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アクティブ・レンジャー日記 [北海道地区]

北海道地方環境事務所のアクティブ・レンジャーが、活動の様子をお伝えします。

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支笏洞爺国立公園 支笏湖

135件の記事があります。

2012年04月13日春の現場

支笏洞爺国立公園 支笏湖 福家 菜緒

みなさま、こんにちは。支笏湖アクティブレンジャー福家です。
支笏湖温泉、昨夜は雪、朝には雨、現在は気持ちよく晴れています。遠景の樽前山も、真っ白の中にちらほら山肌が見えるようになってきました。



4月12日 樽前山と風不死岳

そんな支笏湖の『今』を見られるのサイトがあります。
□インターネット自然研究所 http://www.sizenken.biodic.go.jp/live/index.php
支笏湖だけではなく、様々な国立公園などの『今』を楽しめます。

このライブカメラ、支笏湖温泉モラップキャンプ場に設置されており、先日カメラを点検するべく巡視に行ってきました。モラップキャンプ場にはまだまだ雪が多く積もっており、スノーシューでの巡視となりました。
しかし!春近し。いろんな木々の冬芽が今まさに開こうとしています。心はすっかり春気分。そんななか、変わったものを見つけました。

元気に上を向くホウノキの冬芽を見ていたら… 



おお!ガの幼虫?春やね~。なんてことを思い、よく見ると…




幼虫ではなく、小さい卵がなんとも美しく整列した、卵の行列でした。
この卵の皆さんの正体は、アオクチブトカメムシ(カメムシ科)。5月頃卵から出て、羽化は7月頃、大人になると光沢のある緑色の2cmほどのカメムシになります。
この芸術的かつ几帳面な仕事に感動しつつ、小さな春探しの楽しさを噛みしめました。

支笏湖ビジターセンターでは4月22日、29日に自然観察会が催されます。
 □ 支笏湖ビジターセンター
   電話:0123-25-2453
   HP: http://www15.ocn.ne.jp/~sikotuvc/

また、4月15日(日)には第36回支笏湖湖水開きが行われます。安全祈願祭とともに色々な協賛行事が行われ、遊覧船などの営業も開始されます。またヒメマスの稚魚放流も行われます。

春の空気がだんだんと濃くなっていくこの時期、皆さんと楽しめればと思います。

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2012年04月06日支笏湖の春

支笏洞爺国立公園 支笏湖 福家 菜緒

みなさま、初めまして。
4月より支笏湖アクティブレンジャーに着任しました、福家菜緒(ふけなお)です。
札幌から支笏湖へ通勤し始めてから早1週間が経とうとしています。晴れた日の支笏湖の青、輝く湖面、そびえる風不死岳、その奥に鎮座する真っ白な樽前山。毎日がダイナミックです。 …こんな環境で育っていたら、自分はどんな大人になっていただろう。

というわけで、今日は、千歳市立支笏湖小学校の入学式にお邪魔させていただきました。 (みなさん、支笏湖にも小学校があるんだ!と思いませんか?) 支笏湖小学校は、湖の東側、支笏湖温泉にあります。
今春の新入生は2人。今日から全校生徒13人の小さな小学校です。今日はあいにくの雪ですが、初々しい新入生を迎えた体育館はとっても暖かい空気に包まれていました。
国立公園内にある珍しい小学校ということで、公園内での野鳥観察等の野外学習なども多く催され、支笏湖と深く関わりのある小学校です。今年は、春に支笏湖小学校の皆さんと樽前山登山にも挑戦します。

春からのリポートは写真満載でお届けしようと思っております!
今後ともよろしくお願いします。


2012年4月5日の支笏湖

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2011年10月18日秋の紋別岳

支笏洞爺国立公園 支笏湖 春口 洋貴

10月8日(土)、「紋別岳自然歩道を歩こう会」を開催しました。紅葉が進んできた支笏湖と秋に見られる植物の観察です。この日は前日の雨風が嘘のように心地よい天気でまさに観察会日和となりました。今回の参加者は13名。2班に分かれてパークボランティアが案内、解説を行います。

