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アクティブ・レンジャー日記 [北海道地区]

北海道地方環境事務所のアクティブ・レンジャーが、活動の様子をお伝えします。

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2021年11月

10件の記事があります。

2021年11月29日鳥インフルエンザ研修会2021

苫小牧 大久保 智子

こんにちは、野生生物課の大久保です。

昨年は全国で野鳥における鳥インフルエンザが蔓延し、

今年は静かでいてほしいと思っていましたが、願いむなしく

野鳥では3件、家きんでは国内4件で高病原性鳥インフルエンザが発生し、

現在、対応レベル3になっているところです。(11/29 12:00現在)

◆対応レベルとは

 高病原性鳥インフルエンザの発生状況により環境省が対応レベルを設定しています。

 対応レベル1:発生のないとき。(通常時)

 対応レベル2:国内単一箇所において、国内の野鳥、家禽及び飼養鳥で

        高病原性鳥インフルエンザウイルスの感染が確認された場合。

        (国内単一箇所発生時)

 対応レベル3:国内単一箇所発生から30日間以内に国内の他の個所において、

        国内の野鳥、家きん及び飼養鳥で感染が確認された場合。

        (国内複数個所発生時)

 ※近隣国における高病原性鳥インフルエンザの発生状況により対応レベルを引き上げることもある。

11月19日のウトナイ湖での野鳥監視。この日は野鳥の異常はありませんでした。

鳥インフルエンザは、感染力の強さ、とくに家きんに対して高致死性を示す病性などから家きん産業に及ぼす影響が大きいため、家きんの防疫対策として野鳥対策が重視されています。

渡り鳥などの野鳥の移動が、高病原性鳥インフルエンザウイルスの長距離の広がりに関与していることが疑われています。しかし、通常渡り鳥などの大型の野鳥が家きん舎に入ることはなく、家きん舎を出入りするのは人や物、スズメなどの小鳥、ネズミなどの小型哺乳類の例が知られているところですが、今までに、国内では家きんへの感染経路は明らかになっていません。

なので、家きんへ鳥インフルエンザウイルス感染させないように、野鳥との直接的・間接的接触の防止、衛生管理の徹底が求められています。

◆鳥インフルエンザ対策への協力のお願い!!

・同じ場所でたくさんの野鳥が死亡している場合には、環境省もしくはお近くの自治体にご連絡ください。

・もし、野鳥など野生動物の死亡個体を片付ける際には、素手で直接触らず、使い捨ての手袋などを使用してください。

・日常生活において野鳥など野生動物の排泄物等に触れてしまった場合、手洗いとうがいをしっかりと行って下さい。

・野鳥の糞が靴の裏や車両につくことにより、鳥インフルエンザウイルスが他の地域へ運ばれる恐れがあるので、野鳥に近づきすぎないようにしてください。特に靴で糞を踏まないよう十分に注意して、必要に応じて消毒を行ってください。

・不用意に野鳥を追い立てたり、捕まえようとするのは避けてください。

10月26日のウトナイ湖での野鳥監視。ツルシギがいました。

環境省では、高病原性鳥インフルエンザの発生抑制と被害の最小化に努めており、野鳥による鳥インフルエンザウイルスの早期発見、対策を心がけています。

北海道地方環境事務所では、国指定鳥獣保護区を軸に、野鳥の異常などの発見・報告があった場合に早急に対応できるように、毎年野生生物課職員及び、各現地事務所の職員にも鳥インフルエンザ対策の研修を行っています。

今年も鳥インフルエンザについての基礎知識と、鳥インフルエンザ簡易検査の仕方などの研修を行いました。

今年も昨年に引き続き気を引き締めるシーズンとなりそうです。

鳥インフルエンザウイルスについては、むやみに恐れる必要はありません。正しい情報に基づき、行動してください。

死亡した野鳥を見つけた場合には、触らず、お近くの自治体までご連絡ください。

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2021年11月24日はじまりの山 芽室岳

帯広自然保護官事務所 丸岡梨紗

今回は9月中旬の、芽室岳登山道調査の様子をお伝えいたします。

日高山脈の登山史の始まりは、大正12年の7月、北大山岳部の松川五郎氏らによる芽室岳登山に始まります。芽室の由来はメム(泉沼)・オロ(内より、または内に)ベツ(川)=という意味で、川の源の泉や池から流れてくる川と解されます。当時松川五郎氏らはこの芽室川より芽室岳に初登山しました。

