笏湖の湖水を使った透明度の高い氷のオブジェを見に行ってみてはいかがでしょうか♪

詳細はこちら↓↓

http://www.1000sai-chitose.or.jp/icefes.html

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2019年02月07日雪の滑り台が登場!!

苫小牧 北海道地方環境事務所

皆さん、こんにちは。

ウトナイ湖担当の平です。

今年の札幌はとても雪が少ないのですが、ここ数日は気温も下がりパウダースノーが降り積もっています。

札幌の大通公園では雪祭りも開催されており、沢山の観光客の方が北海道らしい雪を満喫されているのではないでしょうか。

さて、22日は世界湿地の日という湿原の記念日なのですが(詳しくは、こちら)、この日に合わせて2月中、ウトナイ湖でも色々なイベントを行っています。

23日(日)は、結城保護官と私が解説をしながら、ウトナイ湖の湖岸や林をスノーシューで探検しました。当日は天気もよく、18名の方に参加いただきました。雪の上に残った生き物の足跡を観察したり、湖面の氷上に止まっているオオワシやオオハクチョウ、ゆったりと飛んでいるオジロワシなどの生き物を観察したりしました。

湿原は私たち人間を含め、様々な生き物の生活の場です。

残り少ない最後のオアシスを皆で大切にしていこうじゃありませんか。

結城さん解説

イベントの様子:結城保護官が雪の上に残る生き物の足跡を解説

イベントの様子:上空を飛ぶオジロワシを発見!!

イベントの様子:上空を滑空するオジロワシ。氷の上にはオオワシも。

イベントの様子:ウトナイ湖の上でハイチーズ

※環境省のイベントで安全管理を行った上で、特別に湖面を歩きました。

許可が無い限り、危険ですので氷の上には絶対に上がらないで下さい。

また、2月中の毎週土日は、日本野鳥の会レンジャーの解説を聞きながら野鳥観察が出来る、冬のミニツアーが開催されていますので是非お越し下さい。

☆イベントの詳細はこちら

今回のイベントに合わせて、センター横に雪でミニ滑り台を作りました!!

苫小牧市は雪があまり降らないので、除雪機で雪をかき集め、水を掛けながら雪を固めて作りました。雪不足でジャンプ台の設置は断念・・・。しかし、途中から90度のカーブを付け、中々楽しい仕上がりになりました。

センター森の休憩室側の出入り口に、ペレットの空き袋で作ったソリも置いてありますので、いつでもご自由に遊んで頂けますよ。


結城保護官(福岡県代表)も滑ってみましたが、途中のカーブで一回転

野鳥の会の和歌月レンジャー(東京都代表)もくるりと反転

もしや、真っ直ぐ滑る技術は道産子だけの特技??センターの道産子たちは勢いよく下まで滑りきることが出来ました。(笑)

翌日はエゾリスも訪れたそうです。

気に入ってくれたのかな?

 

日本野鳥の会:和歌月レンジャー提供

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2019年02月06日タンチョウ総数調査

大雪山国立公園 上士幌 上村 哲也

 

 タンチョウは、日本で繁殖する唯一の野生ツルで、全長140cm、翼開長240cmに達し日本最大級の鳥類です。夏期は湿原に分散して営巣・育雛を行い、冬は里近くへ移動し群れで生活をします。特別天然記念物であり、絶滅危惧Ⅱ類(VU)(環境省レッドリスト2019)でもあります。

 かつて、一時は絶滅したのではないかとまで考えられました。大正時代に十数羽が再発見され、地域住民が主体となって給餌が試みられました。1952年に釧路管内旧阿寒町と鶴居村で給餌に成功し、一斉調査で33羽が確認されたといいます。1984年には当時の環境庁が給餌など保護事業を始めました。NPO法人タンチョウ保護研究グループによると2017年度には1,600羽に増加、絶滅の危機から脱する目安の1,000羽を超えたとしています。

 しかし、現在のタンチョウは、かつての数羽のオスの血を受け継ぐもので、遺伝的多様性が失われている可能性があり、それが故に鳥インフルエンザなど何かの感染症がまん延したときに、また絶滅の危機を招くのではないかと危惧されています。そこで、生息域の分散を促し感染症のまん延を回避するため、給餌量の削減を段階的に進めています。

 さて、生息域の分散を確かめるにも、生息数の増減を知るにも、調査は欠かせないということで、NPO法人タンチョウ保護研究グループが行っているタンチョウ総数調査に参加してきました。長い間の調査の積み重ねにより、いくつもの生息地が把握されてきました。この日、タンチョウが集まる川べりで双眼鏡を片手に広く囲み、二人が川岸を歩き追い立て、無線で連絡を取りながら、飛び去った方角や数を共有し、カウントの重複を取り除きながら生息数を調査しました。こちらの気配を感じるとすぐに飛び去ってしまう個体もいますが、遠くまで行くことなく畑など見通しのよいところに降りてくれれば、成鳥、幼鳥を判別し、足輪がついていないか観察します。足輪があればより倍率の大きい望遠鏡を取り出して刻印された数字などを読み取ります。これはある年の春、まだ飛べない幼鳥を捕まえて雌雄や体重を観察、血液を採取し、足輪を取り付け、その後の生長や行動を見守っています。

 本グループの丹念な調査によって、最近になって、ひとつの細い支流が凍らずにタンチョウの餌場となっていることが分かりました。この日もとある場所で二家族、7羽を確認しました。地域の周辺をくまなく巡り、別の場所に飛来していた4羽を見つけましたが、元の場所へ戻ってみると二家族の姿がありません。二家族のうち一家族が移動していたのでしょう。このようにきめ細かく観察しカウントの重複を除きながら調査しました。

畑地の堆肥に集まるタンチョウ
 こちらは別の場所の調査時の風景です。成鳥となったタンチョウは、真っ白と真っ黒に塗り分けられ、その名の由来通り、頂を丹色(にいろ)に染めています。立ち姿、飛ぶ姿は優雅であり、鳴き声は高らかで、夫婦の息の合った舞いも見事です。そして、タンチョウそのものの美しさに加えて、彼らが集う汚染されていない川や湿原にはカエルや魚が棲み、それらの清らかな環境が美しい景観を織りなしています。本州に比べれば豊かな自然が広がっているイメージのある北海道ですら、このような環境は意外と少ないものです(本来、タンチョウは冬でも川が凍らず魚などの餌を得られる場所に生息するのですが、家畜用の飼料などを得られる農家や牛舎の周辺に生息する個体もいます)。彼らが自然な状態で生息できる環境を守り、次世代につないでいきたいではありませんか。

雪原にたたずむタンチョウのペア

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