アクティブ・レンジャー日記 [北海道地区]
続くフィールドサイン探し
2021年08月10日気象庁による2005年~2020年の羅臼町の7月の日最高平均気温は18.9℃。「羅臼は涼しいはず!」と足を運んで下さる方も多いのですが、今年はどうしたことでしょう。例年より10℃ほど気温の高い日々に溶けてしまいそうな羅臼自然保護官事務所の高林です。
前回、アクティブレンジャー日記では「続縄文文化期の土器」について書きました。6/17の記事
なぜ、「アクティブレンジャーが土器を?」と思われるかもしれませんが、私は土器もフィールドサイン探しの一つと思っています。人が暮らした痕跡である土器以外にも、様々な生物の痕跡など、巡視中もプライベートの時もフィールドサイン探しをしています。
海岸線に落ちていたエゾシマリスのしっぽ
フィールドサインから、どんな生物により、なぜそこにそのような痕跡が残ったか想像を膨らませます。
前振りが長くなってしまいました。
今回は・・・どきどきな土器続編です。
羅臼町のある場所を巡視中のことです。
崩れやすい急傾斜を登ると獣道ができていました。
動物が歩くことにより削られ、一部の土壌が露出しています。
目をこらして歩いていると・・・
石?岩盤?
羅臼町郷土資料館
土器片でした。
実は、昨年も石鏃を確認していた場所です。
土器を使っていた人もこの昆布茂る海を見ていたのでしょうか?
巡視終了後、羅臼町郷土資料館に行って、土器について報告し寄贈しました。
学芸員の方によると、およそ3800年前のものとのこと。
文様、厚み、形等も年代によって代わってくるようです。
情報を共有し、郷土資料館に収蔵している土器片も見せていただきました。
すると・・・
寄贈したものと形状がよく似ています。
羅臼町郷土資料館
こんなことってあるのでしょうか。寄贈したものとぴったり合いました!!!
ロマン溢れる土器・・・一度手にしてみたい!と思う方もいらっしゃるかもしれません。
しかし!前回もお伝えしましたが埋蔵文化財ですので、掘り起こさないで下さいね。
発見したときには、その街の博物館や郷土資料館へ連絡しましょう。
いつか1つの土器が完成することを願って・・・!