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北海道地方環境事務所

アクティブ・レンジャー日記 [北海道地区]

アクティブレンジャーの休日

2024年04月08日
羅臼 高林紗弥香
こんにちは、羅臼自然保護官事務所の高林です。
今シーズンも休日になると山スキーで知床を歩き回っています。
 
今回は、山スキーな休日のさらに番外編です。※知床の山々の話はまた別な機会に。
 
羅臼自然保護官事務所のアクティブレンジャーとして着任したころ、
事務所の本棚にあった「さんこう記 -パークレンジャー.30年の記録-」をという本を読みました。
本の中には、羅臼ではおなじみの山々の名前、そのスケッチ、日頃、羅臼の登山道整備でお世話になっている羅臼山岳会の方々も登場しています。
 
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この写真によく似たスケッチもありました。
その本を書いていたのは、広野さんという方で、
なんと羅臼事務所の3代目レンジャーでした。
 
 
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知床の山を歩く際に当時の話を教えて下さる、羅臼山岳会 佐々木会長。
羅臼山岳会の方からも、レンジャーと一緒に山々を歩いた話を聞いていました。
今からおよそ半世紀前のお話です。
 
現地調査をするために一緒に歩いたこと。
公私ともに知床の山々を歩いた冒険のこと。
当時のことをいつも楽しそうに話して下さるのが印象的で、いつかお会いしたいと思っていました。
 
国立公園の過去の記録等を読むことが多かったこともあり、さらにその想いは強くなっていました。
 
そんなある日、週末にみんなで山スキーの計画が・・・!

羅臼の元レンジャーである広野さん、そして広野さんが赴任されていたころに
一緒に山々を歩いていた方、羅臼にゆかりのある方々が大集合です。
 
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1982年9月撮影のスライドフィルムをデータ化したものが残っていました。
今では重要な生活道路でもあり、観光地でもある国道334号線知床横断道路。
羅臼側から知床峠に向かうときに通過する大きな橋、翔雲橋の工事が開始した当時のお話を聞きました。
橋にするのか?トンネルにするのか?工事による影響はどのようなものか?
様々な協議や調査がなされたようです。
 
官舎の前にヤツガシラが現れ、北海道の初記録になったこと。
シレトコスミレのこと。
シマフクロウのこと。
山だけではなく、知床のあらゆる自然、そして仲間たちとの出来事を話して下さいました。
 
聞きたいお話は沢山あったのですが、緊張のあまり聞けずじまいでした。
ですが、あちこちから、とても楽しそう知床の話が聞こえてきて、その空間にいれるだけでも幸せでした。
 
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知床連山を望む 
知床が国立公園に指定され、60年。
 
今回お会いした皆さまのお話を聞いて、知床の豊かな自然が続くことを願い、住民、町、行政機関、みんなで試行錯誤し協力しながら歩んできたのだと改めて感じました。
 
皆さまの知床への熱量を沢山いただき、アクティブレンジャーとして知床国立公園とどう向き合ってくかを考える機会にもなりました。
また、知床にはまだまだ見たことのない景色が広がっているのだとワクワクしています。

公私ともに沢山歩いて、知床の魅力を自分でしっかりと感じながら、皆さまに発信していきたいと思います。
 
今年度もどうぞよろしくお願いします。