また、芽室岳には一等三角点がありますが、一等三角点が選定されたのが明治33年7月6日で、埋石年月日:34年5月14日、観測年月日: 38年7月17日となっています。

人馬で平原を進み、山に入って、人力で重い器材を担ぎ上げて測量をしていたのでしょう。

開拓されていない原野にて行われた測量は大変な苦労であったと偲ばれますが、北海道の開拓に大いに役立ったことでしょう。

そんなはじまりの山、芽室岳ですが、平成28年の日高・十勝地方豪雨災害の影響で氾濫した芽室川により、林道と避難小屋・橋が損失した影響で、登山口までのアクセスが長く、利用者が減って登山道は笹藪に覆われていました。

しかし今年度、林道や登山口付近の駐車場も補修され、また10月に山岳会有志の方々で草刈りもしていただいたため、来年度の登山が楽しみです。

私が最初に芽室岳に登ったのは14年程前の話で、まだその頃は一人でどきどきしながら夏山ガイドを見ては日高山脈に通っていたのですが、当時の芽室岳避難小屋は鬱蒼とした林に囲まれており、川も森の中を流れていました。

しかし、出水の影響でこんなにも開けて平らになってしまった様子を見たときは大変驚き、自然の力の凄まじさを感じました。

             ▲崩壊した小屋と氾濫後の芽室川周辺の様子

今回は笹刈り前に登山道調査を行いましたので、登山道は全体的に藪に覆われていましたが、足下にはところどころナラタケ(ボリボリ)が生えており、秋の森を感じました。

  

▲ナラタケ              ▲ハナビラタケ           ▲サルオガセ(地衣類)

パンケヌーシ(西峰)分岐を過ぎると山頂はもう一息です、主稜線に出るとナナカマドやオガラバナなどが色づいて紅葉が始まっている様子が見られました。

足下にはウラシマツツジの紅葉、コケモモも実っていました。ハイマツの実ややベリー類を食べに来ているのでしょうか。熊糞も確認しました。

   

左:ウラシマツツジとコケモモの赤 

中央:エゾシマリスによるハイマツの実の食痕   

右:高山帯のエゾヒグマの糞

山頂は双耳峰となっていて、ケルンのピークを過ぎるとまもなく山頂、山頂には岩の山がありそこに腰掛けて十勝平野を見おろしました。今回はガスがかかっていてあまり展望がなかったのですが、晴れた芽室岳は日高山脈の展望がとても良い山です。

   

▲紅葉の始まった主稜線              ▲山頂は岩山

前回の芽室岳登山は今年の3月でしたが、山頂は360度展望よしで、カムイエクチカウシ山方面の中日高の山々から、日勝峠方面の北日高の山々まで日高山脈の稜線を見渡すことができました。

その時は日勝峠から芽室岳までテントを背負ってスキー縦走したのですが、南・中日高の急峻な稜線と比較すると、北日高は主稜線の幅が広くてわりと緩やかな場所が多く、歩きやすかったです。

    ▲芽室岳山頂より伏見岳ピパイロ方面 3月撮影

残念ながら写真はないのですが、下山時に、イカルの群れがナナカマドの実をほおばっている様子を目撃しました。がっちりした体を持つイカルが木の実に群がる様子は、なんだか食いしん坊みたいでかわいかったですが、キーコーキーと高く澄んだ美しい鳴き声を持つ鳥です。

イカルの黄色いくちばしは、木の実を食べやすいように大きく太くなっており、堅い木の実や草の実を砕いてエサにしています。

また、イカルは小さな群れの中から気の合うパートナーを見つけるようですが、とても夫婦仲がよく、餌を探しに行くときは行動を共にするなどといったほほえましい一面をもっています。

芽室岳は展望も良く、中級レベルの方であれば日高山脈の入門の山として最適です。

来年はぜひ芽室岳へ日高の稜線を見に行ってみませんか。

 

 

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2021年11月19日小学生への環境教育授業を実施!第2弾☆

支笏洞爺国立公園 洞爺湖 小松瑠菜

こんにちは! 洞爺湖アクティブ・レンジャーの小松 瑠菜です!