集合場所の休暇村支笏湖を出発し、支笏湖を眺めて紋別岳の登山口へ。その間もパークボランティアの解説が入ります。足下に生えているゲンノショウコやエゾオヤマリンドウといった花を紹介。また、シラカンバとダケカンバの違いを予め用意していた道具を使って説明するなどパークボランティアの皆さんも気合いが入っていたようです。参加者の皆さんも何度も質問したり、自ら虫を捕まえてみたりと積極的に行事を楽しんでいるように感じました。誰もケガすることなく無事に下山し、充実した観察会となりました。




解説をするパークボランティアと熱心に聞く参加者。

実は先週この観察会の現地下見の際、初めて野生のエゾユキウサギに遭遇しました。これまで車からは何度か見たことがあったのですが、野外を歩いて見るのは初めてでした。なんというか、ペットのウサギとは目が違うような、そんな印象を受けました。観察会当日では先を歩いていたグループの前にエゾユキウサギのこどもが現れたそうです。紋別岳では案外出会えるいきものなのかもしれません。



 夏毛のエゾユキウサギ。冬になると毛が真っ白になります。
 支笏湖の紅葉はこの一週間でだいぶ色づき見頃になってきました。支笏湖の落ち着いた雰囲気を感じてみてください。

※10月に入り、哺乳類のロードキル(交通事故)が増加したように感じます。先週は3日続けてエゾタヌキの死骸を確認しました。動物たちは冬に向けて栄養を蓄えるために活動が盛んになり、エゾシカは季節移動が始まります。道路への侵入も予想されますので、運転の際は十分に気をつけ、安全運転を心がけてください。



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2011年06月01日2011年春の紋別岳

支笏洞爺国立公園 支笏湖 春口 洋貴

 先日、紋別岳の巡視へ行ってきました。今年は昨年よりも少し遅い時期に登ったためエゾエンゴサクの開花を見ることはできませんでしたが、鳥たちのさえずりのほか、タチツボスミレやオオバキスミレ、オオバナノエンレイソウなど様々な花に迎えられました。
 散策しながら登るのにちょうどいい紋別岳は、冬の間になまった体には適度な準備運動になりました。気になるところをチェックしながら登ると早速気になるものを発見。エゾサンショウウオのたまご(卵嚢・らんのう)です。日本固有種のエゾサンショウウオはエゾアカガエルのオタマジャクシをよくエサにしますが、カエルのたまご(卵塊・らんかい)はみつかりませんでした。エゾサンショウウオは共食いをするいきものなので、生まれた幼生たちは小さな水たまりの中で生き残りをかけた戦いを繰り広げることになります。



エゾサンショウウオの卵嚢。この中でいったい何匹が子孫をのこせるのでしょうか・・・

 もうしばらく歩いていると、保護官がエサを食べているエゾシマリスを発見しました。そっと観察している間は警戒していたのかじっと動きませんでしたが、写真を撮るとシャッター音にビックリしたのか逃げていきました。人慣れしていないのでしょう。人を怖がるエゾシマリスに出会えたのは嬉しいことでした。



エゾシマリス。ほお袋に食べていたごはんが入っているようです。

 登り始めて1時間半、山頂に到着です。山頂から見る景色は曇っていたために素晴らしいとは言えませんでしたが、また次の楽しみということですぐに下山しました。6月からはヒメマス釣りが解禁となります。ぜひ支笏湖の四季の魅力を感じてみてください。


※野生動物には食べものを与えないでください。市街地への出没や交通事故の誘発、病気を媒介する恐れもあります。海外ではリスを介して病気にかかった例も挙げられているようなので、かわいいシマリスも甘く見てはいけません。野生のいきものはそのままの姿をそっと観察してください。

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2011年04月21日エゾタヌキとアライグマ

支笏洞爺国立公園 支笏湖 春口 洋貴

 東日本大震災から1ヶ月が経ちました。被害に遭われた皆様に心よりお見舞い申し上げます。皆様の安全と一日も早い復興を願い、自分のできる範囲で協力していきます。

 先日、地域の方から「アライグマがいる」との連絡を受け、現地確認をしてきました。そこにいたのはアライグマではなく、小柄で痩せているエゾタヌキでした。エゾタヌキは逃げる気配もなくじっとしていましたが確かに呼吸をしています。狸寝入りでしょうか。タヌキは擬死といって本当に死んだふりをします。全く動かなかったので少し不安になりましたが、翌日朝にはいなくなっていたのできっと大丈夫でしょう。

