ACTIVE RANGER

アクティブ・レンジャー日記 [北海道地区]

北海道地方環境事務所のアクティブ・レンジャーが、活動の様子をお伝えします。

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釧路湿原国立公園 釧路湿原

175件の記事があります。

2011年07月02日第1回 子どもパークレンジャー (後編)

釧路湿原国立公園 釧路湿原 小林 美保

今日はお天気も良く、和琴半島自然教室のまわりでお昼ご飯を食べました。
その後、水に濡れてもよい服装に着替えて尾札部川へ行きました。
まずは水生生物を捕獲して、その種類を調べます。

カゲロウの仲間やトビケラの仲間が見つかりました。
きれいな水にしかすめない水生昆虫が見つかり、見た目にもきれいな尾札部川が本当にきれいな川だということをさらに実感しました。

そして、河口へ下ると魚の大群に遭遇

近くで見る魚に子どもたちは大興奮でした。
網で捕獲して、なんの種類か調べるとウグイという魚でした。
ウグイは産卵のため釧路川を遡上してきたことがわかりました。
そして、さっき見つけた水生昆虫はウグイのエサになることもわかりました。
みんなで命のつながり、川のつながりを確認した後、ウグイを放流しました。

和琴半島自然教室に戻って、今日1日わかったことをレンジャーに報告して
終了スタンプをもらい、最後に、屈斜路湖から釧路川が流れ始めている場所(眺湖橋)をみんなで見に行きました。

たくさんのウグイが遡上して、黒い固まりになっているのが橋から見えました。
(子どもたちの影の上のあたりの黒い丸)
「釧路までこの川はつながっているんだね・・・!」
そんな言葉が聞こえるなか、次の活動も楽しみにしつつ、
第1回目のJPRは無事終了しました。

始まりから積極的に活動に参加していた子どもたちでしたが
1日の活動を終えた顔は、「気づき」に「自信」が加わりキラキラしていました。
「国立公園のこと、自然のことを知りたい」そんな想いが
子どもたちから伝わってきたことを、とてもうれしく感じました。

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2011年07月02日第1回 子どもパークレンジャー (前編)

釧路湿原国立公園 釧路湿原 小林 美保

「きみも子どもパークレンジャーだ!」を合い言葉に今年も始まりました。
子どもたちに環境省のレンジャー(自然保護官)の仕事を知ってもらい、
地域の自然や地球環境の大切さを学び、自然を守るお手伝いしてもらう
活動です。

今年のテーマは「4回連続活動 釧路川でつながる国立公園を知ろう!」と題し、
釧路川の始まり、屈斜路湖がある阿寒国立公園川湯地域で夏に2回、
釧路川が海へつながる釧路湿原国立公園で冬に2回の活動を行います。

今日はその第1回目「釧路川の源で水生昆虫を捕獲せよ」というミッションのもと
釧路市、釧路町、弟子屈町の小学生から中学生まで、
幅広い年齢層の子どもたち25名が参加しました。
午前中は和琴半島の探検、午後からは屈斜路湖に流れ込む尾札部(おさっぺ)川で水生昆虫や魚の捕獲、観察体験をしました。


まずは「子どもパークレンジャー」になるための任命式

レンジャー手帳をもらい、レンジャーキャップをかぶって準備します

川湯自然保護官事務所のレンジャーから
阿寒国立公園やレンジャーのお仕事について教えてもらいます
みんなすごい集中力でした!

そしてレンジャーからのミッション
「今日わかったことや気づいたことを僕に教えてほしい、
 みんなでレンジャーのお仕事を手伝ってください」


屈斜路湖畔で自然の中にあるもっとも白いものを探したり、
薄い石を探す競争をしたり、見つけたものや感じたことをメモしたり、
気になったことをレンジャーに質問したりして
みんなで歩いて和琴半島のオヤコツ地獄まで探検しました。


(後編へ続く・・・)

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2011年06月15日温根内木道 自然情報MAP

釧路湿原国立公園 釧路湿原 小林 美保

温根内ビジターセンターで配布している「自然情報マップ」を更新しました。
(掲載が遅くなってしまいました・・・)


※画像をクリックすると大きくなります

6月になり一斉にたくさんの種類の広葉樹が芽吹き
また、スゲ湿原は緑のじゅうたんになりました。
気持ちよく散策できる暖かさの日も増えました。
湿原の春のお花も、見ごろを迎えました。

散策前にビジターセンターに寄って
その日の情報と、この自然情報マップを入手して
温根内自然探勝道の散策を楽しんでください。
長いコースはゆっくりベンチで休みながら
2時間ぐらいかけて歩くのが 私のオススメです。
※短いコースもあります

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2011年06月15日イベントのお知らせ@釧路市こども遊学館

