北海道地方環境事務所のアクティブ・レンジャーが、活動の様子をお伝えします。
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アクティブ・レンジャーとは、自然保護官の補佐役として、国立公園等のパトロール、調査、利用者指導、自然解説などの業務を担う環境省の職員です。管内には、利尻礼文サロベツ、知床、阿寒摩周、釧路湿原、大雪山、支笏洞爺国立公園があります。
タヌキモはふわふわと水面を浮遊している(根を地中にはらない)水生植物で、「タヌキ」の名にふさわしく、タヌキのしっぽのようにふさふさの葉を水面に拡げています(写真の水面下に見えるのが葉です)。
さて、このふさふさの葉には恐るべき機能が・・・
ちょっと拝借。
よく見ると葉にはブツブツがたくさんついています。これは「捕虫嚢」と呼ばれる小さな袋で、この袋で水面を漂う小さな虫などをとらえて栄養にしてしまうのです!
タヌキモは「食虫植物」なのでした。
袋は何も入っていないと透き通っているのですが、この写真の個体は食べ過ぎ・・・なのかずいぶん黒かったです。
食虫植物といえば「モウセンゴケ」の名前のほうがお馴染みかもしれません。
こちらも温根内で観察できます。水の張った場所に生息するタヌキモと異なり、こちらはミズゴケが発達したタイプの湿原に生育しています。
虫採りの作戦も袋ではなくとりもち方式です(写真の部分がねばねばしています)。
タヌキモに負けず劣らずかわいらしい花をこれから咲かせます。
湿原という栄養の乏しい環境で虫を栄養にしてしまおうという戦略を持った2種。見比べてみると面白いと思います。