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アクティブ・レンジャー日記 [北海道地区]

北海道地方環境事務所のアクティブ・レンジャーが、活動の様子をお伝えします。

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利尻礼文サロベツ国立公園

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2020年08月03日PV活動再開!浜勇知園地にて外来種除去

利尻礼文サロベツ国立公園 稚内 青山留美子

今年も、最北での日差しを浴びて、顔と手だけが黒々してきたサロベツ担当の青山です。

利尻礼文サロベツ国立公園パークボランティア(以下PV)の活動も、4月中旬から全て中止になっていましたが、7月より活動を再開しました!

715日(水)、稚内市内の高校で理科の授業の一環で行われている外来種除去活動に、PVさん10名と一緒にお手伝いしてきました。

稚内市内にある国立公園内の浜勇知園地にて、生徒さん70名を迎えました。

国立公園保護管理企画官より、外来種についての説明後、4班に分かれてそれぞれ作業しました。

駐車場周りや木道沿いにも様々な種類の外来種がありますが、生徒さんたちにご協力頂いて除去したのは、砂浜に広がっている"オニハマダイコン"です。

昔からこの場所を知っているPVさんによると、"オニハマダイコン"が増えてきたのは13年前くらいからとの事でした。

町中で見かける外来種とは違うため、こちらが差し示さないと見逃していたり、小さかったり大きかったりすると違う植物に見えたり、葉の形が同じような"シロヨモギ"と悩んだり、最初はわかりづらいようでした。

それでも、"オニハマダイコン"しかないような場所も多く、すぐに慣れてどんどん抜いてくれます。

抜くのも、道具を使わず指だけでできるため、とても楽です。

力加減を間違えなければスーッと根っこまできれいに抜くことができます。

量にうんざりするのと、たまに大根のようなにおいがきつく感じる以外は、とてもやりやすい外来種除去です。

もう一つ難点と言えるのが、砂浜で直射日光を浴びての作業なため、とても暑く過酷な点です。今年は更にマスク着用が加わり、とても大変でした。

それでも、1時間ほどの活動で、熱中症などになる方もおらず、無事に150kg分の"オニハマダイコン"を除去することができました。

暑い中、地道な作業を行ってくれた生徒さんたち、ありがとうございました!

ところが、

"オニハマダイコン"を除去している最中、PVさんが違う外来種が花を咲かせているのを見つけました。

それが、"アメリカオニアザミ"です。

数年前からこの場所で確認されており、PVで除去していました。

多い年では300株以上を除去した年もあったようです。

が、最近は姿を見なくなったと思っていたのですが......「やっぱりまだあったか~」と、根絶は簡単ではない事を思い知らされます。

ちらほら花を咲かせている10株ほどを確認し、見つけたPVさん4名と、日を改めて駆除することにしました。

花が咲いた状態では既に背が高く、スコップが不可欠です。また、茎や葉にはするどいトゲが多く、軍手は意味をなしません。厚手の手袋をも突き抜けてくるため、とてもやりにくい外来種除去といえます。

10株かと思いきや、ここにもあそこにもと発見し、最終的には31株を数えました。5名で奮闘すること一時間、株数と作業量を軽く見ていたことを反省するほど、汗だくになりました。

用意していた袋に入れるのも大変だったため、数日乾燥させて小さく切ってから、ゴミ袋につめました。最後までトゲはするどく、たった31株の植物とは思えない大変さでした。

数が多くて大変だったり、1株抜くのが大変だったりと、タイプの違う2種類の外来種を抜きながら、様々な事を考えさせられました。

根っこが複雑だったり茎がすぐ折れたり、刺があったりなどを目の当たりにし、植物の戦略に脱帽したり、

外国からたどりついた異国の地で一所懸命生きている植物のたくましさに思いを馳せたり、植物そのものに罪はないことはわかっていながらも、どうせ抜くのなら、おいしく食べられる方法はないのかと考えてみたりしました。

実際に外来種に向き合いながら様々な事を考える一時は、とても貴重な時間だと感じました。

そう感じられるのも、一緒に活動して下さる学生さんやPVさんなど、とても心強い存在がいるからこそでもあります。

一度広がってしまった外来種を根絶するのはたやすくありませんが、これからも地道な活動へのご協力、お願いいたします!