釧路湿原国立公園 釧路湿原 小林 美保




みんなに もっともっと釧路湿原を知ってもらいたい!
すきになってもらいたい!という思いを込めて
環境省主催のイベントを行います。

*********************************
【タイトル】
「大すき!釧路湿原!!~自然を守るレンジャーの秘密アイテム大集合~」

【開催日時】
2011年6月18日(土)~6月19日(日) 9:30~17:00

【主催】
環境省釧路湿原自然保護官事務所
釧路湿原自然再生協議会再生普及行動計画WG事務局
釧路市こども遊学館 

※遊学館展示観覧料(大人500円・小中生100円・高校生200円)が
必要となります

【コーナーあれこれ】
「すごろく」空から釧路湿原を探検だ(9:30~17:00)
「自然を守るレンジャーのひみつアイテム大集合」(10:00~16:00)
「釧路湿原自然再生事業紹介パネル展」
「工作!湿原のヨシがお茶の間のコースターに!」(18日10:00~・13:00~、各回20名)
「外来種ウチダザリガニ展示」(19日のみ)
*********************************

当日はレンジャーの秘密アイテムとして、
普段めったに見ることができない調査道具や野生動物対策グッズ
触って楽しむことができるハンズオングッズなどを展示します。
また、レンジャー直々にいろいろなコーナーで解説を行います!

こどもだけではなく大人も楽しめる内容となっていますので
ぜひ レンジャーに会いに、こども遊学館へ遊びに来てください!

●釧路市こども遊学館 
HP:http://www.kodomoyugakukan.jp/index.html



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2011年06月06日風物詩

釧路湿原国立公園 釧路湿原 小林 美保

5月は思いのほか寒かった釧路。
6月に入り、何となく暖かくなってきたように感じたら
エゾハルゼミが一斉に鳴きだしました。

・・・カナカナカナカナカナ

生き物の知らせで感じる「季節」は またすばらしく
本州で生まれ育った私は、このエゾハルゼミの声を聴くと
夏の夕暮れ時のヒグラシを想い、懐かしい気持ちになります。

また、ドッキリする知らせもあります。

春から夏にかけて繁殖期を迎えるカラスです。
人間が利用する場所付近にも巣を作ることがあるカラスは
子育ての時期に、巣に近づく人間に攻撃的になることがあります。
それは、巣や雛から人間を遠ざけようとする威嚇行動で、
カラスにしてみれば、子どもを守ろうとする親心なのです。

でもやっぱり危険なので
* 子育て中のカラスの巣に不用意に近づかない
* 散策路では帽子を被る
などの注意が必要です。

このような威嚇するカラスを見ると
「子育ての季節が来たのだなぁ」と感じるのです。
(巡視の中で、危険な場所等があれば注意喚起を行っています)

群れていたらちょっと恐かったり
ゴミを散らかしたり、人間からは敬遠されてしまうカラスですが
この時期は、一夫一妻制で協力して子育てを行い
また、お互いに毛繕いならぬ羽繕いをしていたり
まるでお話ししているように2羽で寄り添ったり
人間にとてもよく似た愛情表現(?)を見せてくれます。

「あら、またカラス・・・」と思いながらも
時には、じっくり観察してみると興味深いです。


*羽繕い*
(道東では一般的にハシブトガラス、ハシボソガラス
       冬に渡来するワタリガラスが見られます)


広葉樹が一斉に芽吹き 
美しい新緑の釧路湿原国立公園が始まりました

*シナノキの芽吹き*

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2011年05月24日細岡エゾシカカウント調査 -5月中旬 ver.-

釧路湿原国立公園 釧路湿原 小林 美保

月に3回行っている細岡展望台からのエゾシカカウント調査について
以前のブログで
http://c-hokkaido.env.go.jp/blog/2011/04/717.html
ご紹介しましたが、
20日に5月中旬のカウントを行いました。


 赤線で囲んだ範囲:細岡展望台から見える範囲
 青線で囲んだ範囲:エゾシカがまとまって確認できた場所
 今回は67頭確認(2回カウントの平均値)


調査の始まった2006年~昨年度までは、
越冬期間を目安として3月末までの調査でしたが
今年は4月以降もカウントを続け、しばらく調査は続く予定です。

その集積したデータがこちらのグラフです。
 ※画像をクリックすると大きくなります



フィールドスコープで可視可能な範囲をカウンターで数える・・・

正確な数を数えることは明らかに不可能ですが
同じ場所から、同じ道具を使って、同じやり方で調べたデータを蓄積することは
その中から、何かしらの方向性や参考になるものが見つかると考えています。
(実際増えているかどうかを判断するのは困難ですが)

