ACTIVE RANGER

アクティブ・レンジャー日記 [北海道地区]

北海道地方環境事務所のアクティブ・レンジャーが、活動の様子をお伝えします。

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釧路湿原国立公園 釧路湿原

175件の記事があります。

2012年07月19日インタープリテーション ~自分のことばで伝える~

釧路湿原国立公園 釧路湿原 小林 美保

平成24年度釧路湿原国立公園パークボランティア研修会を開催しました。

第1回目の研修は夏季開催予定(7/22、8/19、9/16)の
パークボランティアによる温根内木道定点ガイドに向けて
NPO法人ねおす 大雪山自然学校代表の小林峻氏を講師に迎え
「インタープリテーションの楽しさ」について学びました。

今回の目標は
・インタープリテーションの楽しさを知る
・ちょっとスキルを上げる
の2点にしぼって、まずは自分たちができることから始めました。

午前中の座学では、まず自己紹介と自分たちが感じる温根内木道の魅力に
ついて紙に書き、短い時間で全員がスピーチしました。
(実はこれが午後からの実地演習に生きてくるのです)
その後、グループに分かれてワークショップを行いました。

午後からは温根内木道に移動して、さぁ実地演習です。

今年から新しくボランティアの仲間に加わった方は
来訪者に向けてガイドすることは初めての方もいます。
「私には無理かも…」なんて言葉がチラホラ。
そんな中、講師の小林さんが問題点を一緒に解決しながら進めてくれます。


そして、自然の力はすごいですね。

木道を歩いているうちに、みんな自分たちが「素敵だ」と思うものを
見つけ始めます。あとはそれを伝えるだけ。それが難しい!

そこで、講師がさらっと実演してくれます。
「ほぉ なるほど・・・」 目から鱗です。

不思議なことに、恥ずかしがっていた人もそうでない人も積極的に
お客さま役、ガイド役となって実演練習ができるようになるのです。
すでに練習というよりは本番そのものですね。


最初は自然の知識がないから・・・とか鳥の名前を知らないから・・・など
不安げにしていた方も
現実に起こる場面を想定してロールプレイング(役割演技)することで
相手を知ろうとし、自分たちが楽しいと感じることを伝えらえるようになり
お客さまに何かしら自分なりのプレゼントができることがわかりました。

終始 笑いと真剣さが入りまじった素敵な研修会になりました。
ボランティアさんからは「楽しかった」「これなら私でもできそう」
「ロールプレイングがよかった」などの感想がありました。

そうなんです!専門家ではなくてもできることがあるのです。
そしてそれは「楽しい」のです。

今年の夏はぜひ釧路湿原国立公園にお越しください。
自然が大好きなパークボランティアのみなさんがお待ちしております。
自然と出会い、その地に住む人たちと接することで
またさらに味わい深い旅になると思います。

◆お知らせ◆
温根内ビジターセンター、塘路湖エコミュージアムセンターは
パークボランティアのみなさんの協力により、夏季の間(~8/15まで)
休館日も開館しています。

7月22日(日)PVによる定点解説
10:00~12:00、13:00~15:00の間で行っています。
※上記時間内に木道上でお待ちしております!

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2012年07月10日想像力

釧路湿原国立公園 釧路湿原 小林 美保

緑が濃くなり、夏本番を迎えた釧路湿原。
涼しい気候に 自然の中を走るドライブも気持ちがいいものです。

それと同時に、毎年この時期に多く目にする悲しい出来事があります。
動物たちの交通事故です。(本当にたくさん見られます)

春に生まれた子どもたちにエサをやるため、
エサが探しやすいのか動物たちが道路沿いに出てくることが多くなり
車との事故が多くなります。
車に慣れていない動物の子どもたちもよく事故にあっています。
また、野生動物たちの愛らしい姿に、思わずエサをやってしまう方々も
まだまだ見られます。(※1)

北海道はデッカイドウ!
ついついスピードを出しすぎてしまいがちですが
どうか、「野性動物たちがたくさんたくさん住んでいる場所」
ということを想像しながら、スピード控えめ安全運転でお願いします。
そして出会ったら、かわいくてたまらないのをぐっと我慢して
近づきすぎず遠くからそっと見守ってください。

その他国立公園利用時のマナーについて下記HPでご覧願います。
http://www.env.go.jp/park/kushiro/guide/rule.html

※1 エサをもらった動物たちは、人間=エサをくれる になってしまい
   自動車でさえも恐れなくなり、最終的に交通事故に遭うことが多く
   例え人間に悪気がなくても、動物たちには悲しい結果を残します



 春に生まれたキタキツネの子ども 


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2012年06月29日くしろエコ・フェア参加しました。

釧路湿原国立公園 釧路湿原 平川 正詩

6月9日釧路市こども遊学館にてくしろエコ・フェア2012が開催されました。地域に住む一人ひとりが「くらしと環境」について考えようというのが大きなテーマとなっています。
釧路自然環境事務所からは、希少種である「シマフクロウ」「エトピリカ」また、外来種である「ウチダザリガニ」「オオマルハナバチ」などについて多くの人々に関心を持ってもらおうと出展しました。 