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2020年07月09日サロベツの車窓から~野生動物を観察~

利尻礼文サロベツ国立公園 青山留美子

青い空に白い雲、海岸線のエゾニュウの群落に、少し強いくらいの風がちょうど良く感じる今日この頃。

ここ最北でも "夏"の到来を実感している、サロベツ担当の青山です。

外に出掛ける機運も高まるこの季節。

道道106号線(通称オロロンライン)の稚内市から幌延町区間には、信号機が1基しかないことも相まって、ついつい先を急いでしまいがちです。

しかし、この道路は、野生動物を観察するにもおすすめの場所です。

71日、この通りを往復した際に出会った野生動物たちを紹介します。

オジロワシは、浜辺に佇んでいたり、悠々と空を舞っていたりなど、季節を問わず目にすることができます。この時は、浜辺に2羽で止まっていて、写真を撮ろうと車から降りた所で飛び立ってしまいました。デートの邪魔をしてしまったのかもしれません。

どちらも繁殖のために渡ってくる夏鳥です。

サロベツで多いのはカワウですが、特定までは至りませんでした。V字編隊で移動する姿をよく見かけます。

また、道路横で獲物を探し飛んでいるチュウヒと、並走する時があります。飛ぶスピードの早さにとても驚きます。

※鳥に夢中になり走るのは危険ですので、観察する際は安全な場所に停車してから観察して下さい!

本来ならばシベリアなどに帰っているはずですが、たまに残留組がいるようです。

残留しているハクチョウやオオワシなどが、ケガなどで保護されることもよくあります。そのため、様子を観察しましたが、この時はエサを探している様子も見られ、元気そうに見えました。後日再度探しましたが姿はありませんでした。

無事に夏を越えてくれることを願います。

事故にあってしまった姿もよく見かけることがある2種です。

キタキツネは巣立ちした若い子がうろうろしている姿を、

エゾシカは、袋角を携えて群れで行動している姿をよく目にします。

※北海道を運転される際は、くれぐれもご注意ください。

別の日ですが、とてもラッキーな出会いがあったのでご紹介します!

サロベツでもここ数年、繁殖のためやってくるタンチョウが増えてきています。

それでも、お目にかかれるのはとてもラッキーです。

この日は2羽でいて、鳴き声も聞くことができました♪

また別の日、少し色の変わったタンチョウだな~と思っていたら......

クロヅルだった事が判明!

繁殖地への移動中にたまたま立ち寄った所に出くわしたのか、本当にラッキーでした♪

これらは全て、車窓から出会いました。

出会いにあふれた道路沿い、スピードを出して一瞬で通りすぎるにはもったいないと思いませんか?

安全運転を心がけ、ゆとりを持った運転と、他車に迷惑のかからないよう注意しながら、

北の大地で生きている野生動物たちとの出会いを、逃さず見つけてみてください!

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2020年07月03日不思議な魅力に惹かれています...!

利尻礼文サロベツ国立公園 稚内 津田涼夏

礼文島の西海岸は断崖絶壁が続いており、海岸線の多くの場所は人が立ち入ることのできない秘境の地になっています。ですが北部の鉄府海岸や8時間コース終盤のアナマ、南部の礼文滝など一部通行可能な場所もあります。そこでは砂地や岩場に生息する海岸性の植物を見ることができます。

               北部の鉄府海岸

               礼文滝コース

その海岸性の植物の1つであるハマナスが、高山植物群落のすぐ横の浜辺でひっそりと咲いているのを見つけました。


ハマナスはバラ科の仲間であり、枝に鋭いトゲを持っています。

また、ハマナスと同じ海岸性の植物である、ハイネズ、ハマボウフウ、ハマニンニク、

ハマハタザオを見ることができます。

 

 

写真ではまだ花は咲いてないのですが、ハマボウフウは白いカリフラワーの様な花を咲かせます。テンキグサは葉が厚くニンニクに似ていることから別名ハマニンニクとも呼ばれているイネ科の植物です。ハマハタザオは花の時期を終え、実になっていました。

海岸性の植物は砂地や岩場で潮風に耐えながら生きている姿そのままのたくましさと力強さがみなぎっているように感じます。

礼文島では、海岸性の植物と高山性の植物が同じ場所に咲く不思議な光景を見ることができます。礼文島ならではの光景と不思議な魅力どんどん惹かれています...!