紅葉がひらひらと舞い、そろそろ雪の季節がやってきますね♪

今回は、先日実施した洞爺湖町の小学生への環境教育授業の様子を紹介いたします☆

【第1回目】 10月に実施

第1回目の環境教育授業は、昨年同様、洞爺湖中島で実施いたしました。

「中島で生き延びるための戦術!!!」 をテーマに、

酪農学園大学・伊吾田 宏正教授にご協力いただき、伊藤管理官、小松AR、伊吾田先生 の3班に分かれて、

中島とシカの関係や中島の植物についてお話しました。

秋の中島で見られる動物の食痕や果実などを探したり、シカの痕跡を見つけたり、樹皮や果実に触れたり、

様々な体験をした後、午後からはUWクリーンレイク洞爺湖・室田 欣弘さまにバトンタッチし、

子どもたちはウチダザリガニについて学びました。

室田さんより、ウチダザリガニについて教えていただいた後、

子どもたちはウチダザリガニの計測作業を体験しました♪

小学生たちは、大きなハサミを持つウチダザリガニに少し怖がりつつも、

安全なザリガニの持ち方を教えてもらい、頑張って計測作業を行っていました^^

【第2回目】 11月に実施

第2回目の環境教育授業は、小学校でスライドを用いて実施いたしました。

1.国立公園/2.外来生物/3.エゾシカ/4.ゴミ問題/5.野生動物との関わり方

をテーマにお話しました。

「エゾシカ」に関する授業では実際に 毛皮・頭骨・角などを"見て"、"触って"学んでもらいました。

中でもシカ角の重さを感じられる「シカ角ヘルメット」や、「新生児体重標本(ぬいぐるみ)」は

昨年同様、大人気でした^^

エゾシカの夏毛と冬毛では毛量や皮膚の厚みが違うこと、草食動物と肉食動物では歯の構造が違うことなど、

実際に目で"見て"、"触って"学んでもらえたと思います。

「ゴミ問題」に関する授業では、何気なく人間が捨てるゴミによって、自然に分解されず、

そのまま残ってしまうことはもちろん、野生動物への影響について、実際の例を紹介しながらお話しました。

被害に遭った鳥類の写真を見た子ども達は、「かわいそう・・・」 と、心を痛めながら、

真剣な眼差しで話を聞いてくれました。

「野生動物との関わり方」に関する授業では、少し踏み込んだお話しをしました。

今回学んだことを活かして、自分たちが"どう野生動物と関わるべきか

"自身で考えるきっかけになれば良いなと思います。

他人事ではなく、自分事として、

私の授業を受けた子ども達や、この投稿を見ている皆様方1人1人が、

自然のために出来ることを考えてくれたり、行動してくれたりしたら、

とっても嬉しいなぁ~と思っています・・・☆

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2021年11月18日ペテガリ岳はるかなり

丸岡梨紗

今回は、9月中旬のペテガリ岳登山道調査の様子をお伝えしたいと思います。

ペテガリ岳は、日本二百名山にも入っており人気のある山ですが、静内ダムから先の道道111号静内中札内線が通行止めとなっており、徒歩でも通行禁止のため、「神威山荘」から沢登りでベッピリガイ沢に尾根を乗り越して、ペテガリ山荘に入り、西尾根ルートを登る方法が用いられており、昔も今もいわゆる「はるかなる山」です。


▲快適なペテガリ山荘と登山口

 このはるかなる山のいわれですが理由はその登山史にあります。(※以下ヤマレコより引用)

