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北海道地方環境事務所

アクティブ・レンジャー日記 [北海道地区]

外来生物防除活動②「中島アメリカオニアザミ防除」編

2022年08月29日
洞爺湖 小松瑠菜

こんにちは! 洞爺湖アクティブ・レンジャーの小松 瑠菜です!

今回は今シーズン実施した外来生物防除活動②「中島アメリカオニアザミ防除」をお届けします♪

中島アメリカオニアザミ防除

洞爺湖中島には、様々な植物が生育していますが、生態系被害防止外来種であるアメリカオニアザミは、もともと中島には生育していませんでした。アメリカオニアザミは繁殖力が非常に強く、刈り取り後の茎(上部・下部どちらも含む) も、種子を散布するまで成長を続けます。さらに、葉や茎に堅く鋭いトゲを持っているため、知らずに触れると針が刺さり、強く痛みを感じます。近年、洞爺湖中島ではアメリカオニアザミが急激に増加し、約8キロの散策路を利用する方々の障害になっています。そこで洞爺湖地区パークボランティアの会では、毎年、中島のアメリカオニアザミの刈り取り作業を実施しています。

 
 
 
 
アメリカオニアザミの刈り取り作業をするパークボランティアさん

今年の作業は、開花前の実施を目指し、7月中旬に実施しました。時期を例年より早めた結果、一部の花は咲いていましたが、ほとんどがつぼみの状態で刈り取ることができました。大平原までの散策路と、大平原南側(散策路側)の刈り取り作業を行いました。

 
開花前のアメリカオニアザミ
 
開花後のアメリカオニアザミ
炎天下での作業であるため、長時間継続して作業することは困難ですが、こうした取り組みを毎年継続して行うことで、少しでも本来の中島の植生の姿に近づけることができれば嬉しいです。駆除しなければいけない命を増やさないためにも、外来生物被害予防3原則「入れない・捨てない・拡げない」を意識した生活ができると良いですね。
 
大量のロゼッタ。何株見つけられるかな?
そのために、私たちがまずできることは、「種子を移動させない」ということです。
時々、種子を手に取り、移動後に捨てる方がいらっしゃいますが、意図的なものだけではなく、野外活動の後に靴底の土などをブラシ等で落とすことも大切です。靴底の土の中に種子が入っていることがあるため、移動後に土とともに種子が落ちると、人為的に種子を散布することになってしまい、生態系に被害を及ぼす可能性があります。

洞爺湖汽船の乗船口には靴底の土を落とすブラシが設置されています。
船の中を汚さないためにも、中島に上陸・離陸する際はご利用ください♪
以上、今シーズン実施した外来生物防除活動②「中島アメリカオニアザミ防除」編でした♪
これからも感染症対策と熱中症対策を講じながら、活動を充実させていきたいと思います!