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2020年06月10日木道からサロベツ

利尻礼文サロベツ国立公園 稚内 青山留美子

サロベツにある環境省の施設では、

幌延町にある幌延ビジターセンターが527日から、豊富町にあるサロベツ湿原センターが61日から、

それぞれ通常開館しております。

ただし、来館者の皆様へ感染予防対策のお願いをしておりますので、

ご来館の際はご協力をお願いいたします。

人との距離を保ちながら、さっそく木道へ。

一部、私なりの楽しみ方つきで、今の湿原の様子をご紹介します♪

湿原は一気に緑が増え、小さな植物たちが咲き始めました。

"足下に広がる星空"と言いたいほど、小さな☆がいっぱいで、きらきら輝いている様に見えます♪

☆がいくつか集まって咲く花たちも咲き始めています。

こちらは"星団"といったところでしょうか♪

これからどんどん咲いていく草丈の高い大きめの花たちも、ちらほら咲き出しています。

大きさなどから"銀河"に相当するでしょうか♪

目だけでなく、耳でも楽しい季節になってきました。

ノビタキやノゴマ、コヨシキリなどのさえずりに加え、オオジシギやカッコウの声も聞こえだし、

発声練習をあちらこちらでしているかの様にとても賑やかです♪

更に、湿原を五感で楽しむために、昨年度改修された木道でおすすめの場所があります!

どちらの施設の木道にも広めのベンチが設置されたのです!

座ってぼーっとするも良し、寝転がって空を真正面から見るも良し、使い方はあなた次第です。

私は、周りに人がいないことを確認して寝転がってます♪

座ると目線が変わり、湿原の見え方も変わるので、湿原にあるベンチには是非とも座ってみて欲しいです。

座ることによって、鳥の声や風の動きなどもより感じられ、

湿原の中にどっぷり浸かっている気がしてきます♪

春先だけのお楽しみ、地平線での蜃気楼も見られる広大なサロベツ。

サロベツ湿原では、花や鳥を楽しむだけでなく、

この広大さから、地球や宇宙を感じることもできてしまいます!

サロベツの木道で、

あなたならどんな風に楽しみますか?

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2020年06月08日霧の浮島

利尻礼文サロベツ国立公園 稚内 津田涼夏

季節は初夏を迎え礼文島では、花々が見ごろを迎えているようです。

中でも高山植物のお花畑がみられる桃岩展望台コースでは、例年5月の終わりから6月にかけて、エゾノハクサンイチゲやレブンコザクラ、レブンハナシノブ、キジムシロ、ハクサンチドリ、オオバナノエンレイソウなどのお花が一面に広がっています。

  

    エゾノハクサンイチゲ                レブンコザクラ

  

      レブンハナシノブ                 キジムシロ

  

      ハクサンチドリ               オオバナノエンレイソウ

また、礼文島の初夏と言うと、霧が発生しやすい時期でもあります。

6月の礼文島は特に霧が発生することが多く、あたり一面が真っ白になることも珍しくありません。一人でいると、心細くなってしまうような時もあります。ですが、礼文島の高山植物にとっては命の源となっています。高山植物が多く生息する礼文島の西海岸はほとんどが急峻な斜面もしくは断崖絶壁となっています。そのような場所にも高山植物たちは自生しており、そこには川など水の供給源はありません。しかし、そんな高山植物たちにとって強い味方となっているのがまさにこの霧なのです。雨が降っているわけでもないのに着ているものがじっとりと湿ってくるほどの水分を含んだこの霧が、植物たちが生きるために不可欠な水分を与えているのです。

霧が発生すると、視界が悪くなり、礼文島の西海岸の景色が楽しめなくなることも残念な気持ちもありますが、高山植物の生き生きとした姿を見るためだと思うとなぜか霧の天候が嬉しくなるアクティブレンジャーの津田でした♪

なお、礼文町から、新型コロナウイルスに立ち向かう新たな取り組みとして

「新しい生活様式(礼文島モデル2020)」が提案されています。

ご来島前に必ずお読み頂き、それを念頭においた行動をお願いいたします。

皆様のご理解とご協力をお願いいたします。

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2020年04月30日#おうちでサロベツ

利尻礼文サロベツ国立公園 稚内 青山留美子

サロベツにある環境省の施設では、4月中旬より臨時休館をしていましたが、510日まで延長することになりました。特に豊富町にあるサロベツ湿原センターでは、木道の利用もご遠慮頂きたく、駐車場から閉鎖することになりました。

ご不便とご迷惑をおかけいたしますが、ご理解とご協力の程、よろしくお願いいたします。

そんな人間社会とは裏腹に、自然はしっかりと季節の移ろいを進めています。

残念ながら今年は、この芽生えの季節を直に見ることが叶わないため、写真で味わおうと過去の写真を集めてみました。皆さんにもお裾分けいたします!