『かつては深い谷に周囲を囲まれたこの山は、まさに「はるかなる山」であった。夏の登頂は昭和7年(1932)に慶応パーティによりなされたが、冬は北大山岳部がコイカクシュサツナイ岳からの往復ルートをとり、数度の挑戦を繰り返していた。昭和15年、コイカクシュサツナイ沢の雪崩で8人を失った痛手を乗り越え、その3年後の1月、コイカク頂上に築いたイグルーから、一気にラッシュ戦法で登頂した。実に往復17時間の行動であった。』

『戦後間もない昭和22~23年、早大山岳部が長大な東尾根から1カ月をかけて登頂したのも立派な記録だ。』

登山当日は、前々からずっと雨予報でした。この日新ひだか町では、シャクシャインの魂を弔うシャクシャインの法要祭の日でしたが、晴れることが多いのだそうで、なんと台風予報でもお祭りの間は晴れたというエピソードがあったようです。

シャクシャインとは新ひだかのアイヌ民族の長で、松前藩の圧政に対して立ち上がり、道内各地のアイヌを統率して1669年、シャクシャインの戦いを起こしましたが、松前藩との和睦交渉の席で謀殺されました。

静内川(アイヌ語でシベチャリ川)と日高山脈が見える高台に、このシャクシャインの城=チャシがあったのですが、現在は真歌公園になっており、そこで毎年シャクシャインの法要祭が行われます。アイヌの伝統料理を食べることができたり、古式舞踊などが披露されるとのことで、全道全国からアイヌ文化に関心がある方が参列しています。

また、真歌公園には無料のアイヌ博物館があり、アイヌ文化も学ぶことができてお勧めです。

▲シベチャリチャシ跡看板     ▲静内川と日高山脈       ▲静内川河口と太平洋

さて実際のお天気は、朝は予報通り雨でしたが、シャクシャイン法要祭の時間が近づくと雨はあがっていき、時折晴れ間も見えました。

  ▲雨があがって見えてきたペテガリ岳と滝      ▲紅葉の登山道

ナナカマドの赤色、ダケカンバの黄色と山はすっかり秋模様で、足下にもイワツツジや、ゴゼンタチバナなどの赤色と、可愛らしい赤い実も見られました。

最後のハイマツの急登を登ると山頂です。ペテガリ岳山頂からは時折雲の合間からカムイ岳方面、1839m峰方面が見えました。

 

▲ペテガリ岳山頂からルベツネ岳方面を望む    ▲神威岳方面を望む

実は私は、今年の4月末に単独で残雪のトヨニ岳から神威岳まで縦走したのですが、その時、神威岳山頂には300名山一筆書きのフィナーレのドローン撮影をしている田中陽希さんがおり、その光景を見上げながら神威岳に登ったという経験があります。その時は本人だと気がつかなかったのですが、下山後に神威山荘でお会いして驚きました。

最後の難関であった日高山脈を、麓で10日間の天候待ちをされた上でチロロ林道から入山し、神威岳までの長い稜線を毎日2時間かけてイグルーを作成しながら、8日間で縦走したというエピソードには感動しました。

その時に3日間苦労した縦走の最後に辿り着いた神威岳からの眺めは絶景で、壮大なペテガリ岳の姿がよく見えたのですが、日高山脈のお仕事に携わった上で、今日は逆に神威岳を眺めていると、感慨深いものがありました。

 

▲神威岳山頂から見たペテガリ岳方向       ▲田中陽希さん作成の雪だるまと神威岳山頂

南へ来るにしたがいカールは少なくなりますが、ペテガリ岳は東面にABCの3つのカールを持つ南日高の女王というにふさわしい山です。北隣のルベツネ岳とのコルから下るCカールは、以前縦走した際に行きましたが、ナキウサギが生息し、水場のある良い場所でした。なおペテガリ岳以南にはトヨニ岳までカールはありません。

登山道は地元山岳会により笹刈りをしていただいているおかげで、歩きやすかったですが、前衛峰の連なる長大な西尾根は長くアップダウンがあり、日の出から日の入りまで1日がかりで往復しました。

