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北海道地方環境事務所

アクティブ・レンジャー日記 [北海道地区]

「早朝バードウォッチング in ボッケ遊歩道」

2023年05月24日
阿寒湖 森竹祐
こんにちは!阿寒湖アクティブ・レンジャーの森竹です。
 
阿寒湖は、日に日に暖かくなってきており、湖畔の森では希少種のエゾオオサクラソウが見頃を迎えています。
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「エゾオオサクラソウ」 ~ 道東に多く分布しています(5月18日撮影)
夏の間、北海道で子育てをする夏鳥たちの飛来も4月末からはじまり、様々な種類の鳴き声で賑わっています。
最近は週に2、3回ほど、早朝に1時間程度遊歩道を歩き、一眼レフで野鳥撮影をしています。
 
バードウォッチャーの方は既にご存じかと思いますが、バードウォッチングは小鳥の動きが活発でよく囀る早朝がオススメです。
 
最近撮影した夏鳥をご紹介します。
まずは、「チョチョビー」という囀りが特徴の「センダイムシクイ」。
きっと1度は囀りを耳にしたことがあるのではないでしょうか。
 
基本的に木の高いところで鳴いているので、姿は見えないことの方が多いです。
ボッケ遊歩道で今回のように近距離でセンダイムシクイの全身を撮影できたのは初めてでした。
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「センダイムシクイ」 ~ 鮮やかな色彩も目を引きます(5月15日撮影)
続いては、頭から背中にかけての瑠璃色が特徴の「オオルリ」。
正面から見ると、腹部は白いことがわかります。
腹部に加え、喉から胸も白ければ「コルリ」です。
 
私は、5月15日早朝に遊歩道で今シーズン初確認しました。
このときは木のてっぺんの方で鳴いていたので、写真を撮っても豆粒程度にしか写りませんでした。
阿寒湖畔エコミュージアムセンターの裏で鳴いていることが多く、タイミングが良ければ姿を見ることができます。
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「オオルリ」 ~ 姿を見られると得した気分になります(5月17日撮影)
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正面から見ると腹部が白いのも特徴です
最後は、鮮やかな黄色とオレンジが特徴の「キビタキ」です。
高くテンポがある囀りなので、姿が見えなくても比較的存在に気づきやすいです。
私は、5月17日早朝に遊歩道で今シーズン初確認しました。
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「キビタキ」 ~ 森の中では特に目立ちます(5月17日撮影)
春から夏にかけては、鳥たちにとって重要な繁殖シーズン。
雄は必死に囀って自分の縄張りにパートナーの雌を呼び寄せ、子育ての準備に入ります。
種によっては、年に2~3回子育てをするため、夏までの間、森はきれいな鳥たちの鳴き声で賑やかになります。
 
野外で鳥を見つけられるようになるコツは、まず鳴き声を覚えることです。
そうすれば、たとえ姿が見えない状態でも鳴き声で種を特定し、見える場所へ出てくるまでその場で待つことができます。
 
また、同じ種でも鳴き声はバラエティーに富んでいることがほとんどなので、覚え方にもある程度の工夫が必要です。
 
鳴き声の個体差が小さい種(ヤブサメ、センダイムシクイ、キバシリなど)から覚えていくと効率的に覚えることができます。
 
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鳴き声の個体差が小さく覚えやすい「キバシリ」(5月16日撮影)
私が過去に鳴き声を覚えるときに実践した方法を2つご紹介します。

①野外でスマホのボイスメモ機能で鳴き声を録音し、ネットの鳴き声図鑑(無料で各種類の鳴き声を検索して音声を聞 
 くことができるサイト)で聞き比べをして種を特定する。

②姿での種の識別はできたため、野外で鳴き声を録音して同時に姿も確認する。  

これらを地道に続けること2~3年で、道内の野外で見られるある程度の種の鳴き声を覚えられました。
期間限定で飛来する夏鳥などの鳴き声は、次のシーズンには忘れていることも多いので、毎年観察することも重要だと思います。
 
これから鳴き声を覚えてみようと思っている方は、ぜひ試してみてください!