★春を真っ先に教えてくれる、マガンやオオヒシクイなどの渡り鳥

3月下旬~ゴールデンウィーク頃まで、サロベツでは見ることができます。そろそろ旅立ちの時でしょうか。

★エゾアカガエルの卵

エゾアカガエルの鳴き声がガンたちの鳴き声とかぶり、何が鳴いているのか毎年惑わされます。

★ハンノキの花

湿原にある数少ない高木のハンノキ。雄花がほころび、その脇でひっそり雌花が真っ赤に色づく、この地味な花が湿原内一番の開花です。

★ミズバショウの群落

北海道ではどこにでも群生地が広がっています。

★湿原でいち早く花を咲かせる植物たち

初級:ワタスゲ 

     

中級:ヤチヤナギ 

    

上級:ガンコウラン

どれもとても小さい花ですが、まだまだ枯れ草色の湿原の中で見つけると、春の息吹を感じて嬉しくなります。今の時期はこの子たちが主役です。

★冬を越したクジャクチョウ

痛々しい姿の時もありますが、植物に負けない鮮やかな色が舞う姿は、枯れ草色の世界で一段と輝きます。

★今後続々と咲く花たち

これから湿原では続々と花が咲いていき、夏鳥がやってきて賑やかな季節がやってきます。

その頃には木道から直に出会えることを、祈るしかありません。

写真を見るとますます行きたくなってしまい......この状況を私も残念に思っていましたが、

稚内市内の私の自宅近くでは、最近タンポポが開花しました。

花壇では、いち早く咲いていたクロッカスやスイセンに続く植物たちが伸びてきています。

街路樹はまだまだ枯れ木ですが、冬芽がほころんできていました。

こんな町中でも、芽生えの季節を感じることができることに気づきました♪

皆さんも、遠くの自然は写真などで楽しんで、今は自分の周りにある身近な自然を楽しみましょう!

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2020年04月10日春一番 ペンケ沼清掃

利尻礼文サロベツ国立公園 稚内 青山留美子

今朝は一面真っ白な冬景色に戻っていた稚内。雪の白さと晴天の青さに感激しつつも、三寒四温に戸惑っている、サロベツ担当の青山です。

4月のカレンダーがめくれてすぐの44日(土)、今年度最初のパークボランティア活動「ペンケ沼清掃」を行いました。

ペンケとは、アイヌ語で"上にある"を意味しているそうで、実際にサロベツ川の上流にあるのがペンケ沼です。下流には、パンケ"下にある"沼もあります。

パンケ沼はサロベツ最大の沼で、パンケ沼園地として駐車場や木道を整備していますが、

この日活動を行ったペンケ沼の方は、道路が通じていないため普段はなかなか行くことができない場所です。そのためペンケ沼は、ねぐらや繁殖地として多くの鳥たちに大人気の場所となっています。

そんな鳥たちの楽園にたくさんのゴミがあることを、鳥の調査で訪れたパークボランティア(PV)さんから聞き、昨年度からゴミの清掃を始めました。

ペンケ沼へは牧草地を通らせて頂き向かいます。

※牧草地は勝手に入ってはいけない場所です!今回は、確認をとった上で通らせて頂きました!

牧草地には、北上途中のマガンなどがたくさん来ていました。

南から北へ渡る鳥たちは、植物よりも早く、私たちに春の到来を教えてくれます。

そして、沼近くまで行くには藪漕ぎが必要です!


年々、ササが高くなり、看板も人も埋もれそうな程です。

このササができるだけ寝ているうちに行きたい!という事で、PVの春一番の活動になりました。

ササに足を取られながら、頑張って足を上げて進むと、ペンケ沼が見えてきます。

まずは野鳥観察からです!