ペテガリ岳も2日目の行動時間が長い、2泊3日は要するルートになってしまいますが、歴史のある奥深い素晴らしい山でした。

日高山脈の良さは、なかなか人を寄せ付けない原生の自然を楽しむというような、静かな奥深さにあるのかもしれません。

 

 

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2021年11月18日野鳥と冬芽の観察会

支笏洞爺国立公園 荒川真吾

こんにちは。支笏湖アクティブ・レンジャーの荒川です。

紅葉シーズンも終わり、支笏湖周辺の山々も雪化粧を始めました。そんな冬の訪れを感じる11月上旬に、支笏湖地区パークボランティア(以下、PV)の皆さんと「野鳥と冬芽の観察会」を開催しましたので、今回はその様子をお届けします。観察会は休暇村支笏湖園地~野鳥の森散策路周辺で例年、春、夏、秋の3回実施しているのですが、緊急事態宣言や悪天候で春・夏に予定されていた回が中止となり、今回が今年度初めての開催となりました。

当日は観察会日和の晴天に恵まれ、定員一杯の20名の方にご参加いただきました。手指消毒と検温、マダニやスズメバチといった要注意生物についての説明を行った後、グループに分かれて散策開始!

観察会の様子観察会の様子

解説を行ったPVの方々は、支笏湖周辺の自然を長年に渡って観察している方が多く、自然に関する知識や話題が豊富。赤く熟したホオノキの実や、冬眠中のカタツムリ(サッポロマイマイ)、樹木の冬芽など、この季節ならではの自然の魅力を楽しい解説とともに観察し、ご参加いただいた皆さんにもとても楽しんでいただくことができました。

今回観察した樹木の「冬芽」は「ふゆめ」または、「とうが」と読みます。樹木が成長に不適な季節につける、休眠状態の芽のことで、鱗に覆われていたり、粘りのある樹脂に覆われていたりと、厳しい冬の環境から身を守るための樹木の戦略を伺うことができます。丸いもの、尖っているもの、二股になっているもの、樹種によって形も様々で、じっくり観察するととても面白いです。

今回の観察会では、野鳥たちは残念ながら見やすい位置にあまり出てきてはくれませんでしたが、樹木が葉を落とし、雪も積もっていない今の時期は野鳥がとても観察しやすい季節でもあります。夏鳥が南方へ旅立つ一方で、冬鳥や旅鳥が北方から渡って来る時期でもあり、暖かい時期とは違う顔ぶれの鳥たちを見ることもできますよ。

いよいよ平地でも雪が降る季節となり、室内に閉じこもりがちになってしまいがちですが、冬の自然を感じに皆さんもぜひ支笏湖を訪れてみて下さいね。散策の後は温泉で温まりましょう。

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2021年11月12日レブンアツモリソウの今

利尻礼文サロベツ国立公園 津田涼夏

みなさん、こんにちは。礼文島アクティブ・レンジャーの津田です。

8月にAR日記にて礼文島に咲くレブンアツモリソウや取り組みについて紹介をさせていただきましたが、今回はレブンアツモリソウの今がどのような姿形になっているかなどをご紹介します!

5月下旬~6月中順にかけて、レブンアツモリソウ群生地で可愛らしい姿を見せていたレブンアツモリソウですが、夏から秋にかけて種を付け始めます。

レブンアツモリソウの花の開花する場所が分かっている場合でも

秋になると周辺の植物の成長に伴い紛れるため、見つけるのが難しいと感じられます。

また、この時期になると綺麗に枯れて残っている個体が少ないため、

綺麗に残っている個体がいると美しく感じます。


レブンアツモリソウを毎年見ていると、花が咲くと必ずしも種を付けるわけではなさそうです。そのため、去年種を付けていたけれど、今年は種を付けていないことや、その逆のパターンも見られます。

また、種だけではなく花でも去年咲いていたけど今年は咲いていないことや、数年後に咲くパターンも見られます。まだまだ、謎が多い植物の興味深さを感じています!