エトピリカ移動ミュージアムです。こどもたちを夢中にさせるしかけがいっぱい。遊んでいるうちにエトピリカの現状がわかるようになっています。

ウチダザリガニのコーナーです。実際に触って計測してもらいました。計測データは個体数の増減など今後の傾向を知る上でとても重要です。

シマフクロウのコーナーです。クイズを出しました(ちょっとむつかしかったかな)。シマフクロウの羽根の大きさにはみなびっくり。世界最大級のフクロウなんです。今回をきっかけに関心を持ってくれればと思います。

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2012年06月05日温根内木道 自然情報マップ

釧路湿原国立公園 釧路湿原 小林 美保

鶴居村にある温根内ビジターセンターには
釧路湿原の中を歩くことができる木道があります。
駐車場に車を停めて、木道階段を下りて、ビジターセンターに寄って・・・
このマップをゲットして・・・
普段は入ることができない「水の大地」の散策を楽しんでください!

「温根内木道 自然情報マップ」
*画像をクリックすると大きくなります


エゾヤマザクラの花が終わり、初夏を迎えた淡い緑色の釧路湿原。
黄色いエンコウソウや白いミツガシワの花が私たちの目を楽しませてくれます。
今年新しく生まれたスゲやヨシが風に揺られてサワサワとやさしく歌います。

お天気も気まぐれです。
もし厚い雲が湿原を覆っても、寒い日も雨の日も 心配ご無用。
ビジターセンターでは大きな画面で美しい湿原の映像を観ることができます。

(映像は観た人だけのお楽しみ!)

そしてかわいいエゾフクロウのぬいぐるみがお出迎え

詳しくはセンター職員にお尋ねください。

木道は大変歩きやすく、完全バリアフリーのコース(中周り)もあります。
まずは、一度体験することを オススメします!!

また、この自然情報マップは以下のHPからダウンロードすることもできます。

◆環境省 釧路湿原国立公園(News&Topics)
 http://www.env.go.jp/park/kushiro/

◆釧路湿原連絡協議会(その他 温根内木道 自然情報)
 http://city.hokkai.or.jp/~kkr946/shisetsu_onnenai.html
 ※リンクが貼れませんので上記アドレスを貼り付け、
  もしくは検索してお調べ願います 

************
■温根内ビジターセンター  0154-65-2323
午前10:00~午後5:00(4月~10月)
休館日 火曜日
   (近隣には他の建物やトイレがありませんのでお気をつけください)

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2012年05月29日キタサンショウウオ

釧路湿原国立公園 釧路湿原 小林 美保

みなさんキタサンショウウオを知っていますか?
国内では釧路湿原の一部と北方領土の国後島にしか生息していないと言われている夜行性の両生類です。
巡視中にそのキタサンショウウオの卵のうに出会いました。


広い湿原内を探して、見つかったのはたった一対の卵のうでした。
幼生は順調に成長しているようです



気候変動による思わぬ干上がりや他の生きものに捕食されたりなど、これからも彼らにはたくさんの至難が待ち受けていることでしょう。
その中を生き抜いて、8月頃に成体になったキタサンショウウオに出会えることを願っています。その時は写真でご紹介できるといいですね。
(夜行性なので昼間に見られることはかなり難しいですが・・・)

キタサンショウウオは湿原の草地化や水位低下、道路工事などによる生息地の減少で数が減っており、環境省の準絶滅危惧種に指定されています。今後も巡視時のモニタリング調査を続けていく予定です。

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2012年05月24日濤沸湖水鳥・湿地センター オープン!!

釧路湿原国立公園 釧路湿原 平川 正詩

はじめまして 4月から釧路湿原自然保護官事務所、野生生物保護センターに勤務となりました平川と申します。どうぞよろしくお願いします。
シマフクロウやタンチョウ、オジロワシ、オオワシなど道東に生息する希少鳥類の調査や傷病鳥の保護、収容を行うのが主な業務です。
今年の3月までは佐渡で放鳥されたトキの調査を行っていました。
おなじ希少な鳥類ですが、道東の鳥はかなりワイルド・・・取扱いにはとても緊張します。
 さて5月22日ラムサール条約にも登録されている濤沸湖に新しい施設、濤沸湖水鳥・湿地センターがオープンしましたのでご紹介します。
濤沸湖は200種を超す鳥類がみられる国内でも有数の渡り鳥の中継地です。ぜひこの施設を利用して、濤沸湖の自然や文化に触れてほしいと思います。


テープカットを待つのみ、スタッフは最後の準備に追われています。

テープカットの瞬間です、地元の白鳥台小学校生がセンターに位置しています。これは関係者の期待の表れですね。

さて次はおまちかね施設内の見学です。小学生のみんな目を輝かせていました。みんないっぱい遊びにきてね!

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2012年05月22日注意してご利用ください!