マガンやオオヒシクイ、オオハクチョウにオジロワシ、カワウもいました。

声も大音量で聞こえてきます。

飛ぶときの羽音がまた大迫力です。

最初にご褒美を堪能し、本題のゴミ拾いがスタートです。

沼岸に流れ着いているペットボトルやガラス瓶などのゴミが目立ちます。

どこかで捨てられた物が流れ流されたどり着いた場所がここだったのでしょうか?

人の手が入っていない場所で、人の出したゴミが散乱している景色は、とてもせつないです。

しかも今年は既に水で満たされていたため、そのたくさんのゴミの所までたどりつけない歯がゆさがありました。

それでも、手を伸ばしたり、木などを利用しながらできるだけ回収しました。

風もなく、うっすら日差しが注ぐなか、

一枚二枚と着ていたものを脱ぎながら、汗を流しながらの作業を1時間半ほど行いました。

用意したゴミ袋がなくなり終了。

帰りは、雪が残っていた場所を通り、ずぼっと落ちたりしながらも楽にササの上を通り過ぎました。

昨年の反省を踏まえ、大きなゴミを切ったりできるように用意したナタやノコギリなどを駆使し、回収したゴミは全てゴミ袋に収めることができました。

今年回収したゴミの量は、40ℓのゴミ袋14袋分、重さにして40kgでした。

ご褒美つきながら、翌日の筋肉痛もついてきてしまう春一番の活動、お疲れ様でした!

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2020年04月01日下サロベツ木道の思い出

利尻礼文サロベツ国立公園 青山留美子

この冬、サロベツにある木道は、あちらもこちらも工事をしていました。

寒さの中、例年よりは少ない雪に苦戦しつつも、新しい木道は完成検査も終わり、新たな季節の到来を待つばかりになっています。

それとは逆に、今年度で廃止となり撤去された木道もあります。

それが、下サロベツ木道です。

幌延ビジターセンターからパンケ沼園地へと約3km続いていました。

年々木道の傷みが激しく、維持するのも難しくなり、利用する方の数も限られる場所であることから、撤去されることになりました。

歩くたびに壊れている場所を発見するような木道でした。

なんとか維持するため、補強を繰り返し、つぎはぎだらけになっていました。

見た目は悪いかもしれませんが、私にとってはいくつもの思い出がある木道です。

つぎはぎの木道上から、たくさんの出会いがありました。

一番の思い出は、湿原の植物たちにとても間近に出会えたことです。

様々な鳥たちとの出会いもありました。

木道の幅が狭いので、すれ違う時に譲り合う必要があるため、

山道や雪道のように、ちょっとしたふれあいがおこる所も魅力でした。

トビとオジロワシとチュウヒが三つ巴になっていたのを見た時は、すれ違った方と共に興奮しました。

初めてサロベツでヒグマの痕跡を見たのもこの木道でした。

怖さを含めて、サロベツを体感させてもらいました。

下サロベツ木道を歩くと、

広大な湿原と空に囲まれ、聞こえてくるのは風の音と鳥たちの声だけでした。

たまには、ヒグマがいないかビクビクしたり、ぽつんと一人でいるさみしさを感じたりもしましたが、多くは、この壮大さを味わうことが本当に楽しかったです。

冬の間に木道は撤去され、跡が残っているだけになりました。

寂しさもありますが、また新たな出会いが待っているかもしれません。

新たな木道と湿原が早くなじむ事を願いながら、

次なる出会いが、今から待ち遠しいです。

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2020年03月26日国立公園の看板裏にて

利尻礼文サロベツ国立公園 青山留美子

稚内から日本海を南下していく道道106号線。

稚内から行くと、右手には日本海とその向こうに利尻島・礼文島を望み、左手には砂丘林が延々と続きます。

夏には道路横の草原にエゾカンゾウがびっしり咲くのが見られ、冬は、オオワシやオジロワシなどの猛禽類が砂丘の頂きに止まっている姿などを見ることができる、とてもステキな道です。

