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北海道地方環境事務所

アクティブ・レンジャー日記 [北海道地区]

3つの国立公園(釧路湿原、阿寒摩周、知床)をつなぐロングトレイルについて

2022年11月24日
川湯 吉田留美
こんにちは。
阿寒摩周国立公園管理事務所の吉田です。
 
現在、環境省では、道東(北海道の東部地域のこと)にある3つの国立公園(釧路湿原国立公園、阿寒摩周国立公園、知床国立公園)をつなぐロングトレイルの構築に取り組んでいます。全長約370kmのトレイルルートを想定しており、関係する自治体や、地域でトレイルの整備や利用を推進している団体の皆様にご協力いただきながら少しずつ進めています。
ロングトレイルを作るには、まずメインのルートをどこに通すか決めなければなりません。美しい風景や観光スポットだけでなく、安全面や歩きやすさなどを考慮して暫定ルートを決め、さらに全線を実際に歩いて沿線の状況を調査する必要があります。
今日は、その暫定ルートを調査した際の様子について、ほんの一部ですがお伝えしたいと思います。

屈斜路カルデラの外輪山の調査

屈斜路外輪山を歩くトレイル(屈斜路カルデラ外輪山トレイル)は、美幌町、大空町、津別町の3町が協力して整備しているルートで、津別峠から藻琴山まで(約21km)、もともと道がなかったエリアに笹を刈って道をつけています。まだ正式に開通していない調査道のため、今回は特別な許可を得て調査しました。
 
日本最大のカルデラ湖である屈斜路湖の外輪山を歩けるルートであり、その風景はまさに絶景。北海道らしい雄大な風景が楽しめます。
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笹原の中を歩く
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疲れを癒やしてくれる屈斜路湖の絶景
藻琴山の頂上からは、屈斜路カルデラ外輪山トレイルの起点である津別峠方面まで見渡すことができ、屈斜路カルデラ外輪山の形がはっきりとわかります。この外輪山を歩いてきたのかと思うと、感慨深くなりました!
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藻琴山の頂上から津別方面を望む

釧路湿原エリアの調査

場所が変わって、こちらは釧路湿原地域を歩いた際の様子です。
 
現在作っているロングトレイルでは舗装路を歩くルートもあります。舗装路の調査では、歩道の有無や危険ではないか等が重要な視点になります。
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舗装路の調査
調査のルート上にあるコッタロ湿原展望台からは釧路湿原が見渡せます。釧路湿原の夕暮れの景色に見入っていると、湿原の中をタンチョウが羽ばたいていくのが見えました。
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コッタロ湿原展望台から釧路湿原を望む

調査を終えて...

わたしは調査の一部しか同行できませんでしたが、歩いて旅をするハイカーの気持ちが少しわかった気がします。
ロングトレイルが開通するまではまだまだ道のりが長く、クリアしなければならない課題もたくさんありますが、異なる特徴を持った3つの国立公園を歩いて回れる一本の道(ロングトレイル)ができることで、道東の新たな楽しみ方をご提案できるのではと感じています。