タヌキとアライグマの違い、皆さんはわかりますか?なかなか見ることのできない野生動物を区別することはなれていない人には難しいかもしれません。英語圏に分布していないタヌキの英語の名前はラクーンドッグ(Raccoon dog)といいます。dogはご存じ犬のことですが、raccoonとはアライグマのことです。特定外来生物に指定されているアライグマは北アメリカ、英語圏の地域原産のいきものです。一方タヌキは日本、中国、ロシアなどアジア原産のいきものです。欧米の人たちもタヌキとアライグマは似ていると感じたようですね。
そんな2種類の動物を最も簡単な見分け方は、尻尾の模様の違いです。エゾタヌキの尻尾は茶色や黒といった体と同じ色をしています。一方アライグマは茶色と黒の縞模様になっています。顔の特徴は、タヌキはヒゲが黒く目立たない耳が丸いのが特徴です。アライグマのヒゲは白くて目立ち、耳には白い縁取りがありタヌキよりも角張っている印象です。
また、アライグマはその特徴から足跡で見分けることもできます。アライグマの足跡は人間の赤ちゃんの手形のような形をしています。ある場所でアライグマの足跡だらけのぬかるみを見つけたことがあるのですが、ぬかるみに残るいくつもの赤ちゃんの手形はホラー映画のワンシーンのようでとにかく気持ち悪かったことを覚えています。いつか日本でこの足跡が見つからない日がくると良いのですが、残念ながらその道のりはまだまだ長いでしょう。

普段見ることのないいきものを違ういきものと勘違いすることはよくあります。ですが、いつの間にかタヌキがいなくなりアライグマだらけになってしまうのは絶対に避けなければなりません。アライグマによって地域の大切ないきものが絶滅してしまう可能性もあります。また、外来生物だけでなく盗掘など、人の手によって貴重ないきものがいなくなるということも絶対にあってはなりません。国立公園の中でアライグマなど特定外来生物を見つけた場合や貴重な植物が盗掘されていたという情報がありましたらぜひ保護官事務所までお越し下さい。皆様から情報を頂くことで守れる自然があるはずです。



上の写真がエゾタヌキ、下がアライグマです。尻尾は見えませんが、顔の特徴の違いがわかるかと思います。





アライグマの足跡。人の手形にそっくりです。

※特定外来生物
 日本の生態系や農業被害、身体に多大な被害をもたらす恐れのあるいきもの。生きたままの移動や飼育、譲渡などが規制されている。アライグマの他にアメリカミンク、ウチダザリガニ、セアカゴケグモなどが指定されている。


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2010年11月26日ひとつの命から

支笏洞爺国立公園 支笏湖 春口 洋貴

 支笏湖畔を巡視していると、多くのヒメマスが岸に寄っている様子を見ることができました。多くの個体は婚姻色で赤く色づき、ゆっくりと周辺を泳いでいます。ただ岸ならどこにでもいるというわけではなく、ほぼ一箇所に多くのヒメマスが集中しているようでした。
 支笏湖のヒメマスは湖岸でも産卵するといいます。降海型のベニザケも一般的には川を遡上して産卵しますが、湖岸で産卵する場合もあるといいます。その場合重要になるのが湧水の有無です。残留型のヒメマスも同じ条件だとすると、魚たちが固まっていた場所には湧水があったのでしょうか。それとも岸によって準備をしているのでしょうか。
 少し離れた場所で一匹のヒメマスを見つけました。体には白い斑点で覆われ、泳いでいるというよりは浮いているという印象を受けるほど弱っているようでした。その少し先には力尽きた個体がいます。彼らは無事に相手と産卵場所を見つけられたのでしょうか。
 命のバトンを繋いでいくのはどの生物も同じです。そのサイクルを受け入れられる生き物とそうでない生き物。支笏湖に移入されたヒメマスは今や名物となって受け入れられています。一方で地域の生態系を守るために受け入れられない生き物たちもどこかでバトンを繋いでいます。そのことを考えると複雑な気持ちになりました。駆除しなければならない外来生物も、飼い主に捨てられてしまうかわいそうなペットも。これ以上人間の手によって不幸な命が増えないことを切に願いました。