そしてこの道の左右は、利尻礼文サロベツ国立公園に指定されています。

稚内から南下して程なくすると、国立公園の看板が現れます。

ここから国立公園の始まりです。

この始まりの看板裏で、不法投棄がされていました。

初めて見つけたのは20163月で、ブラウン管テレビなど数台の家電製品でした。

上から転がして落としたことを物語るように、点在していました。

それから積もりに積もった、20194月の状態がこちらです↓

土地所有者の方に連絡がとれず、関係機関が方々にわたることから対処が進まずにいた間に、

国立公園の看板裏が、ゴミ捨て場と化してしまいました。

しかし、2019年になり、各関係機関それぞれの対応が本格始動しました。

海へ続く道への侵入禁止柵設置や、不法投棄禁止の看板設置などです。

環境省では、防犯カメラを設置し、写真を警察へ提供もしました。

それらの効果で、6月以降は新たな不法投棄は見られなくなり、

そしてこれ以上、ゴミがゴミを呼ばないよう、不法投棄の全撤去を10月に行いました。

関係機関併せて13名で、道路への搬出だけで約3時間かかりました。

撤去跡は、久しく太陽を浴びていない色をしているため一目瞭然です。

不毛の大地が出現するほど、この一帯はゴミに覆われていたのです。

不法投棄が増えていく様子を見続けていたため、感慨無量でした。

作業後の青空と相まって、とてもすっきりした気持ちになりました。

すっきりした気持ちのまま、全体の様子を撮ろうと反対車線へ行きました。

するとそこには、ポイっと捨てられたであろうゴミがありました。

すっきりした気持ちは吹き飛び、まったく終わっていない様に感じました。

家電製品を不法に捨てるのと、空き缶などをポイっと捨てる行為に違いはありません。

環境や生き物への影響だけではなく、道路のゴミは事故のきっかけになるかもしれません。

ステキな道を、ステキな気分で誰もが通るためには、そこを使う人全員に責任がある事だと思います。

これから雪が溶けると、隠されていたものが明らかになるように、ゴミが目立ってきます。

大きさに関係なく、ポイッと捨ててしまう気持ちが芽生えない事を願ってやみません。

国立公園の看板裏で、久しぶりの芽生えの季節を待っている、不法投棄撤去場所を眺めながら思いました。

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2020年03月23日パークボランティア 今までとこれからと

利尻礼文サロベツ国立公園 青山留美子

利尻礼文サロベツ国立公園には、現在、パークボランティア(PV)さんが36名登録してくださっています。

肌寒い春に行う海岸清掃から始まり、真冬の鳥調査まで、年間様々な活動を一緒に行っています。

そんな活動を10年、15年と続けてくださっている方へ、感謝の意を表し、環境省より感謝状が贈られるのですが、今年度、利尻礼文サロベツ国立公園PVからは、継続10年が5名、15年が6名とたくさんの受賞者がおりました。

そのため、感謝状の伝達式を10/26(土)に行いました。

当日は、受賞者5名、お祝いに駆けつけてくれたPV5名おりました。

保護官から感謝状が手渡され、それぞれの思いを少しお話頂きました。

「自然に関わるようになり、自分自身成長できた」、「PVになり、良い所に住んでいることが実感できた」、「今できることを少しずつ長く続けていきたい」などなど、皆さんの想いを知ることができました。

更に今年は、PVとして30年活動して下さっている方が、『自然環境功労者環境大臣表彰』を受賞されました。4月に行われたその受賞式の様子などを、基調講演として報告して頂きました。

PVさんの発言は、PVの活動の歴史そのものでした。

10年、15年、30年と長年ご協力頂いている方々の思いの強さが、私たちを、利尻礼文サロベツ国立公園を、支えてくれていることを実感しました。

そして今年は更に、新規のPV募集も行いました。

3/14(土)には、サロベツ地区での養成研修会を行い、6名の方が参加して下さいました。

新型コロナウイルスの影響もあり、開催するのかどうかを直前まで検討しましたが、できうる限りの対策を行った上で、参加者の皆さんにもご理解とご協力を頂き、開催することができました

室内での環境省による講義と、地元のNPOサロベツ・エコ・ネットワークの方に講師をお願いし、講義+木道散策(ちょこっとスノーシュー散策含む)にて、サロベツを体験して頂きました。

4月から、新規の方を含む新体制となり、PV活動が始まります。

ベテランPVさんの情熱に、更なる新規PVさんの情熱が加わって、どんな活動になっていくのか、今からとても楽しみです。

ベテランPVさんも、これから1年目のPVさんも、

利尻礼文サロベツ国立公園での新たな1年、どうぞよろしくお願いします!

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