天候等により調査できなかった回もありますが、
大きな動きの流れは見えてきそうです。
今後は、湿原で専門家などの植生調査も行われる予定です。

【湿原のエゾシカ】
エゾシカの生活場所は林の中や周辺部から草地です。
ササや低木の葉を好んで食べ、エサが不足すると木の皮や、
人里に出て農作物も食べます。
冬積雪の多い地帯ではエサを探すのが困難なため
生息数は少なくなりますが、寒さの割に雪が少ない釧路湿原は
植物を探しやすく、また周辺には丘陵地があるので
悪天をしのぐシェルターも見つけられるため越冬地となっているようです。
そのため、釧路湿原では冬期にエゾシカのカウントを行ってきました。

*****

調査日は20度近い陽気で
細岡展望台駐車場のエゾヤマザクラが満開でした

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2011年05月18日温根内木道 自然情報MAP

釧路湿原国立公園 釧路湿原 小林 美保

鶴居村にある温根内ビジターセンターには
釧路湿原の中を歩くことができる木道があります。

駐車場に車を停めて、鳥のさえずりを聴きながら
森の中の階段を下りていくと ビジターセンタが見えてきます。

センター周辺ではエゾヤマザクラの花が咲き始めました。


このビジターセンターで配布している
「温根内木道 自然情報MAP」を更新しました(少し前ですが・・・)。


 ※画像をクリックすると大きくなります

歩いていると、たくさん聞こえる「チョチョ ビーっ↑」という声
じーっと声の先を見つめていると・・・


見つけた♪ センダイムシクイ
小さな鳥ですが、ぜひ 探してみてください。

晴れの日は暖かくなりますが、湿原に出ると風がとっても冷たいです。
上着を持って散策を楽しんでください。

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2011年05月13日5月の 素敵探し

釧路湿原国立公園 釧路湿原 小林 美保

釧路湿原国立公園は釧路市の北に広がる釧路湿原と
その周辺の丘陵地からなります。

この公園を訪れるために利用する道路からは
様々な風景を楽しむことができます。

ここ釧路では、夏に霧の発生が多く、
6月~8月の日照時間が日本中でもっとも少なくります。
そこで・・・
比較的お天気に恵まれる5月
朝早くに起きて釧路湿原を訪れてはいかがでしょうか?

空気が澄んだ朝は、
遠くに 雄阿寒岳、雌阿寒岳、阿寒富士、西別岳などが見られます。
しかも・・・
残雪の白色と、山と空の青色のコントラストは
5月ならではで とても美しいです。
道路には、ところどころにパーキングや撮影スポットがあり、
細岡展望台からも阿寒の山々が眺められます。

車を停めて 外に出て 大きな空を見上げてみるのがオススメです。


細岡展望台から雌阿寒岳・阿寒富士


シラルトロ湖 冷泉橋近くのビュースポット
雄阿寒岳が凛と佇む

※デジタルカメラからの撮影です

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2011年05月06日温根内木道 自然情報MAP

釧路湿原国立公園 釧路湿原 小林 美保

鶴居村にある温根内ビジターセンターには
釧路湿原の中を歩くことができる木道があります。

駐車場に車を停めて、ビジターセンターに寄って・・・
このMAPをゲットして、木道の散策を楽しんでください!
みなさんに釧路湿原を楽しんでいただけたらなぁ、という想いを込めて
センターの方に協力してもらいながら今後も更新していきます。
自然情報を収集して、国立公園を訪れる方に分かりやすくお伝えすることも
アクティブレンジャーの大切なお仕事なのです。

木道は大変歩きやすく、完全バリアフリーのコースもあります。
まずは、一度体験することを オススメします!!



「温根内木道 自然情報MAP」

 *画像をクリックすると大きくなります

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2011年04月27日スロースターター

釧路湿原国立公園 釧路湿原 小林 美保

自然保護官事務所のある釧路湿原野生生物保護センターの窓から
1羽のオオワシが じーっと池の水面を見つめて
佇んでいる風景が目に入りました。



道東で越冬したオオワシは、基本的には4月の中頃までには
繁殖のためサハリンへ移動します。

でも、時々4月の下旬になっても
所在なさげに ポツンといるオオワシを見かけることがあります。
だいたいワカドリです。
嘴の色と足の色の特徴などから、おそらくこの鳥は去年の夏生まれで
初めて海を渡ってきたと思われます。

「おーい 大丈夫?」

思わず遠くから声をかけそうになります。
プロミナで観察していると、いろいろ迷っているようにも見えます。
(私の勝手な想像ですが!)
初めての北上、タイミングがうまくつかめないのでしょうか・・・
時には、渡りの途中に生き延びることができないこともあります。
他の仲間たちは、もうすでに北上しているところでしょう。

でも、私はこういう鳥がすきです。
一歩出遅れても、自分で体験して、自分で学習して
来年さらにたくましくなって、また出会えることを願っています。


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