釧路湿原国立公園 釧路湿原 小林 美保

釧路湿原国立公園標茶町塘路地区にあるサルボ展望台についてお知らせです。
長年の雨雪により展望台へ続く遊歩道の木道階段が傾いたり破損しています。
ご利用はできますが、散策の際は足元に十分ご注意ください。



今日は釧路湿原国立公園の定点撮影調査でサルボ展望台に行ってきました。

展望台からの風景
エゾヤマザクラと塘路湖(GWの雨で現在も水量がかなり多いです)


遊歩道のオオバナノエンレイソウも満開

*サルボ展望台*
塘路駅から国道391号線に出て北(網走方面)に約15分ほど歩き、
大きなカーブ手前にある駐車場の左側と右側(2カ所)に遊歩道入り口があります。

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2012年03月28日温根内木道自然情報マップ

釧路湿原国立公園 釧路湿原 小林 美保

温根内ビジターセンターから延びる木道の「自然情報マップ」を更新しました。



今年は雪がなかなか解けない釧路湿原。
3月下旬でも木道上には30cmほど雪が積もっています。
今回もスノーシューや歩くスキーで散策するのにちょうど良い
中周りコース(約2km)をご案内します。
4月に入ると、どんどん雪は少なくなりますが、まだまだ長靴が必須です。

陽射しは暖かく感じますが、風はとても冷たいので、
手袋やウィンドブレーカーなど防寒対策をしっかりして出かけましょう。
鳥の声がにぎやかになり始めた、温根内木道の散策を楽しんでください。


「温根内木道自然情報マップ」



 
************
■温根内ビジターセンター  0154-65-2323
午前10:00~午後4:00(11月~3月)
午前10:00~午後5:00(4月~10月)
休館日 火曜日

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2012年02月29日冬ならでは!塘路周辺の楽しみ方

釧路湿原国立公園 釧路湿原 小林 美保

冬の塘路は魅力がいっぱい!

釧路湿原国立公園の冬季定点撮影調査でサルボ展望台に行きました。
国道391号線沿いにあるサルボ展望台は、片道約20分ほどのコースで
展望台からは塘路湖と大小の沼が点在する釧路湿原東部特有の景色を
楽しむことができます。
しかも、今の時期は湖沼が結氷しているので、真っ白のロマンチックな風景に加え、釧路湿原を通過するSLを観ることができるのです。


しかもしかも!
SLが通過した後も休んでる暇はありません。

塘路湖周辺に起こる上昇気流に乗って、冬の間だけ道東を中心に日本へ越冬しに来ている鳥たち(オジロワシ、オオワシ、ワタリガラスなど)が、まさに自分の目線の高さから遙か上空へと、ぐんぐん旋回していく姿が見られます。
この風景は、展望台ならでは!の醍醐味です。


結氷した塘路湖をバックに
目の前を旋回し始めるオオワシ(成鳥)


※ワタリガラス(まるでワシみたいなシルエット)
 カポンカポン コォルル コァコァ と鳴きながら飛びます

雪がたくさん積もって展望台に行くのにも長靴が必要だったり
鳥をたくさん見ることができる上昇気流=展望台は強風で極寒!などなど
「ぷらっと来て、ぷらっと散策」は難しいかもしれませんが
ちゃんと準備をして、寒いのを覚悟の上で展望台にのぼると
素敵な、冬ならではの世界に出会えます。

その後は、塘路湖エコミュージアムセンターに寄って体を温めて
あなたが感じた「とっておきの自然情報」を館内にある用紙に書いて
来館されるみなさんにも教えてください!
みなさんが教えてくれた自然情報は、ホワイトボードに貼って掲示しています。

季節はもうすぐ春です。みなさんお急ぎ下さい!
今、塘路が熱いです!

※オジロワシは一部営巣しているものもいます
※サルボ展望台への木道階段は一部破損しており、積雪や凍結で危険な箇所があります。十分にお気を付け下さい。

************
■塘路湖エコミュージアムセンター「あるこっと」
TEL:015-487-3003
午前10:00~午後4:00(11月~3月)
休館日 水曜日
入館料 無料

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2012年02月24日温根内木道自然情報マップ

釧路湿原国立公園 釧路湿原 小林 美保

温根内ビジターセンターで配布している「自然情報マップ」を更新しました。

「温根内木道 自然情報マップ」


2月も下旬に入り、湿原に吹く風も微かに春の気配が感じられるようになりました。
今年は雪が多い釧路湿原。木道上は雪が30cm以上積もっています。
今回も1月に続き、スノーシューや歩くスキーで散策するのにちょうど良い
中周りコース(約2km)をご案内します。
ニット帽、イヤーウォーマー、ネックウォーマー、手袋など防寒対策をしっかりして出かけましょう。
ただし!全身運動の冬の散策・・・暑くなったら中に着ているものを脱いだりして温度調節をしましょうね。



なかなか姿を見ることができないエゾユキウサギも
冬はあちこちにかわいい足あとがいっぱい!



************
■温根内ビジターセンター  0154-65-2323
午前10:00~午後4:00(11月~3月)
休館日 火曜日

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