花よりも見る機会がほとんどない種ですが、この果実種の重さは0.3グラム程で、果実種の中には、小さな羽のような種子種が入っていて重さは0.06グラム程で、ほとんど重さを感じないです。

そんな小さな種から数年後には、芽が出て花が咲くように、今、私たちができることは何か考えながら、日々取り組んでいきます。

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2021年11月11日支笏洞爺国立公園の紅葉

支笏洞爺国立公園 洞爺湖 小松瑠菜

こんにちは! 洞爺湖アクティブ・レンジャーの小松 瑠菜です!

先日の豪雨ですっかり紅葉達も空に舞い、いよいよ雪のシーズンがやってきますね^^

「紅葉を見逃してしまった...!」というみなさまに、支笏洞爺国立公園の紅葉をお届けします♪

↑こちらは、洞爺湖ビジターセンターの門をくぐり、入口に行くまでの園地で撮影しました。

車で駐車場に行くと、角度の問題で車窓からはなかなか見ることができませんが、

歩いてビジターセンターの入口までいくことで眺めることができます☆

紅葉して落葉したマツの木が何年も積もったことで、地面がふわふわになっています^^

↑こちらは、定山渓にある自然散策路「二見定山の道」で撮影しました。

豊平川に沿うように、定山渓二見公園~二見吊橋~かっぱ淵~赤岩の澗と続く散策路で、

野鳥の声を聞きながら、約800種類の植物を観察することができます。

10月中旬以降、秋深い定山渓を全身で味わうことができます♪

↑こちらは、洞爺湖・中島の北東側で撮影しました。黄色く色づく紅葉が特徴的です。

中島散策のモデルコースとして、

①森散策コース(1.3km/約45分)

②アカエゾマツ倒木往復コース(往復4km/約2時間)

③一周探検コース(7.6km/約3時間)

の3つがありますが、私はもっぱら「③一周探検コース」がオススメです!

オススメポイントは、

・中島の北岸から湖畔沿いを歩く道があり、湖をゆっくり眺めながら歩くことができること

・湖畔沿いの道は降り積もった落ち葉を漕ぎながら(⁈)歩くことができること です!

これは中島を一周した人にしか味わえない楽しみ方です(*^^*)

↑こちらは、羊蹄山(真狩コース)の外輪から撮影しました。

10/5に登ったため、紅葉のピークは過ぎていたと思いますが、まだ色づいていました♪

春・夏・秋と、季節が変わるごとに姿を変える羊蹄山が印象的です^^

!現在は羊蹄山でクマの目撃情報があるため、立ち入る際はご注意ください。

 ※京極コースは閉鎖中。(11/10現在)

 ※羊蹄山管理保全連絡協議会のホームページ等で最新情報をご確認ください。

みなさま、いかがでしたでしょうか?

目まぐるしく季節が変わりますが、少しでもみなさまの安らぎになれば幸いです♪

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2021年11月10日アザラシの衣替え...??

えりも自然保護官事務所 熊谷 文絵

みなさんこんにちは。

えりも自然保護官事務所の熊谷です。

グッと冷え込む日が増えてきましたね。

北海道各地では先月頃から雪虫(トドノネオオワタムシ)が飛び、この雪虫が飛び始めると2週間程度で雪の便りが届くと言われています。えりもにまだ雪は降っていませんが、キレイに紅葉していた木々の葉が落ちるその様やハクチョウが南下していく様子を見て、冬が近づいているんだな、と実感します。

私は関東出身のため、冬にはどうしてもこたつが恋しくなり今年も準備を整え暖かく過ごしています。

そこで、そういえば...と。北海道は冬が長いので、今でこそ大それた"それ"は実施していませんが、学生時代「夏服」「冬服」と、季節に応じて"衣替え"があったことを思い出しました。

人間であれば、暑い時は薄着・寒い時は厚着をしてその時々で快適に過ごせるよう、主に衣服で調整しますよね。動物の場合は、爬虫類に多いように周りの環境に合わせ体温を調整して過ごすものもいれば、哺乳類では季節によって毛や羽が生え変わり人間の様に"衣替え"をしているものもいます。

えりもの岩礁を棲み処としている「ゼニガタアザラシ」はどうでしょうか...?

