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アクティブ・レンジャー日記 [北海道地区]
ウチダザリガニ調査体験会を実施しました
2007年11月07日
釧路湿原
釧路湿原国立公園では今年、温根内ビジターセンター周辺でパークボランティアさん達と共にウチダザリガニ侵入防除を目的とした捕獲調査を行っていました。
10月28日は6月から行ってきた調査の最終日、そこで一般から参加者を募って「ウチダザリガニ調査体験会」として実施しました。
好天に恵まれた中、25名の参加者と多くのボランティアさん達と共に、前日3ヵ所に仕掛けておいたカゴ罠を確認してまわりました。
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1ヵ所目の湿原内を通る木道の下、2ヵ所目の温根内ビジターセンターから2kmちょっと離れた大島川に仕掛けたカゴ罠には、ウチダザリガニの姿はなく、代わりにかかった(?)ヤチウグイやエゾアカガエルなど在来の生物の観察しました。
そして3ヵ所目は温根内ビジターセンターからすぐ近くの右岸堤防。
ここは、堤防をはさんでビジターセンターに近い側に池が、反対側に釧路川水系の温根内川支流があります。隣り合っていても堤防を挟むので池と支流は水路で直接つながっていません。
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池は、ウチダザリガニの捕獲ゼロ。
対して支流では・・・
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「うわー!」と歓声が!(←本当は喜ばしくない)
支流に仕掛けた8個のカゴ網全てにウチダザリガニがかかっていました。
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数えたところ全部で252匹!かなり大漁です。
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カゴから出して、ボランティアさん指導のもとみんなで計測しました。
体長(はさみを除いた長さ)が8~10㎝のものが中心で、最大でも11㎝程度でした。
釧路湿原の主な河川には、広くウチダザリガニが分布しています。
今年温根内の周辺では、この日の分を含め計1,793匹のウチダザリガニを捕獲しました。うち99%が温根内川支流での捕獲。その他は大島川(但し28日に回った地点よりもずっと下流)での捕獲です。
調査した範囲では、湿地や堤防で隔離された池などでウチダザリガニの確認はありませんでした。
このことから、今のところ、侵入経路となり得るこの2つの流路をウチダザリガニが独力ではい出て侵入する可能性は少ない印象をうけています。
堤防を隔てての近接した2つの水辺の捕獲数。0:252。
参加者の一人から、近接した「いない場所」と「いる場所」の両方を見て、「何故生きたまま移動させてはいけないかやっとわかった」、という感想をいただきました。
湖などと異なり、解放水系である河川に入り込んだウチダザリガニの数を減らすのは困難です。
それでも人為的な移動をしないことで自然には侵入し得ない場所への分散は防げます。
今回参加いただいた方をはじめ、一人でも多くの方がこのことを知り、周りの方に伝えていただければと思いました。
さて体験会の最後は、調査だけではなく味も体験ということで、希望者でウチダザリガニを茹でて味見しました。
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もともと食用として持ち込まれただけあり、おいしいと大好評!
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小さなお子さんもむしゃむしゃ食べていました。
この分だと湿原のウチダザリガニが参加者の食卓へと有効活用されるは・・・近い?
*釧路湿原では「ウチダザリガニを移動させないで」リーフレットを作成し、配布しています。
こちらからPDF版をダウンロードできます。
http://hokkaido.env.go.jp/kushiro/pre_2007/0730a.html
10月28日は6月から行ってきた調査の最終日、そこで一般から参加者を募って「ウチダザリガニ調査体験会」として実施しました。
好天に恵まれた中、25名の参加者と多くのボランティアさん達と共に、前日3ヵ所に仕掛けておいたカゴ罠を確認してまわりました。
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1ヵ所目の湿原内を通る木道の下、2ヵ所目の温根内ビジターセンターから2kmちょっと離れた大島川に仕掛けたカゴ罠には、ウチダザリガニの姿はなく、代わりにかかった(?)ヤチウグイやエゾアカガエルなど在来の生物の観察しました。
そして3ヵ所目は温根内ビジターセンターからすぐ近くの右岸堤防。
ここは、堤防をはさんでビジターセンターに近い側に池が、反対側に釧路川水系の温根内川支流があります。隣り合っていても堤防を挟むので池と支流は水路で直接つながっていません。
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池は、ウチダザリガニの捕獲ゼロ。
対して支流では・・・
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「うわー!」と歓声が!(←本当は喜ばしくない)
支流に仕掛けた8個のカゴ網全てにウチダザリガニがかかっていました。
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数えたところ全部で252匹!かなり大漁です。
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カゴから出して、ボランティアさん指導のもとみんなで計測しました。
体長(はさみを除いた長さ)が8~10㎝のものが中心で、最大でも11㎝程度でした。
釧路湿原の主な河川には、広くウチダザリガニが分布しています。
今年温根内の周辺では、この日の分を含め計1,793匹のウチダザリガニを捕獲しました。うち99%が温根内川支流での捕獲。その他は大島川(但し28日に回った地点よりもずっと下流)での捕獲です。
調査した範囲では、湿地や堤防で隔離された池などでウチダザリガニの確認はありませんでした。
このことから、今のところ、侵入経路となり得るこの2つの流路をウチダザリガニが独力ではい出て侵入する可能性は少ない印象をうけています。
堤防を隔てての近接した2つの水辺の捕獲数。0:252。
参加者の一人から、近接した「いない場所」と「いる場所」の両方を見て、「何故生きたまま移動させてはいけないかやっとわかった」、という感想をいただきました。
湖などと異なり、解放水系である河川に入り込んだウチダザリガニの数を減らすのは困難です。
それでも人為的な移動をしないことで自然には侵入し得ない場所への分散は防げます。
今回参加いただいた方をはじめ、一人でも多くの方がこのことを知り、周りの方に伝えていただければと思いました。
さて体験会の最後は、調査だけではなく味も体験ということで、希望者でウチダザリガニを茹でて味見しました。
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もともと食用として持ち込まれただけあり、おいしいと大好評!
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小さなお子さんもむしゃむしゃ食べていました。
この分だと湿原のウチダザリガニが参加者の食卓へと有効活用されるは・・・近い?
*釧路湿原では「ウチダザリガニを移動させないで」リーフレットを作成し、配布しています。
こちらからPDF版をダウンロードできます。
http://hokkaido.env.go.jp/kushiro/pre_2007/0730a.html