非常に弱っていた個体。手を伸ばしても逃げる力も残っていませんでした。

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2010年11月04日千歳ライトセンサス調査

支笏洞爺国立公園 支笏湖 春口 洋貴

千歳市ママチ川周辺で酪農学園大学が実施するエゾシカのライトセンサス調査に同行しました。

ライトセンサス調査とは、夜間ゆっくりと車を走らせ、両サイドからスポットライトを照らしてエゾシカを探す方法です。
明かりでシカを探して、見つけたら車を止め、オスかメスか、大人か子どもか、何匹いたか、などの情報を記入していきます。
動く生き物を相手に調査するので、車の窓を開けてライトを上下左右に振りながらの調査となり、寒さとの戦いでもあります。

鳴き声が四方から聞こえてはくるものの、結果としてあまりシカを発見することはできませんでした。急に降った雪が原因ではないか、とのことです。

ご存じかと思いますが、調査対象のエゾシカは増えすぎて様々な問題があります。農業被害、植生の破壊、交通事故・・・

「エゾシカを見て北海道の自然を感じよう!」
「鳴き声が聞こえるね!こんな鳴き声って不思議だね!」

姿を見て声を聞くことは有意義なことだと思います。ですがそれだけを考えてエゾシカを見ていると、いつかは当たり前に鳴き声が聞こえ、都市部や主要道路でもエゾシカの被害が出てくることでしょう。

千歳市周辺(千歳警察署管内)では今年10月17日までに13件の交通事故が発生しています。
僕自身も今回の調査の帰り道、2頭のメスジカをひきそうになりました・・・
これからの季節は路面も危険ですので、エゾシカを出会いそうな場所では安全運転も心がけてください。

最近はエゾシカ肉を食べようというイベントや普及啓発活動についても活発になっています。
難しい話ではなく、ご飯や通勤といった身近な生活の部分からもエゾシカについて考えてみてはいかがでしょうか。




昼間でも道に出てくるエゾシカ。正面からこちらを見ているのがわかりますか?


画像が荒いのですが・・・。かわいい顔ですが脅威になっています。

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2010年09月09日「千歳、川と湖を巡る自然・歴史探訪」

支笏洞爺国立公園 支笏湖 春口 洋貴

9月4日、千歳市との共催の自然探訪のイベントを行いました。
今回は千歳川を中心に支笏湖、美笛の巨木の森のほか、千歳川の水を利用した水力発電所や遺跡、さけのふ化場を見学し、
自然と人間との関わりや歴史についても再認識してもらおうという企画になりました。

巨木の森ではアイヌ人々の生活に利用されていた植物の説明や大木が残っている背景や、美笛でかつて栄えた千歳鉱山についてパークボランティアの皆さんから解説がありました。
午後からは王子製紙第一発電所にて水力発電や千歳川、支笏湖との繋がりについて巡り、ウサクマイC遺跡では学芸員の方に擦文時代の住居跡から人々とサケの歴史について解説していただきました。





解説をおこなうパークボランティア


最後はさけの里ふれあい広場にて実際にサケやヒメマスの稚魚を実際に観察し、川の豊かさとそれに依存してきた人間の生活について施設の担当者に解説していただきました。
ふ化場では、ベニザケ(ヒメマスはベニザケの陸封型なのですが色や体の形が全然違います)の展示も行っており僕も少し興奮してしまいました。



やはり生きている展示は目を惹きます。



この千歳市との共催行事は10年以上継続されている企画なんです。
千歳川の恩恵を受けるのは僕を含め千歳市の皆さんをはじめ、この地域をたくさんの人々です。
歴史を知ることからもその水、自然の大切さを感じていただけたら幸いです。
そして、そんなイベントを繋がりのある行政機関と共催でできることの素晴らしさを感じた一日にもなりました。