ゼニガタアザラシは人間でいう衣替え、"換毛(かんもう)"をする動物です。

換毛する動物の多くは、夏には涼しく生息環境に溶け込むような色の毛や羽になるため褐色であることが多いように思います。また冬には暖かく特に北国では雪の期間が長いので、白い体毛であることが多いです。

このように、多くの動物が体毛や羽によって暑さ寒さに適応するのに対し、ゼニガタアザラシの換毛の目的は少し違っているようです。

▼6月に撮影したゼニガタアザラシ

▼9月に撮影したゼニガタアザラシ

上記の写真を見て、アザラシの様子の違いに気付きませんか。

もう少しアザラシに寄ってみます

▼6月に撮影したゼニガタアザラシ´

▼9月に撮影したゼニガタアザラシ´

アザラシの"体毛"に注目してみると、6月にはやや茶色っぽく、9月には黒っぽく見えます。これは、夏(7~8月)の間に「換毛」したためです。他の動物に多い夏毛/冬毛として換毛するのではなく、年に一度、夏にだけ体毛を新しくすることを目的として換毛します。

ゼニガタアザラシは、ゴツゴツした岩礁への上陸と海へ入っての遊泳を繰り返して過ごしています。夏に新しくなった体毛も、徐々に消耗しメスであれば春の出産を終える頃には色褪せツヤがなく、パサパサとしてきます。この状態が6月の写真の頃です。その後、新しくなった体毛は本来の色を取り戻し、水も良くはじいてツヤツヤ、ゼニガタ(銭型)柄もよく映えます◎

アザラシの"衣替え"="換毛"の仕方が分かったところで...

これから凍てつく冬を迎えます。ゼニガタアザラシの好む「岩礁」は雨風凌げるような場所ではありません。

寒さ対策はどうしているのでしょうか...?

こちらは次回のアクティブ・レンジャー日記にて。お楽しみに~!

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2021年11月09日洞爺湖中島の外来種駆除活動

支笏洞爺国立公園 洞爺湖 小松瑠菜

こんにちは! 洞爺湖アクティブ・レンジャーの小松 瑠菜です!

時差投稿になりますが、洞爺湖風景林(洞爺湖畔地区・洞爺湖中島地区)保護管理協議会主催の

「洞爺湖中島の外来種駆除」に、パークボランティアさんたちと参加してきました。

洞爺湖中島には、様々な植物が生育していますが、近年は本来分布していない生態系被害防止外来種であるアメリカオニアザミも生育しています。アメリカオニアザミは繁殖力が非常に強く、刈り取り後の茎(上部・下部どちらも含む)も、種子を散布するまで成長を続けます。さらに、葉や茎に堅く鋭いトゲを持っているため、知らずに触れると針が刺さり、強く痛みを感じます。

近年、そんなアメリカオニアザミが急激に増加し、洞爺湖中島にある約8キロの散策路を利用する方々の障害になっています。今回の活動では、散策路を中心に外来種駆除を実施しました。

今回の作業は、中島・湖の森博物館から散策路に出て、左右二手に分かれて実施しました。

環境省・林野庁・パークボランティア・有志で集まった町民ボランティアのメンバーでひたすら刈り取りと根の掘り起こしをし、

洞爺湖町職員のみなさんが刈り取った茎と掘り起こした根を袋に詰めていく、という役割分担をして実施しました。

前述のとおり、触れると針が刺さるため、参加者には軍手・ゴム手袋・皮手袋の3種を貸し出されました。

それだけ装備を固めても、素手まで針が到達することもあるため、作業は一苦労です。

密を避け、皆で黙々と作業する中、洞爺湖地区パークボランティアの会長に突然呼び出されました。

声のする方へ向かっていくと...

会長の身長ほどある大きなアメリカオニアザミの姿が...!