千歳市との共催行事は夏と秋の2回実施しています。
毎回違う目的や内容がありますので、次回はぜひご参加下さい。


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2010年08月26日日本のいのち、つないでいこう! COP10まであと50日

支笏洞爺国立公園 支笏湖 春口 洋貴

ヤマジノホトトギス

今年は不安定な天気が続きます。北海道らしくない湿度の高い日が多く日照時間も少ないので、自然を相手に生計を立てている農家さんたちが気になります。
その日の天候で活動が左右される僕たちも、こんな天気だと右往左往してしまいます。

8月中旬、野鳥の森で自然観察会を行いました。パークボランティアの解説で夏の草花の観察を行いました。
その日も雨が降りそうで降らないと思っていたら、集合時間に合わせて雨が降り始めてしまいました。それでも比較的雨は弱く、安全な道を歩くので観察会を決行しました。
しっとりと降る雨の中を歩くのはとても気持ちが良く、参加者の皆さんもリラックスしている様子でした。

今回の観察会のメインとなったのは、ヤマジノホトトギスです。
ヤマジノホトトギス(Tricyrtis affinis)
【科名】ユリ科
【属名】ホトトギス属
【分布】北海道・本州・四国・九州



ヤマジノホトトギス



茎には下向きに毛が生えていて、葉はササに似ています。


この紫の斑点が少し毒々しくも見えますが、なんともかわいらしい花です。
この名前と花の模様ですぐ頭に入ってきますし、なかなか離れていきません。参加者の皆さんにも強く印象に残ったようで、観察会では強い味方になってくれました。

この花はとても広い地域に分布していますが、北海道では胆振以南に生息していると言われています。
こんなに広く分布している花なのに、支笏湖よりも北では滅多に見られないと思うと少し不思議な感じがします。

分布の北限に近いこの地域では、なんとか子孫を残しているのでしょう。
支笏湖ではこの花を見るのを毎年楽しみにしている方がいますし、寒い中頑張っている花たちです。
他の場所にはたくさん咲いていても、この場所では貴重な一株ですので見つけてもそっとしてあげてくださいね。


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2010年08月17日樽前山登山道補修

支笏洞爺国立公園 支笏湖 春口 洋貴

8月3日、夏の短い期間だけ自然解説を行うサブレンジャーの皆さんと樽前山の登山道補修を行いました。

樽前山は7合目まで車で登ることができ、年間2万人を超える登山者が訪れる山です。
こんなに多くの人が歩くため、登山道の拡幅が問題となっています。

なぜ道が広がるのか。
答えは簡単。人が登山道の端や外を歩くからです。
写真をとりたいから、景色が見たいからという理由で登山道を踏み越えた形跡をよく見かけます。
また、他の登山者とすれ違うときに無意識に道から外れ植物を踏んでいる登山者を見かけることもあります。

樽前山は火山灰土壌でとても脆い山です。
一人ひとりがルールを守らないと簡単に道は拡幅し、植物は死んでしまいます。

このような被害を防ぐため、登山道の一部を歩きやすく、山にも負担のかからないよう補修を行いました。
道の端を歩くことで周囲の植物に負担をかけないよう、石を利用して登山道の中央を歩いてもらうようにしています。
およそ3時間ひたすら石を拾っては寄せる作業は暑さとの戦いでもありました。
サブレンジャーの皆さん、お疲れさまでした。


山に登る人は、普段から自然に対しての興味はあるのだろうと思っています。
ですがきれいな花や雄大な景色を眺めることで自然の大切さを実感している中、無意識のうちに足下の土や植物に負担をかけていることにも気付いてください。


また、樽前山は7合目まで車で行けるため軽い気持ちで登る登山者も多いようです。
溶岩ドームまでの距離は短いのですが、登山道にはちいさな軽石が散らばっているため転びやすく、また濃霧や強風に襲われることもあります。
山頂まで1時間でも標高1000mを超す山ですし、この山には水場はありません。

樽前山に登る場合は最低でも軽登山靴や上下セットの雨具、そして水を1L以上持って行くようにしてください。


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