「とったぞー!」と言わんばかりの満面の笑みで見せてくださいました^^

中島にはこんな大きなアメリカオニアザミも生育しているんですね。

約2時間の作業を終え、こんなにものアメリカオニアザミを駆除することができました。

駆除する作業も大変ですが、これを全て船に乗せ、陸まで運ぶ作業も大変でした...!

駆除しなければいけない命を増やさなためにも、外来生物被害予防3原則「入れない・捨てない・拡げない」を意識した生活をできると良いですね。

そのために、私たちがまずできることは、「種子を移動させない」ということです。

時々、種子を手に取り、移動後に捨てる方がいらっしゃいますが、

意図的なものだけではなく、野外活動の後に靴底の土などをブラシ等で落とすことも大切です。

靴底の土の中に種子が入っていることがあるため、移動後に土とともに種子が落ちると、

人為的に種子を散布することになってしまい、生態系に被害を及ぼす可能性があります。

洞爺湖汽船の乗船口には靴底の土を落とすブラシが設置されています。

船の中を汚さないためにも、中島に上陸・離陸する際はご利用ください♪

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2021年11月08日流域面積と降水量から川の流水量を知る

大雪山国立公園 上村 哲也

 上士幌町の幌加川の奥、丸山(1,692m)近くに丸山噴泉塔群という名所があります。地表へ噴き出た温泉に含まれる炭酸カルシウムが積み重なり、塔とまで呼ばれるほど高くなった「石灰華」です。先日、撮影隊に同行する機会を得ました。

 しかし、荒れた林道を歩き、やがて道は踏み跡となり、渡渉を繰り返さなければ辿り着けません。一部の渡渉は胴長が必要なほどでした。雨が降れば水かさが増します。雨が上がってもしばらくは減ってくれません。やがて雪に閉ざされる季節が迫りながら、何度も天候待ちで延期になりました。決行するには川の流水量を見極める必要があります。

 上士幌町の幌加ダムに下る川の流域面積は国土地理院のウェブサイト、地理院地図から約70平方キロメートルと求められます。

幌加川の流域面積は70平方キロメートル ダムに近いぬかびら源泉郷や三股に設置されている気象庁のアメダスから地域の年間降水量(深さ)が1,000から1,300ミリと推定できます。流域面積と掛け合わせれば年間降水量(体積)は7,000から9,000万立方メートルとなります。

 この水量が幌加川に流れ込むと、365×24時間×60×60秒で割り毎秒では2.22から2.85立方メートルという流水量になります。国土交通省のウェブサイト、川の防災情報から幌加ダムの全流入量(=幌加川の流水量)を知ることができます。大雨や雪解けどきを除く穏やかな流れのときは毎秒2立方メートル余りです。

 降った雨は、再び蒸発したり伏流する分もあるでしょうが、ほとんどは川を流れ下るようです。そうして直近の降水とダムへ流入する水量の関係が見えてきます。流域に推定50ミリ余りの雨が降ったとき、流入水量は降り始めから数時間遅れて増加します。雨が降り止んだ頃に頂点を迎え、その後数日かけて平常を取り戻しました。流域の森林が雨を蓄えて流水量の急増を抑える役割を果たしているのです。

幌加川の流域面積は70平方キロメートル 丸山噴泉塔群を訪ねるような、川の渡渉を繰り返す行動では、流域に降った雨の量に気を配る必要がありそうです。どこの川にも雨量や流水量を測る設備があるとは限りません。経験を積んだ現地に詳しいガイドさんがとても頼りになります。今回の撮影でも、地元ガイドさんに大変お世話になりました。

 苦労し時間をかけて辿り着いた丸山噴泉塔は、地中の温度や圧力が下がったのか、頂上からの噴出が見られず高さの成長を止めてしまったようです。それでもあちらこちらからプクプクと泡を立て真っ白な噴出物が流れ出ているようで、落ち葉や倒木などを巻き込みながら下流へと面積を広げているようです。

 なお、今回撮影された映像は、後日、上士幌町ぬかびら源泉郷の「ひがし大雪自然館」において一般公開される予定です。

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